みなさんは「雇用保険」加入していますか?「保険は手取りが少なくなるから入りたくない!」という方も多いのですが、雇用保険はいざというときにとても大きな助けになることがあり、「手取りが減る」というデメリットばかりではありません。


雇用保険はその名の通り一種の「保険」ですから、毎月かけておくことで、必要な時に必要な補償を受けられるのです。



パートも知っておきたい!「雇用保険」基本のキ



「仕事がなくなって生活ができない」というようなことがないように、「雇用を安定させる」「再就職を促す」という役割を雇用保険は果たします。


雇用保険がもらえるおかげで就職活動に専念できたり、仕事を探すにあたって必要な知識を得られる学校に通えたりするのです。


毎月払う保険料は事業内容によって異なります。一般的な事業では、雇用保険料率は給与の9/1000と決まっていて、そのうち3/1000を従業員が、残りの6/1000を企業が負担。年度ごとに保険料率が改訂されることもあります。



週20時間未満のパート勤務は雇用保険から外れる



31日以上の雇用が見込まれる人で、週20時間以上働く場合は必ず雇用保険に加入しなければならず、「入る・入らない」を選ぶことはできません。


また、「前は週40時間働いていて雇用保険に加入していたけど、家庭の事情で週19時間労働になった」という場合は、雇用保険から外れることになります。


せっかく雇用保険に加入していた実績があっても、その後保険から外れる期間が長くなると、雇用保険の基本手当を受けられないことがありますので要注意です!



パートでも雇用保険の基本手当を受けるために



雇用保険の大きなメリットの一つは、仕事を失ったときの「基本手当の支給」。いわゆる「失業保険」というものですが、この支給を受けるには、以下のような要件を満たす必要があります。


・離職の日からさかのぼって2年の間に加入していた期間が通算12か月以上ある。「通算」なので、連続した期間でなくてもよい。


・通算12か月の条件として、離職日から1か月ごとの単位で見た時に、お給料の対象となった日数が11日以上である必要がある。例えば1週間に1日(1か月で4日)しか働いていない月は、「12か月」のうちにカウントできない。


※ただし、解雇や倒産などの特別な場合は別条件が適用されます。


例えば、「入社から5年間雇用保険に加入。途中から週1日勤務(=週20時間未満のパート)で3年勤務した」という場合、「離職の日からさかのぼって2年の間に、雇用保険に加入していた月が12か月あること」という条件を満たせません。


最初5年間が終わってすぐにやめれば条件を満たしているのですが、その後3年間は週20時間未満の勤務なので対象から外れてしまいます。


労働日数・時間を減らす場合は、雇用保険の条件も踏まえてしっかり考えましょう。



パートでも使える! 雇用保険のメリットをご紹介



雇用保険と一言でいっても、様々な種類があります。どういうものがあるかを知っておけば、必要な時に必要なサポートを受けられます。


以下は簡単な概要ですが、給付には細かい条件がありますので、対象となるかどうかは最寄りのハローワークで確認するのが確実です。


① 基本手当
一般に「失業保険」と呼ばれるもので、仕事が見つからない間、しっかり就職活動ができるようにと支給されるものです。


② 育児休業給付金
基本手当は「いつでも仕事ができる状態にあり、就職活動をしている人」が対象ですので、育児や病気で働けない人は対象外です。しかし、育児のために仕事を休業している雇用保険の被保険者の人には基本手当とは別にある「育児休業給付金」が支給されます。


育児休業給付金は、出産後1歳又は1歳2か月未満の子を育てるために仕事を休んだ場合、雇用保険から給付されるもので。(期間延長に該当する場合は1歳6か月又は2歳。「パパママ育休プラス制度」を利用すると、育児休業の対象となる子どもの年齢は原則的に1歳2か月までとなります。)


支給される額は、休業する直前の日額×支給日数の67%の金額。休業開始から6か月経過すると50%ですので、収入全額をカバーするものではありません。


③ 傷病手当
退職し、ハローワークで求職の申込みをした後に病気やケガで働けなくなることもあるでしょう。失業保険は基本的に「すぐにでも就業できること」が条件となっていますので、病気療養中の人は「すぐに就業」できず、失業保険の対象にはなりません。


その代わり、病気やケガで15日以上就職できない人には「傷病手当」が雇用保険から支給されます。日々の生活を安定させるための給付で、給付額は基本手当と同額です。


④ 職業訓練
より良い仕事につくために、必要なスキルを身につける職業訓練に通うことができます。この職業訓練に通う間は「受講手当」や「通所手当(交通費)」も支給されます。


⑤ 再就職手当
再就職が決まった場合、ある一定の条件のもと、再就職手当が支給されます。


⑥ 広域求職活動費
遠くにある会社の面接を受ける場合、ハローワークの紹介であれば、交通費や宿泊費が支給されることがあります。パート勤務の場合は遠くで再就職することはないかもしれませんが、例えば夫の転勤に伴って自分のパート先も変えなければならない、ということはあり得ます。


面接にかかる交通費が支給されるのなら、引越し前でも思い切って遠方の面接を受けることができる可能性があるでしょう。


その他、「高年齢雇用継続給付」「介護休業給付」などもありますので、60歳以降も働き続ける方や、家族の介護で仕事を休まなくてはならない場合、受けられる給付があるかもしれません。


支給には各種条件がありますので、自分が対象になるかどうかを知りたい場合は最寄りのハローワークで確認してください。



パート在職中でも雇用保険のメリットあり!


雇用保険の恩恵を受けられるのは、失業中の人だけではありません。「教育訓練給付金」といって、仕事をしている間にも受けられるサポートがあります。給付を受けるには諸条件がありますので、「仕事をしながら勉強してみたい」という人はぜひハローワークで詳しく聞いてみてください。


資格やスキルをつけてキャリアアップすることや、自分のやりたい仕事に転職することもできるかもしれません。


「保険料を払わなくてよいように、扶養の範囲内でなんとかおさめよう」と考える人も多いでしょうが、雇用保険に加入していることで保険料以上のメリットがありそうです。保険料を納めている人は保険の内容を把握し、自分が必要な時に活用してみてください。


税理士監修


参照:雇用継続給付 – ハローワーク



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<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
1週間45000円からできる留学サポートGo Globalを運営。採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。特に大学生やフリーターの方には留学後の就活相談に乗ることも多く、自己分析などのお手伝いも行っている。





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