AGAスキンクリニック 新宿駅前院 院長
西垣 匠さん

2009年4月 順天堂大学附属順天堂医院にて勤務、2013年よりAGAスキンクリニックでの勤務を経て、2018年12月より AGAスキンクリニック新宿駅前院の院長を務める。麻酔科標榜医、抗加齢医学会員、米国ISNF認定サプリメントアドバイザー
https://www.agaskin.net/woman/ 


なんか最近、頭皮が透けて見えてきたかも……そういえばブラシに付く抜け毛も増えてきた気がする……。40代50代を迎える女性たちを悩ませるのが、この加齢とともに薄くなっていく髪の問題。でも、そもそも何で薄くなるの? その理由は? など気になる薄毛問題を解明していきます。


どうして最近になって、女性の薄毛が増えてきているのか?



(上記のグラフ)当院の女性の新規患者数を見てもらうと分かるように、ここ5年だけ見ても、薄毛で悩まれて相談にくる患者さんが、2倍以上増えています。昔と比べ、女性をとりまく環境の何が変わったかというと、女性が社会に出ている割合です。これは大きな原因のひとつだと言えると思います。


やはり女性が社会進出をした分、仕事や育児にと日々忙しくなり、ストレスの増加やホルモンバランスの乱れなどが、様々な面で影響しているのは間違いないと思います。現代の社会的な背景も、女性の薄毛が増える原因の一つになっていますね。実際、働き盛り世代の方で、薄毛に悩まれて相談に来る方は増えているんです。

男性とは違う! 女性特有の抜け毛タイプってどんなものがある?



女性の薄毛や抜け毛は、男性型脱毛症のように、生え際や頭頂部周りなど特定の場所から後退するのとは違い、頭髪全体が均等に抜けていくのが特徴。特に多いのが、頭頂部から薄毛が広がり、髪の毛の分け目が透けて見えるのが目立つ症状、びまん性脱毛症です。


1.びまん性脱毛症


女性の薄毛の中で一番多いタイプ。生え際が後退するのではなく、頭髪全体のボリュームが少なくなります。脱毛の境界がはっきりしないのが特徴。原因は老化、ストレス、ダイエット、誤ったヘアケアなどさまざま。


2.牽引性脱毛症


長期間、髪をきつく引っ張ったりすることで頭皮の決まった部分に大きな負担がかかり、その部分だけ抜けていく。分け目や引っ張る部分などに起こりやすい。


3.分娩後脱毛症


産後数カ月が特に目立ちやすく、1~2年ほどで落ち着くが、まれに戻りにくい人も。妊娠中の女性は、通常よりも女性ホルモンの働きが活発なため、抜け毛が減少するが、出産後はホルモンバランスが変動するため、毛が抜けやすくなる。


男性の場合は一か所に集中するので、目に見えて脱毛状況が分かりやすいのですが、女性の場合、少しずつ全体的に薄くなっていくため、本人でも気が付かないうちに脱毛が進行してたという例も少なくありません。


ただ、男性の場合は一度進行すると脱毛が止まることがないのですが、女性の場合はしっかりとした医療機関での対処療法であれば、進行を止めることができるんです。そこも男女の脱毛症の大きな違いです。


気になる方は一度ヘアチェックをしてみることをおすすめします。一見、髪が多いように見えても1本1本が細かったり、髪が薄く見えてもしっかりした髪が生えていたりするので見た目だけじゃ分からないことも。


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そもそも女性の薄毛の原因は何なの?



女性ホルモンの減少


男性型脱毛症との一番の違いは、ホルモンの違いです。男性には男性ホルモン、女性には女性ホルモンしかない、と思っている方もいるかもしれませんが、女性にも男性ホルモンが微量にあるんです。もちろん女性ホルモンがメインなのですが、加齢とともに男性ホルモンの量が徐々に増えてくることで、女性ホルモンが減り、そのことが薄毛の原因になります。


女性ホルモンが減少する原因には、ストレスや生活習慣の乱れなどいくつかの要素が考えられるのですが、ホルモンの分泌量自体が30代を境に減少していきますので、加齢によるホルモンバランスの変化は避けられないことでもあります。


女性は、加齢によって卵巣の機能が低下していき、徐々に女性ホルモンの分泌が少なくなると言われていますので、特に女性ホルモンが減少する更年期から老年期にかけては、髪の毛自体にも変化が出てきます。


頭皮への血流不足


髪を生み出す頭皮への血流が滞ったり、血管が収縮したりすると、髪の元となる細胞の生まれ変わりが遅くなり薄毛の原因の一つに。元気な髪を生み出すには、血の巡りがよく元気な頭皮を維持することが大切になります。


ストレス


ストレスを放置すると自律神経やホルモンのバランスが崩れ、体内のあらゆる器官に悪い影響を及ぼします。もちろん頭皮や毛母細胞なども一緒です。日々リラックスする時間を確保しストレスを解消することも、毛髪のお悩み解消への第一歩です。


*毛母細胞:毛乳頭の周りに存在する細胞で、毛髪を作り出している細胞です。毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、新しい細胞によって押し上げられたものが毛髪になっています。


食事


脂っこいものや、インスタント食品や加工食品の摂取過多など、栄養バランスの悪い食事は、皮脂分泌過多などを引き起こし、髪の毛にも悪影響を及ぼします。基本的にはバランスの良い食事を心掛けておけばいいと思います。女性ですと、特にイソフラボンを含む食品。豆腐とか納豆などを積極的に摂取されるのがおすすめです。


タバコ


当院の患者さんには必ず、禁煙したほうがいいですとアドバイスしています。タバコをやめた方が良い、一番の理由は血管の収縮。


髪の毛への栄養素は血液によって運ばれているのですが、タバコに含まれるニコチンによってその毛細血管が収縮してしまうので、髪への栄養分が行き届かなくなります。血流が悪くなることで、頭皮全体にも悪影響を及ぼします。


生活習慣(不規則な生活や、睡眠不足)


髪の成長に必要なホルモンは、夜の睡眠中にもっとも多く分泌されますので、不規則な生活や寝不足も髪の毛に悪影響。睡眠は髪も頭皮も清潔な状態がベストです。キチンとシャンプー、ドライをして髪も頭皮もきれいな状態でお布団に入って、しっかり睡眠をとってください。


間違ったヘアケア


清潔を意識しすぎて1日に何度もシャンプーをしているという方もいらっしゃいますが、頭皮に必要な皮脂を失うことになるので×。1日1回にしてください。


爪をたててゴシゴシと髪を洗うのも、頭皮を傷つける行為なのでNG。同じく、ブラシやくしなどをつかったブラッシングも、先の細いものは×。頭皮に刺激が強すぎるため、先の丸いものか柔らかい素材のものに変更を。

紫外線


頭皮は単純に肌と一緒ですので、何もせず紫外線を浴びていれば、当然日焼けしてダメージを受けます。頭皮にダメージが及ぶということは、細胞自体が活性化しづらくなり、髪をつくろうとする働きが弱くなるんです。髪の発育のためには、外に出るときは帽子をかぶったり、日傘を使うなどを心がけると良いと思います。



女性の抜け毛・薄毛には原因をひとつに絞ることは難しく、複合的な要因が重なって起こることが多く見受けられます。だからこそ、髪を健やかに保つためには、バランスの良い食事や生活習慣で、頭皮環境をしっかり整えることが近道です。


取材・文/デザインミーライター 滝 紀子


デザインミー編集部
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