
気が付くと、黒い髪の中にぴよっと生えている白髪……。
ぱっと見でわからないならまだしも、表面の顔周りや頭頂部など、目につきやすい部分に多くなってくると、一気に気になる存在に。
近年では、思いきって白髪を生かしたグレイヘアにするスタイルも注目されてはいますが、少量の白髪があることは、老けて見える、疲れた印象に見られるなどあまり良いイメージではないですよね。そこで今回は、白髪の原因から気を付けるべき対処法までをプロが解説します。
白髪ってなんでできるの?
白髪の原因01:ズバリ、加齢!
毛髪に色を与えているのはメラニン色素です。メラニンを作っている色素細胞(メラノサイト)は、毛母細胞に色素を受け渡すことで毛髪に色を与えます。メラノサイトがメラニンを作れなくなったことで色を失ったまま生えてくるのが白髪です。 若い人の髪の毛には、メラニンが多いのですが、加齢に伴いメラニン量が少なくなっていくため、年を取るとともに少しずつ白っぽい髪が生えてきます。そのため、年齢を重ねた女性は白髪が生えやすくなってくるのです。
白髪の原因02:親などからの遺伝
白髪には、なりやすい人と、そうでない人がいます。これには遺伝の要因もあると言われており、若い方でも白髪が出ることもあります。だからと言って、親が白髪であったことで必ずしも白髪になるというわけではありません。あくまでも一つの要因です。
白髪の原因03:ストレス・その他
ストレスや生活習慣と白髪の関係については、まだはっきりした原因が分かっていないので断定できないのですが、ストレスの影響で自律神経が乱れると、頭皮の血流不足が起こり、メラノサイトの活動が悪くなりますので、間接的に白髪を引き起こすということはありますね。
その他、タバコや睡眠不足、偏った食生活など、生活習慣が悪いことでも、髪への影響を受けやすくなるという説があります。
あなたのその白髪対策、危険かもしれません
白髪がふと目につくようになると「1本くらいいいや」と抜いてしまう人がよくいますが、この髪を抜くという行為は絶対にしないこと。
頭皮にしっかり生えているものを、無理やり取るということは、頭皮へのダメージが計り知れない危険な行為です。抜くことで毛根自体を痛め、元々持っている髪が生える力も弱くなり、薄毛に繋がることもありますので、やらないようにしてください。
そもそも、白髪を抜いたとしても、その毛穴からはまた白い毛が生えてきます。(特に加齢が原因の白髪の場合)メラノサイトの働きが元のように戻ることは難しく、抜いてもまた白髪が生えてくる可能性が高いのです。
逆に、白髪を抜くと増えるということもありません。白髪は抜いても減らないし増えもしません。どうしても気になるという場合はカットで対応を。
AD
白髪染めが、薄毛の原因になる場合も
白髪が多くなってくると、隠すために白髪染めやカラーリングで黒髪に染める方も多くいらっしゃると思います。但しここで気を付けてほしいのが、染め方。ここを間違うと頭皮のトラブルに繋がり、薄毛の原因になることも。
ご家庭で白髪染めをするという方も多いと思いますが、いくらきちんと洗髪をしたつもりでも、どうしても洗い残しがでてきてしまうんです。そして、その残りが蓄積されていくと頭皮の毛穴がつまる原因に。そうすると、髪が成長しにくくなり、生えづらさに繋がります。
根元が伸びたらすぐに染めるいう方は特にその頻度が多くなるので注意。手っ取り早く家で染めるのは楽かもしれませんが、可能であれば、ヘアサロンで美容師さんに染めてもらう方が、安心かと思います。
新鋭技術で、白髪を予防できるように
今までは、白髪を完全に予防できる術はないとされていたのですが、去年、論文で発表された、
ネイチャーラボの研究開発部門が開発した「ブラックリバース」という成分に注目しています。
これは、従来の、生えてしまった白髪を黒に染めるのではなく、これから育つ髪を元の髪色に戻すように働きかける新しい成分。特殊なペプチドを中心とした成分で、メラノサイトを活性化させることによって、人が本来持つメラニン形成を増加させ、自然な髪色に回復させることができる成分。商品化できると画期的ですので、私も注目していきたいと思います。
老化、遺伝、ストレスなど白髪の要因は複合的で、今のところは、これをすると予防できるいう手段はハッキリと言えないのが現状。ですが、白髪への対応というのは、加齢に対してのアンチエイジングと一緒。生えてきた白髪は広い心で受け入れ、正しい対処法で美しい髪を保っていきたいですね。
取材・文/デザインミーライター 滝 紀子
関連するワード