
2022年10月以降は「産後パパ育休」が創設され、男性の育児参加も促進される動きが加速し、育児休業を分割取得する取り組みも始まっています。
とはいえ、「パートだから産休・育休をとらせてと言いづらい」という声もまだまだ聞こえてくるのが現状。
まずは働く側が産休・育休についてきちんとした知識を持ち、会社と相談していくことが大切です。
パートも対象! 産休、育休の違いをきちんと知ろう
産休とは「産前産後休業」の略で、産前6週間から産後8週間の期間、正社員やパートなどの雇用形態に限らず、誰でも取得できる休業です。
労働基準法第65〜66条にある決まりをみてみましょう。
一方「育休」とは「育児休業」の略で、子育てのための休暇を指します。
原則としては子が1歳になるまでですが、保育園が見つからない等の事情がある場合、2歳まで延長して休業することができます。
8週間の産休後、その翌日から育児休業となりますが、こちらは産休と異なり、女性のみならず男性の取得も可能です。
「労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律より)
休業がとれるパートの条件
産前産後休業は、正社員・パートの区別なく、すべての女性に適用されるルールです。一方育児休業では、パート勤務の場合、以下の条件を満たす必要があります。
実際にとれるの? パートで産休・育休をとりやすくする工夫
これはパートのみならず正社員でも言えることですが、「法律で決められているのだから休ませてもらって当たり前」、という態度では、周囲の手助けが得づらくなります。
自分が休む間は他の人にカバーしてもらうのですから、感謝の気持ちをもって依頼しましょう。
他の人が自分の仕事をやりやすいようにマニュアルを作ったり、しっかり時間をさいて引継ぎをしたりすることで、その思いは伝わります。
普段からコミュニケーションを良くとっていれば協力をしてもらえることでしょう。
パートでも活用できる! 経済的な支援はきちんと申請
産前産後休業期間(産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間)について、健康保険・厚生年金保険の保険料は、事業主の申出により、被保険者分及び事業主分とも徴収されません。
育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等(育児休業及び育児休業に準じる休業)期間について、健康保険・厚生年金保険の保険料は、事業主の申出により、被保険者分及び事業主分とも徴収されません。
夫の会社もチェック! 会社独自の福利厚生を活用する
会社独自で、育児支援制度を設けているケースも多々あります。
産休・育休中の経済的な支援のほか、会社からのお祝い金や、出産後のお給料に「家族手当」が追加されるような場合もあります。
会社側から連絡があればよいですが、事務担当者が見逃している可能性もありますので確認してみてください。
また、自分が勤めている会社だけでなく、夫の会社でも支援があるかもしれません。
夫側の勤務先でも人事部に「子どもが生まれた」という連絡をいれて、サポートがないか聞いてみましょう。
企業が仕事と家庭・育児を両立しやすい支援体制を整えるよう、社員に対して育児休業制度の通知や制度利用の意向確認などを義務としています。
「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」「トライくるみん」という国の認定制度も進められ、子育てに協力的な企業には以下の認証マークが与えられるようになりました。
このように、企業がいかに子育てを応援しているかが問われている時代です。転職する時などは、この認定を受けている企業かどうかをチェックするのもよいですね。
産休・育休をとる方は「周りの人に迷惑をかけて申し訳ない」と感じられる場合もあるようですが、少なくとも産前産後休業は法律で義務付けられた休業ですから、遠慮はいりません!
子どもは社会の宝物。社会みんなで育てる意識を持っていきたいものです。
参照:労働基準法第65条「産前産後」- e Gov
参照:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第二章 - e Gov
参照:産前産後休業保険料免除制度 – 日本年金機構
参照:育児休業保険料免除制度– 日本年金機構
2018年12月28日公開/2022年11月24日更新