新しい会社のパート面接に合格! 勤務初日を迎えるまではドキドキの毎日で、何かと気ぜわしいものですが、初日までに必ず確認したいのが会社との契約内容です。


勤務が始まってから「聞いていた条件と違う」「こんなはずではなかった」とならないように、面接時の口頭確認に加え、採用通知後の書面も必ず確認するようにしてください。



雇用契約書はマストではないが、労働条件通知書はパートでも作成義務あり



少しややこしいのですが、「雇用契約書」と「労働条件通知書」は異なるもので、会社が必ず作成しなければならないのは後者の「労働条件通知書」です。「通知書」と名のあるとおり、会社がパート勤務者に対して一方的に「通知」すればよく、パート勤務者が捺印する必要はありません。


言い換えると、お互いに納得した条件で進めましょうというものではなく、会社が「あなたの勤務条件はこれですよ」と告知する書類、というわけです。



労働条件通知書・雇用契約書に記載が必要な内容は?



通知書や契約書という名前だけでも仰々しくて、「中身はよく読んだことがない」という方も多いようですが、必ず以下の点を確認してください。


・契約期間
・仕事をする場所と仕事の内容
・始業・終業の時刻や所定時間外労働の有無
・休憩・休日・休暇
・賃金や退職に関する事項


これらは口頭ではなく、きちんと書面で従業員に伝える必要があると定められており、守らなかった企業には罰則もあります。正式には労働基準法に書かれている以下の事項。書面に含まれているか、目を通しておきましょう。


『労働基準法施行規則第5条第1項
・労働契約の期間に関する事項
・始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
・賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
・臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
・労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
・安全及び衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰及び制裁に関する事項
・休職に関する事項』



パートのためにつくられた「パート・有期雇用労働法」も要チェック



パートで働く人には上記に追加し、以下の内容も書面で提示が必要です。


・昇給の有無
・退職手当の有無
・賞与の有無
・相談窓口の有無


企業はこの4点についても必ず書面で提示しなければならないとされています。もし受け取った書面にこれらの項目がない場合は、会社に「~についての説明も追記していただけますでしょうか?」と依頼してみてください。



雇用契約書や労働条件通知書はパート社員の強い味方!


口約束でも契約は成り立つものの、会社との間でトラブルがあった時に、契約書は「証明」として身を守ってくれます。


上述の通り、「雇用契約書」の発行は企業の義務ではありませんが、労働条件通知書は必須です。特に契約期間については、最初に確認をしておかなければ後々もめる原因に。お互いに気持ち良く仕事をしようと思えば、企業にとっても従業員にとっても、明確な取り決めがあったほうがよいことは言うまでもありません。



参照:パートタイム労働法の概要―厚生労働省
参照:パートタイム労働法の改正について―厚生労働省
参照:労働基準法 第五条―厚生労働省

<取材協力>

星野陽子(ほしの・ようこ)
HRプラス社会保険労務士法人所属の社会保険労務士。東京都渋谷区恵比寿を拠点に、「HR(人事部)に安心、情報、改善という付加価値をプラスしていく」いうコンセプトのもと、全国の顧問先に対し人事労務に関するソリューション提案を行っている。企業が元気にならないと雇用は生まれない、賃上げはできないとの思いから「人事労務で疲弊する日本中の経営者・人事マンを元気にする!」をミッションに掲げ、人事労務担当者の立場に立った人事労務相談、就業規則や諸規程の整備、IPO支援、海外進出支援、社会保険事務のアウトソーシングなどを展開。品質と信頼を担保するために、担当するスタッフ全員が社会保険労務士有資格者。万全のセキュリティ体制でマイナンバー制度へも対応している。


<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
1週間45000円からできる留学サポートGo Globalを運営。採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。特に大学生やフリーターの方には留学後の就活相談に乗ることも多く、自己分析などのお手伝いも行っている。

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