
静岡のローカルWEBマガジン「miteco」からこんにちは、ライターのKajoです。
突然ですがみなさん。2012年に伊豆半島がユネスコのジオパーク認定を受けていること、ご存知でしたか? そもそもジオパークとは、地質学的に見て国際的に価値のあるエリアが「保護」「教育」「持続可能な開発」の観点から管理されるエリアを指します。
今日訪れるのは伊豆半島の南エリア。下田市・田牛(とうじ)より、自然が作り出した美しい造形、珍しいハートの形を模した「龍宮窟(りゅうぐうくつ)」をご紹介します。
下田「田牛海水浴場」を目指して
下田市といえば、南の島のリゾートを彷彿とさせる美しいエメラルドを湛える数々のビーチ、おいしい海の幸、黒船来訪の際の貴重な歴史道・ペリーロードになまこ壁などなど・・・。挙げればきりがないほど魅力の多い土地です。
今日の目的地である龍宮窟は、下田市街から車でおよそ15分。バスでアクセスする際は「田牛海水浴場」目の前の「龍宮窟」で下車します。
花々も咲きはじめる春先、安定の水質の良さを伺わせる透明度の高い田牛海水浴場・・・。夏が待ちきれなくなっちゃいますね。
バス停のすぐ近く、鳥居の手前には15台ほどの無料駐車場があります。
駐車場からアクセスできるルートはふたつ。龍宮窟を上から覗くための道と、下のビーチ部分へ抜けるための道です。鳥居に導かれるように、まずは下に降りる道を進みます。
随所に見られる伊豆半島ジオパーク推進委員会作成の看板は、歴史や地形が詳しく記載されており、事前勉強に大変役立ちます。
伊豆最大級、神秘の天窓
そもそも龍宮窟とは、海岸に打ちつけた波が岸の柔い地層や断層などを削りできる「海食洞(かいしょくどう)」がベースとなっています。大きな海食洞の天井部分が一部崩れたことにより、直径50mの天窓が開いたものがこの龍宮窟です。
伊豆にある海食洞のなかでも、龍宮窟の天窓は最大級だそう! 早速、神秘を覗きに行ってみましょう。
鳥居をくぐると現れる、少し急な階段を降りていきます。日があっても結構暗めなので、日暮れまでのご訪問がオススメです。波打ち際まではロープが張られており近づけませんでしたが、静かに神秘を感じさせる出で立ちがそこに・・・!
きょろきょろと見回せば、前方に波打つ茶色の岩の層が圧巻。海底火山から噴出した火山れき(もともと海底にあったということ)が堆積して美しく層をなしているものです。
ちなみに、周辺にはほかにもいくつもの海食洞があるといいます。
「ハート」の龍宮窟を、さまざまな角度から楽しむ
一旦降りてきた階段を戻り、駐車場よりもう一方のルートにアクセスします。こちらは先ほどと一転して、ワイルドな道のり!
といってもきれいに整備がされており、入り口には「支えあれば憂いなし」の言葉とともに杖の貸し出しがされています。手すりもきちんと行き渡っているのでご安心を。遊歩道中には、小さな社(龍王社)があったり、遠く景色を眺められるベンチがあったりと、ゆったり時間をかけて回りたくなります。
そしてついに・・・。
この、圧倒的ハート!
恋人たちの人気スポットとして名高く、巷ではパワースポットとも呼ばれる、上から眺めた「龍宮窟」です。きれいな半円が、ハートを彷彿とさせます。
何よりも美しいなと目を離せなかったのは、海のグラデーションの色。おそらく訪れる際の天候にもよりますが、晴れた日の海の透明度は抜群、引き込まれそうなほどの青に出会えるはずです。
いくつか上からの眺めるポイントがあるという遊歩道、さらに道を進みます。距離的には短いのですが、ときおり小道を通るなど、歩くだけでも楽しい道が続いていました。
そしてついつい感嘆をあげてしまった、遊歩道からの外海の景色がこちらです。
“伊豆らしい”岩が鎮座する様子や、下田の海を象徴する下田ブルー。海底まで見えるくらいの透明度の高さに、足を止め見入ります。伊豆半島がジオパーク認定、このような光景が評価され守られていくべきものなのだと、ふと顔を上げた瞬間に実感しました。
遊歩道、黙々と歩かないようにご注意を! どこにどんな素敵な光景が待ち構えているか、わかりませんからね。
そして最後のビューポイントは少し違った趣向で。ダイレクトに岩壁の様子と、恐ろしいほどに澄んだ水を湛えるビーチを伺うことができます。伊豆のビーチは比較的小さな石がゴロゴロしている箇所も多いのですが、龍宮窟は下田のビーチの特徴でもある「白砂」です。
さまざまな角度から観察できる、伊豆半島ジオパーク認定の龍宮窟。上から眺め下から覗き、自然が生んだこの神秘に、きっと圧倒されるはずです。恋人と、友人と。少し足を伸ばしてぜひ訪れてみてください。
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