「休日」は単なる休みと思いきや、意外と知らない重要なルールが色々存在します。実は、人事部の人でさえきちんと理解していないことがあり、知らないでいると残業代が違ってくることも。
パートの方にも理解しておいていただきたい「休日に関する基本ルール」をまとめますので、頭の隅に置いておいてください。
パートにも当てはまる!法律で決められている法定休日のルールとは
法律上、「休日」には色々なルールがあります。厚生労働省HPを見てみましょう。
『法定の労働時間、休憩、休日
・使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
・使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
・使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。』
近年では週休2日制が多くなってきましたが、法律で決められている休日は「週に1日」のみ。「6日間連続勤務」は法律違反でないということになります。
週の労働時間は40時間までということで、1日2時間×7日間(毎日)働く場合はどうでしょう。合計時間は週14時間と「40時間未満」におさまっていますが、7日間勤務という点が問題です。法律では「毎週1日の休日」を必須条件としており、いくら時間数が短くても、休日がないシフトというのは法律違反というわけです。
所定休日と法定休日の違いを知っておこう
休日には「所定休日」と「法定休日」があります。
「法定休日」は法律で定められた休日のことですが、日曜日でなくてもよく、いつを法定休日とするかは自由に設定できます。この「法定休日」に出勤すると、いわゆる「休日出勤」となり、時給の35%増しで休日出勤手当がつきます。
一方「所定休日」とは、法律で定められた休日ではなく、会社が任意で与える休日のこと。もしこの日に勤務することになっても、休日出勤手当はつきません。ただし、月~土曜で1日8時間働いている人は、金曜の時点で「週40時間」という上限に達してしまいますから、土曜日は朝から退勤時間まで、すべての時間が割増賃金(時給の25%増しの残業代)の対象になります。
法定休日を振替で出勤したらどうなる?
休日に勤務する場合、「振替」の場合と「代休」の場合とで扱いが違ってきます。
① 休日出勤日までにあらかじめ休日と出勤日を振り替える場合
あらかじめ休日と出勤日を振り替えていた場合は「振替出勤」となり、休日出勤にはなりません。ただし、振り替えたことによってその週の勤務時間が40時間を超えた場合は、25%の割増賃金がつくことになります。
② 休日出勤日までに代わりの休みが決まっていない場合
休日出勤する日までに出勤日と休日を振り替えず、休日出勤後に「代休」を決める場合は扱いが異なります。この場合は「休日に働いた」という事実は変わらないため、法定休日に労働した場合は35%増しの休日出勤手当をもらいつつ、別の日に休むこともできるのです。
パート先で法定休日ルール守られているかチェックしよう!
法定休日と所定休日の違いや、週40時間越えで割増賃金、「振替か代休か」でかわる休日出勤手当などについては、知らないと理解が難しい点です。一度覚えてしまえば不利な労働条件をチェックできますから、ぜひ覚えておいてください。
「今まで残業代をソンしていた……!」と気づいた方は、2年間さかのぼって請求できますので、勤務時間を洗い出し、申告されることをお勧めします。
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社労士:星野陽子