
はじめまして! 静岡県中部の地域情報や、数々の豆知識を発信している、藤枝の雑記ブロガー「山猫おソーラー」です。
今回からDOMO+さんの地域情報ページに寄稿させていただくことになりました。
今回は山猫おすすめの飲食店のご紹介記事となりますが、飲食店以外にもおすすめスポットをいろいろ紹介していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
焼津さかなセンターにある、ひもの定食専門店「ひもの食堂」
今回ご紹介するのは、静岡県焼津市の観光名所:焼津さかなセンター内に今年6月オープンした、「ひもの食堂」です。
運営会社のヤマクニ水産は、もともと焼津さかなセンターで、干物や海産物を販売している魚屋さん。
そのヤマクニ水産が、干物のおいしさをもっと沢山の人に知ってもらいたい!と考えてオープンさせたのが、今回取材にお伺いした・・・
「ひもの食堂」なのです。
ヤマクニ水産の無添加ひもの
「ひもの食堂」は、焼津さかなセンターで、無添加の干物を販売しているヤマクニ水産が運営している定食屋さん。
そもそもヤマクニ水産とはどんなお店なのでしょうか?
ヤマクニ水産の直営店を覗くと、美味しそうな干物がいっぱい!
スーパーでもよく見る、アジの干物の他に、キンメダイや、銀ダラ、のどぐろ、甘鯛など、ちょっと珍しい干物も並んでいます。
一見普通の干物屋に見えるヤマクニ水産ですが、実は他の店にはない特徴が・・・その中でも代表的な特徴を3つあげてみます。
●ヤマクニ水産の干物は、無添加・無着色なので安心!
ヤマクニ水産の干物は、酸化防止剤やpH調整剤といった、化学的な調味料や薬品を一切使っていません。
そもそも、干物に食品添加物が入っているの? とびっくりしてしまいますが・・・市販されている干物のほとんどには、酸化防止剤などの食品添加物が入っているのです。
●毎朝 早朝(深夜?)から魚を開いて乾燥。干物はその日売る分しか開かないのでいつも新鮮!
無添加干物はどうしても日持ちがしない。新鮮でおいしい状態の干物を消費者にお届けするために、製造~販売までの時間を極限まで短くするよう努力しています。
魚を捌き始めるのは、早朝3時(深夜と言ってもいい時間ですね・・・)乾燥が終わった干物は、すぐに焼津さかなセンターに運ばれて販売されます。
つまり、店頭で販売されている干物は、その日の朝に製造したもの。だからとっても新鮮な干物が並んでいるわけです。
●塩糀が効いていて美味しい
ヤマクニ水産の作る干物は、干物作りに使われる「塩汁(しおじる)」自体に糀を効かせるというヤマクニ水産独自の手法で製造されています。
糀の効いた塩水に魚を漬け込んでから、すぐ冷風乾燥! 干し方はあまり強く乾かさない「生干し」です。
この干し加減もヤマクニ水産の特徴・・・明らかに他のお店の干物と違う、塩味と甘みのまじった絶妙な味の干物が出来上がるのです。
干物と食品添加物
ヤマクニ水産の作る干物は、無添加、無着色にこだわっています・・・。
ここで勘違いしてはいけないのが、酸化防止剤などの食品添加物が「危険な物質」ではないという点。
現在国内で使われている食品添加物は、国が安全性と有効性を評価して健康に問題がないと認めた製品。
しっかりと検査して厚生労働大臣が安全であると認めたものなのです。
適切に食品添加物を使う事によって、保存性が向上し食中毒の危険性を減らす事が出来ますし、商品の品質をより安定させる事が出来るのです。
「食品添加物を使わなくても、安全で美味しい干物を消費者に提供できないか?」とあえて無添加、無着色にこだわったヤマクニ水産。
そんな研究の結果、生まれたのが、塩糀が魚本来のうまさを極限にまでひきだした干物なのです。
そんな、新鮮で美味しい干物を炭火で焼き上げる「ひもの食堂」。期待が膨らみます!
「ひもの食堂」に行ってみました!
焼津さかなセンターの一角にある「ひもの食堂」。
大きな茶色の看板が目印。開店してから間もないという事もあって、出来たてピカピカという外観です。
店内はシンプルで清潔な空間。2人掛け、4人掛けのテーブルの他に、窓側にはカウンター席が設置されています。席数は約20席。昼食時は観光客や地元の人でいつも賑わっています。
「ひもの食堂」のメニュー
ひもの食堂は、基本的には「定食」のお店。
メインの干物に加えて、副菜2皿、ごはん、お味噌汁が付いてきます。
メニューは獲れる魚の種類によって毎日変わりまし、おすすめ商品もその日の漁の状況で変わります。
自分の好きな魚を頼むのもよし、その日のおすすめを頼むのもよしです。
個人的には、お店がおすすめする干物が間違いないかなと思います。
私は、今までも、ヤマクニ水産の干物を沢山食べてきましたが、店員さんが、
「今日はこれが美味しいよ!」
と言う「干物」はいつも最高においしい。さすが、魚の事をよくわかっているなあ(当たり前だ!と言われそうですが。。)
今日のメニューに載っている干物は、レジ横のショーケースに陳列されています。こうやって見るとどれもおいしそうなんですよねえ・・・。
さて、今回、私が頼んだのは、本日のおすすめ品。焼津市の小川港で水揚げされた、「サバ」の醤油干し定食です。
ひもの定食は「ひものと副菜2品、ご飯と味噌汁」
「ひもの食堂」のメインは、やっぱり炭火で焼かれたこれ!あつあつほくほくの干物です!
