静岡県内の大学や専門学校などで活動中のサークル・ゼミを、ドーモプラスが定期的に紹介!第26回は、静岡大学で活動する「静岡大学多言語朗読会」をピックアップ!

多言語朗読会では披露する物語の世界観を伝えるために音楽や字幕、パンフレットまで凝りに凝ってます。でもそれが味わえるのは年にたった一度。生で聴かなきゃもったいない!


多言語朗読会代表・運営、石川風花さん(人文社会科学部言語文化学科3年)に、多言語朗読会の舞台裏について訊きました。



学問を通して物語を披露する


多言語朗読会で扱う言語は、日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語です。


基本的に初修外国語の授業で学ぶ言語をもとに、言語文化学科の先生が監修・指導に入ってくださっています。最近はベトナム人留学生も参加してくれているので、特別枠でベトナム語も扱っています。


活動自体は朗読会本番が10月にあるので、5月には各言語班に分かれて練習を始めます。メンバーは60人ほどいますが、8割は言語文化学科の学生です。それでも他学部他学科の学生も参加していて、去年はその中で交流が生まれて楽しかったという声も挙がりました。



朗読だけじゃない、物語が伝わる設定作り


毎年テーマを変えていて、去年は各国の民話・昔話でした。私は日本語班なんですけど、小泉八雲の『食人鬼』をやりました。英語班なら『幸福な王子』、ドイツ語班なら『いばら姫』など、日本人でも馴染みのあるお話を選んでいます。


今年は怪談をテーマにしています。また、私たちは朗読をするだけでなく、作品に合ったBGMを決め、物語の字幕も作っています。字幕は学生が一から原文を訳して先生がチェックしたものを使っています。


実はパンフレットが豪華で、去年から先生方に講評を書いてもらっています。なのでパンフレットも朗読会の魅力の一つかもしれないです。




点と点がつながって思いもよらない卒業後が見えてきた


朗読会の運営をやっていく中で、私の進路として文化芸術に関わる仕事を将来的にしたいなと思うようになりました。自分が表現するよりも、その裏でアートマネジメントのような仕事ですね。運営でやっている出演者の方に気持ちよく発表してもらうことや、どのようにお客さんを呼ぶか考えることはそのような道につながってる気がします。


そもそも入学した当初は自分がそんな方面に興味がわくと思っていませんでした。いろいろやっていく中で今の進路が見えてきたという点では、多言語朗読会は自分の中で大きい存在ではあるかもしれないですね。



自分が一番のファン……! だから誰かに聴いてほしい


去年の中のアンケートに「こんなに面白いのだからもっと人を呼ぶべきだ」と書いてくださったお客さんがいて、私はすごく嬉しかったんですよ。それに運営をやっている私が一番楽しんで、他の人が聞かないのはもったいないと思うくらいです。だから広報を頑張ることが今年、自分の中でやりたいことですね。


お金も取ってないですし、自分の興味や関心、世界観を広げるうえで一つの窓にはなる場だと思います。聞いているだけで自分が知らない話の世界に入れることは、すごく楽しいんですよ。だからそんなに身構えずに少しでも興味があったら、気軽に足を運んでほしいと思います。




取材を終えて


英語ですら苦手で難しいって思ってた私でも何とかなりそう、ちょっと面白そうだから行ってみたいって思っちゃいました……「グローバル化」が叫ばれてる今だけどこういう入り口もありかもしれない……!


取材・執筆
外山矩実(静岡大学人文社会科学部2年/『静岡時代編集部』)
「大学に入って5キロ痩せました。筋トレの成果?」


制作:静岡時代編集部

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