一見すると普通の住宅に見えるこちらのお店。靴を脱ぐ純和風スタイルの玄関を上がると、カラフルなエスニックデザインのラグが広がる異空間の世界へ。お店の中には芳しいスパイスの香りが立ち込めて、空腹で活発な動きをし始めた胃袋をさらに刺激します。





静岡市清水区七ツ新屋、閑静な住宅街にある民家の1階にお店を構えるのが、2017年4月にオープンした本格スパイスカレーが話題のお店「カレー屋ロストコーナー」


大手カレーチェーン店とも、巷に溢れる日本人向けインドカレーの味とも違う、静岡では今まで味わえなかった本格スパイスカレーの味が堪能できるお店です!



飲食店での経験ゼロから始めたカレー屋さん





「シンプルなものをシンプルに」をモットーに、カレー作りに勤しむロストコーナー店長の稲森さん(右)は、運送屋さんからカレー屋さんに転身した異色の経歴の持ち主。飲食店での勤務経験がないにも関わらず、これだけ人々を虜にするカレーを作ってしまうことに驚かされます。


元々は趣味の一つだったカレー作りが、試作品を周りの人やプロの方にも食べてもらい、美味しいと言ってもらえたことで「もしかしたら……」という気持ちが心に芽生えて来たそうです。


それでもお店としてやっていけるか半信半疑だったそうですが、気に入った物件に巡り会えたことでロストコーナーが誕生しました。お母さんと弟さんと力を合わせ、ご家族三人でお店を切り盛りされています。



異国情緒が漂う店内の雰囲気





バックパッカーの経験がある稲森さん。ご自身が旅した中米の地図に当時の写真をピン留めして飾ってあります。もうこれだけで、旅好きな方は気持ちが高ぶって来ませんか? 稲森さんが旅したルートに思いを馳せてみるのも楽しいです。







店内にはカレーに使われるスパイスや、稲森さんの独特のセンスによって選ばれたインテリア雑貨が所狭しと並びます。かつて筆者がバックパッカーとして旅した、東南アジアの国々とも通ずる雰囲気がロストコーナーにはあります。


居心地が良すぎてついつい長居してしまったレストランを彷彿とさせる異国情緒。旅好きにはたまらないでしょう。





インドとネパールのビールも楽しめます。カレーに合うビールも用意されているので、薄暗いムーディーな雰囲気の店内で、まったり過ごすのもいいですよ。



ロストコーナーのメニュー



カレー屋ロストコーナーの定番メニューは以下の3種類。どのメニューもサラダ付きで1,000円(税込)です。


・マトンドライキーマ(中辛)
・ポークビンダルー(中辛)
・豚バラと玉ねぎのカレー(甘口)


筆者イチオシなのが、羊肉を使用したマトンドライキーマ。獣臭いイメージのマトンですが、スパイスの刺激で羊肉の臭みはほとんど感じません。普通のカレー屋さんではなかなか食べられない、スパイスのインパクトがクセになる一品です。





ワインビネガー・ニンニク・スパイスで漬け込んだ豚バラ肉がとろける美味しさのポークビンダルーは、豚肉の甘みとスパイスの刺激が相性抜群です!





玉ねぎをたくさん使ったまろやかな豚バラと玉ねぎのカレーは、甘口で辛みはほとんどないので、お子様でも食べられます。


小学生の息子は、こちらの豚バラと玉ねぎのカレーが大好物。「うまい、うまい。」と頬張る姿は見ていて気持ちがいいです。辛みをプラスしたい大人な方は、七味唐辛子をかけると美味ですよ!





ロストコーナーは、ライスにもこだわりがあります。パキスタン産のバスマティライスと日本米を合わせ、GEE(ギー)と呼ばれるインドのバターと一緒に炊いてあります。2種類のライスを使用しているので、食感の違いも面白く、ほのかに香るGEEの香りもマッチしています。


そして上記3種類のカレーとは別に、週替わりの限定カレーを提供しています。今までに登場した限定カレーの種類は80種類ほど。


インド・ネパール・スリランカ・バングラデシュ・パキスタン・日本、いろんな国のカレーをレパートリーとしているロストコーナーのカレーを目当てに、毎週通うヘビーユーザーもいるんだとか。常にカレーの事を考えているという店長稲森さんの閃きから生まれる限定メニューに、無限の可能性を感じます。



欲張りなアナタに2種類のあいがけカレーがオススメ





+200円で通常1種類のカレーが、2種盛りのあいがけに変更可能です。色んなカレーを味わって見たい方にオススメ!


今回は定番のマトンドライキーマ(右)と限定のビーフトマトマサラの2種あいがけをいただきました。





ピンクペッパーのホールとフレッシュコリアンダーが乗っているマトンドライキーマカレー。正直に申し上げると、羊肉を使用しているので、苦手な方もいると思います。


ただ刺激的なスパイスで限りなく肉の臭みが消えていて、未体験の美味しさにどっぷりとハマってしまう方もいるのも事実です。





こちらはトマトの酸味と刺激的なスパイスが相性バツグンの、ビーフトマトマサラ。トマトの爽やかな酸味を感じながらも、スパイスの刺激に顔中の汗腺が刺激され、じんわりと汗をかきながらいただきました。ビーフもゴロゴロとしっかり入っていて美味しいです!


期間限定なのがもったいないですね。またいつか食べられるでしょうか。



各種イベントで出会える限定カレー



カレー屋ロストコーナーは、週末に行われる各種イベントにも精力的に出店中です。もちろん、お店では食べることのできないイベント限定カレーも用意して、来場者を楽しませてくれます。イベント出店情報は、ロストコーナーのツイッター・フェイスブックをご覧ください。


イベント出店時は、お店はお休みとなります。ご注意ください。



ロストコーナーが大切にしていること





最後にカレー屋ロストコーナーを営む上で、稲森さんが大切にしていることを伺いました。


「ロストコーナーに来てくれたお客様に、来てよかったと思ってもらえることが一番。個性的なカレーを味わってもらって、いい思い出になればいいなと思います。またカレーを通してスパイスの面白さを伝え、お客様とコミュニケーションが取れればいいなと思っています。今の時代、飲食店だけでやっていくのは大変な時代。お客様に楽しんでもらう為に、雑貨屋さんとして商品を置いてみたり、ゲストハウスとして楽しく過ごしてもらったりするのもいいかなと思います。規模を広げられるなら、農業や音楽・フリースペースとしても。このお店、面白いことやってるなと思ってもらえれば良いですね。」


物腰がとても柔らかな稲森さんですが、お客様に楽しんでもらうことに関してはとても貪欲で、刺激的なアイデアをたくさんお持ちのようです。経験や資格がなくても、好きという気持ち、人を楽しませたいという気持ちがあれば何でもできる!


そんな事を稲森さんから教わった気がします。


カレー屋ロストコーナー

住所:静岡市清水区七ツ新屋2-3-43
TEL:054-347-2727

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営業時間(火~木)11:00〜15:00
営業時間(金・土・日)11:00〜15:00、18:00〜20:30
定休日:月曜日
座席数:座敷2席、座敷3席、テーブル2席、カウンター5席(靴を脱いで上がるスタイルです)
駐車場5台完備(できるだけ乗り合わせでご来店頂けると助かります)



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<ライター>

よれぴ
食べ歩きが趣味のブロガーで1児の父。週末の予定が未定のパパ&ママへ、静岡のグルメ・観光情報をブログ「もぐもぐしずおか」にて発信中!ラーメンと温泉とオーストラリアが好き。夢は家族で世界一周!

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