履歴書には長所・短所を書く項目があります。あなたの長所・短所はもちろんですが、自分のことを客観的に捉えられる人かという点も見ています。履歴書のスペースは小さいため簡単にまとめる必要がありますが、いかに少ない文字数でポイントを伝えられるかが肝要です。



履歴書に書くときは数ある長所から優先順位をつけて



履歴書にいきなり書き出す前に、まずは自分の長所・短所をよく考えるところから始めましょう。たくさん長所が出てきたら、応募するバイトに役立つものを優先的に選ぶとよいでしょう。


例えば居酒屋バイトの場合、面接官は以下のような人材を探していると考えられます。
・笑顔がよくて元気
・体力がある
・コミュニケーション力があり、はきはきしている。


軽作業のバイトなら
・真面目
・細かいことが得意
・集中力がある


上記のように、面接を受ける会社で必要とされそうな長所を伝えてみてください。



長所の書き方例:エピソードと共に書く



では実際に長所を書いてみます。単に長所を羅列するのではなく、長所がいかせたエピソードを加えてみるとよいでしょう。


居酒屋のアルバイトを例にしてみましょう。


「私の長所は初対面の人ともすぐに仲良くなれることです。人に対して興味があり、色々な人と出会い、会話をすることが私のエネルギーになっているように感じます。


学生時代はソフトボール部に所属しており、体力とチームワークには自信があります。大切な試合で負けそうだった時、笑顔と元気でチームに気合を入れようと、ポジティブな言葉をかけ、みんなの「勝つんだ」というスイッチを入れました。みんなで苦難を乗り切って試合に勝った経験は、勝敗以上に大切な思い出となりました。


居酒屋では色々な人と関わり、チームワークが必要だと聞いたことがあります。お客様に喜んでもらえるようにチームで働きかけ、より良いお店作りに貢献できればうれしいです」


これは一例ですが、単に「元気が取り柄です」と書くのではなく、元気なことがいつ、どう生かされたかということに触れると、ストーリーが生まれます。



短所を履歴書に書くときは補足を付け加えること



次は短所の書き方です。まず初めに理解しておくべきことは、「短所も裏を返せば長所につながる」ということ。率直に「短所はこれです!」と書くのもよいですが、書類や面接ではできるだけいい印象を残したいものです。短所の後に、短所に対する改善案・アクションを付け加えてみてください。


×「私の短所は頑固なところです。一度決めたことは絶対に曲げません」
○「親からはよく『頑固だね』と言われますので、ことあるごとに人の意見を聞くように心がけています」


さらにここから、「長所」に結び付けられればベストです。


「親からはよく『頑固だ』と言われますので、ことあるごとに人の意見を聞くように心がけています。一度決めたら最後までやり通すのが『長所』でもありますので、良いところはそのままに伸ばしつつも、多様な意見や考え方を積極的に取り入れていきたいと考えています」


短所を正直に書くことは素直な印象を与えますが、単に素直なだけではNG。短所を克服しようとしていること、そして短所は長所でもあることを伝えられると合格に一歩近付けます。



短所の書き方例



「短所⇒裏返した時の長所⇒克服しようとしている努力」の順に書くと、話がまとまります。今度は軽作業バイトを例にとってみましょう。


軽作業の例では、以下の3つを長所にあげていました。これらの裏側にある短所の例を挙げてみます。


・真面目⇒頑固
・細かいことが得意⇒全体的な計画を立てるのが苦手
・集中力がある⇒周りが見えていないことがある


「僕の短所は、集中すると自分の世界にのめり込んでしまい、周りが見えなくなる時があることです。以前、友人と一緒にマラソンの練習をしていたのですが、自分のタイムを伸ばすことに夢中になり、友人の体調悪化に気づくことができませんでした。相手の様子を観察していればすぐにわかったことなのにと、反省したことをよく覚えています。集中力があるところは長所なので、軽作業では目の前の仕事に集中しつつも、時々周りの人や全体の工程を見渡すことを心がけたいと考えています」



自分の長所・短所がわからない時は友達や家族に聞いてみよう!



長所・短所は日ごろあまり考えないことですから、初めて書く人は思いつかないかもしれません。そんなときは家族や友人に聞くのが一番。他人は意外とあなたのことをよく理解してくれています。


「ぼく/私の長所って何だと思う?」
「短所というとどんなところだろう?」

と聞けば、たくさん答えが返ってくることでしょう。


自分のことを他人に聞くことを「他己分析」と言います。面接で自己紹介をする時に、「仲の良い友人は私のことを頑張りやだと言ってくれます」というように伝えれば、客観的な意見としてよいアピールになります。


また、「今まで人から言われたこと」を思い出してみてもよいですね。「正義感が強いよね」「お前って本当に真面目だね」「君の言うことは信頼できるよ」というように、過去を振り返って思い出してみてください。小学校の先生やおじいちゃん・おばあちゃんに言われたことなど、忘れているだけで色々思い出せるかもしれません。



自分の長所・短所を考える=自己分析


単なるバイトの履歴書作成と思われがちですが、こうやって自分を振り返ることはとても重要なチャンスです。ぜひこれを機に、自分について周囲の人にインタビューしてみてください。思いがけない言葉があなたの可能性を開いてくれるかもしれません。


<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
1週間45000円からできる留学サポートGo Globalを運営。採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。特に大学生やフリーターの方には留学後の就活相談に乗ることも多く、自己分析などのお手伝いも行っている。

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