バイトの面接では、「まずは自己紹介をお願いします」と言われることが多く、準備をせずに行ってあたふたした経験がある人もいるでしょう。


話す内容に正解・不正解はありませんが、どんなことを話すべきかというコツを知っておくと、自己紹介がしやすくなります。以下を参考に、自分の自己紹介を考えてみてください。



1. バイト面接の自己紹介は名前を名乗るところから



肝心の第一声はゆっくり落ち着いて、ハキハキと。第一印象が大切ですから、相手と視線をあわせて堂々と自分の名前を名乗りましょう。また、名前の後に面接をしてもらうことについてお礼を述べると印象が良くなります。


例:「静岡太郎と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます」



2.バイト? 学生? 現在の状況を自己紹介に入れること



次に伝えるべきことは、今現在の説明です。学生なのか、主婦なのか働いているのか。学生なら何を学んでいるのか、働いているならどのぐらいの期間、どんな経験があるのかを伝えてください。


フリーターの人:
「ミュージシャンとしてプロデビューを目指しています。生活費を稼ぐため、夜はスタジオの受付でアルバイトをしています」

学生の人:
「現在、静岡学院大学3年生で、経済を専攻しています。ジャズサークルに所属し、ドラムを担当しています」

主婦の人:
「現在、専業主婦で家事育児に専念しております。他にパートなどはしておりません」



3.面接の自己PRタイムでは長所やアピールポイントを簡潔に



自分のことを伝えるのですが、ここではごく手短に、1分程度の内容で大丈夫です。そのあと面接官に興味をもって質問をしてもらえるように、自分を表すキーワードを入れ込んでください。


できればバイト内容に関連したことを話せると面接官の興味をひくことができますし、そのあとの話にもつなげやすいでしょう。以下は接客業のバイトを想定した自己PRです。


例:「去年、ワーキングホリデーで1年間オーストラリアに行き、英語を学びながらカフェのホールで働きました。当初英語は全く話せなかったのですが、笑顔とジェスチャーで明るく乗り切りました。カフェでの接客は学校以上に英語の勉強になりました。


学生時代はサッカー部でキャプテンをしていたのですが、チームを取りまとめ、難しいと言われる相手にもひるまず挑むところがいいところだと、監督に褒められたことがありました。


ワーキングホリデー、サッカーに共通して言える自分の長所は、とにかくやってみるという行動力と、誰とでも打ち解けられる性格です。将来はホテルでの仕事につきたいと考えているので、自分の強みを生かして御社で経験を積み、接客のスキルを高めたいと思います」



4.バイトに来られる曜日や通勤手段などの情報を面接で伝えて



あまり話すことがなければ、ここで1週間に何日出勤できるのか、何時から何時まで働けるのかなどの情報を伝えます。


・いつから働けるか
・どのぐらいシフトに入ることができるか
・シフトに入れない曜日や時間
・通勤手段


などを、あらかじめまとめてから面接に臨めば、段取りの良さもアピールできます。


例:「もし採用となりましたら来週からでも働けます。大学の授業があるのでバイトに来られるのは早くても14時頃、遅くて17時頃です。家までは電車で10分ですので、閉店の23時まで働けます。フットサルの練習が毎週水曜夜にあるので、水曜はできればお休みにしていただけると助かります。」


シフトに入れやすいか、自宅や学校から通いやすいか(会社が負担する交通費が高くならないか)ということなど、面接官が知りたいであろうことを想像しながら伝えてみてください。



5.バイトでも準備が肝心! 面接前に自己紹介・自己PRは練習しておく



全て伝え終えたら「以上です。よろしくお願いいたします」と締めくくります。


上記すべてを伝えると約1分半程度。4の部分はあくまでも他に話すことがなければという程度に考え、約1分程度にまとめるのがよいでしょう。シフトなどについては必ずあとで聞かれることになるので、ここで伝えなくても大丈夫です。


暗記して話すのは印象がよくないので、あくまでも「どんなことを、どの順番で話すか」という要点をおさえる程度に準備してください。



6.バイト面接でも気を抜かない!「行動力」を示して説得力ある自己PRを



上記の自己紹介で、相手に伝えられたポイントを振り返ってみましょう。


・接客業の経験があること
・このバイトで頑張る目的があること
・英語が話せなくても接客ができるほど、コミュニケーション力が高いこと
・キャプテンの経験から、人をまとめる力があること
・サッカー部に所属し、チームワークを理解している
・未経験のことでも臆せず、自分の努力でやり遂げる力がある
・明るい性格であること
・将来の目標があること
・将来の目標に向かって具体的に努力していること
・英語が話せること


これだけのことをアピールできたことになります。


バイト先で求められる要素を把握し、自分が役に立てるという証拠を伝えてください。「頑張ります」と言うよりも、頑張ってきたエピソードのほうが説得力もアップします。これまで取り組んできたことを思い出し、バイトにどう生かせるかと考えてみましょう。



バイト面接は成長の場


正社員面接の場合、自己分析や業界研究など、時間をかけて様々な準備をするものです。バイトの面接も同じぐらいの真剣さで取り組めば、面接に合格できるだけでなく、新しい自分を発見する機会につながります。


自分の強み・弱み、将来の目標などを振り返るよいチャンスととらえれば、その前向きな姿勢を面接官も感じ取ってくれることでしょう。


<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
1週間45000円からできる留学サポートGo Globalを運営。採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。特に大学生やフリーターの方には留学後の就活相談に乗ることも多く、自己分析などのお手伝いも行っている。

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