炭火の良い香りが食欲をそそります!
副菜は、醤油糀につけたエビのお刺身。「えびの醤油糀のせ」です。
エビはぷりぷり。醤油糀のやさしい辛さと良く合います。
「ひもの食堂」のもうひとつのこだわりが、
「米」と、「味噌汁」。
ちょっと普通の定食屋ではお目にかかれないすごい材料を使っているのです。
店長さん曰く、「干物は無添加にこだわったのに、そのほかの材料をこだわらなかったら不十分になってしまう。お米、味噌、野菜、鰹節どれもオーガニックのしっかりとしたおいしさの材料を使っています」との事。
派手な料理はないけれど、一つ一つの料理が静かに生きた経緯を語りかけてくる。かみしめながら大事に食べなくては! そんな気にさせてくれる素晴らしい食事だと感じました。
「ひもの食堂」への行き方
「ひもの食堂」があるのは・・・静岡県焼津市の観光名所「焼津さかなセンター」の中です。
焼津さかなセンターは、観光バスが次々と入ってくる、静岡県中部地区有数の観光名所!
鮮魚店を中心に、沢山のお店が集合している「巨大魚市場」なのです。
さて、今回訪れた「ひもの食堂」がどこにあるかと言うと・・・実は、さかなセンターの敷地内ではあるのですが、ちょっと離れた建物の中にあるのです。
こちらは、さかなセンター内に掲示されている買い物マップに、「ひもの食堂 ~ヤマクニ水産~」を書き足したもの。画面の左上に赤い四角で囲われた場所に、目指す「ひもの食堂」はあるのです!
「焼津さかなセンター」の建屋とひもの食堂の建屋の間には、観光バス駐車場があるので、さかなセンターの建屋(中央口)から「ひもの食堂」がある方向を見ても、、ありゃりゃ。。バスが邪魔でお店が見えません。。
「ひもの食堂」に行くには、この観光バスの列の右奥の方に歩いていきます。
観光バスの駐車場の出口まで来ると・・細い公道を挟んで、向こう側に何店か店が見えてきました! もう焼津さかなセンターの敷地でないのでは? と心配になりますが、実はこちらも焼津さかなセンターの一部。
「ひもの食堂」はこの長屋の中の一軒。奥から2番目の店舗が今回の目的地になります。
看板はとっても大きくて良く目立つので、近くまで来れば迷う事はないのですが、、
「魚市場の建屋」から見えないので、この店に行きたい! という人以外で、ひもの食堂にたどり着くひとはあまりいないそうです。。。
「ひもの食堂」店長の増田さんへのインタビュー
「ひもの食堂」店長の増田さんにインタビューをさせていただきました。
●なぜ、無添加にこだわった「干物」を作り始めたのですか?
昔は、酸化防止剤を当たり前のように使っていたのだけど、ある時、もしかして、酸化防止剤って体に悪いのでは? と思うようになって、食品添加物を使わないで干物を作る方法を研究しました。
食品添加物を使わない場合、どうしても賞味期限が短くなってしまうので、ヤマクニ水産では、少しでも新鮮な状態でお客様にお届けできるよう、深夜~早朝に魚を開いて、干し、その日の朝には店舗で販売するという方法を採用しています。
●どうして、干物を中心とした定食屋を始めようと思ったのですか?
干物って、実は敷居が高いのです。少なくとも敷居が高いと思っている人は多い。買ってきたら焼かなくてはいけない。「上手に焼くのは難しい」と感じている人が沢山いるのです。
そんな方にも「干物の美味しさ」を味わってほしい。炭火で焼いた最高においしい干物を楽しんでほしい! そう考えて、干物を専門とした定食屋を始めました。
●料理へのこだわり
干物はもちろん自家製の物を使用しています。ヤマクニ水産の干物は、無添加・無着色が特徴。
「無添加・無着色の新鮮の干物を、炭火で焼いて提供する」と言うのがこの店の基本。
そのうえで、お米や、野菜、味噌なども徹底的においしさと安全にこだわった物を使用しています。
お米とお味噌は、藤枝市瀬戸谷で、無農薬栽培をしている「ちぃっとらっつ農舎」さんが作った物。お米はアイガモ農法で作られています。
野菜は、藤枝市で無農薬野菜の販売をしている「Lalala planet」から仕入れています。
鰹節は、伝統的な製法「手火山造り」で鰹節をつくっている「やまじゅう」さんの物を使っています。
皆さん素晴らしい生産者さんなんですよ!
●今後の展望
焼津さかなセンターにある飲食店は、海鮮丼など、生のお魚を使用した店舗が多い。もちろん生のお魚の料理も良いのだけど、「干物」という選択肢もあるよ! という提案をしていきたい。
●読者の皆様にメッセージをおねがいします。
ヤマクニ水産は、無添加で干物を作っています。化学薬品を使えば、もっと簡単に大量の干物を作ることが出来るけれど、無添加で美味しい干物が「本筋」と考えているので。
ぜひ、本物のおいしい干物の味を知ってほしいですね!
店長の増田さん。お忙しい所取材へのご協力ありがとうございました!
まとめ
焼津さかなセンターの中にある干物定食専門の食堂「ひもの食堂」を取材しました!
塩糀の効いた新鮮で美味しい自家製の干物を炭火で焼く。熱々ほくほくの干物は、今までに味わったことのない美味しさ! 干物はもちろんですが、米や味噌など地元産の吟味された食材にも、お店の強いこだわりを感じました。
ぜひ、「ひもの食堂」に足を運んでみてください。きっと、今までの干物の概念を覆す、すばらしい出会いがあると思いますよ!