履歴書を書くとき、特に悩むのが「本人希望欄」「志望動機」「自由記入欄」などのフリースペースです。

何を書こうかと悩んだ末に空欄で出す人もいますが、自分を知ってもらえるよい機会なのに、空欄で出すのはもったいない!


印象の良い履歴書にするために、以下を参考にしてください。



空欄や斜線は避ける



書くことがないからと言って空欄にしたり、斜線を書き入れたりするのは避けたほうが良いでしょう。


空欄に斜線を引くことは、「書き入れることがありません」という意味で、間違ってはいないものの、そもそも履歴書を空欄で出すことは避けたいということもあり、基本的に斜線は使いません。


ただし、徒歩通勤なのに「交通費」を書く欄があった場合などには、斜線を入れても構いません。

斜線を入れる時には右上から左下に向かって書いてください。



記入欄の少ない履歴書を選ぼう



履歴書の空欄が埋められないと悩む場合は、記入欄が少なめのJIS規格を選ぶのが無難です。

履歴書の種類は大きく分けて4種類ありますので、自分に合ったものを選びましょう。


1. JIS規格(一般用): 「志望の動機」「特技」「好きな学科」「アピールポイント」などが1つの欄にまとめられていて記入欄が少ない。


2. 転職用(職務経歴欄): 「職務経歴欄」が多い。


3. アルバイト・パート用: 曜日ごとの勤務時間記入欄が設けられている。


4. 学生の就職活動用: 自己PR、長所短所、健康状態などの欄が広く設けられている。


最近では履歴書をインターネットからダウンロードできるものもありますので、上記4つのどれにあたるかを確認してから作成しましょう。




「保持資格」がなくても空欄にしない



資格を書く欄がある場合、取得しているものがなければ「特になし」と記入します。

しかし、取得に向けて勉強中のものがあれば、空欄にするよりは「現在簿記3級勉強中」などと書いておく方が良いでしょう。

また、取得が見込める資格があれば、「2019年1月取得予定」等と記入します。


実際に勉強をしているのであれば、「向上心のある人だな」という良い印象を与え、一種の自己アピールとなりますから、ぜひうまく活用してください。


本当に何もないという場合は空欄でも仕方がありませんが、バイト面接を機に、「漢字検定」や「英検」などの勉強を始め、実際に始められたら記載するとよいでしょう。



「志望動機欄」が空欄だと減点対象になりやすい



志望動機欄は資格欄と違い、仕事に対する熱意が問われる部分。

ここが空欄になっていると「やる気がない人」という悪い印象を与えてしまう可能性が高いので、必ずしっかり書くようにしてください。


その会社で働きたい理由はなんでしたか?なぜ多くの会社からそこを選んだのでしょう。

改めて考えてみることで、自己分析にもつながります。



履歴書の「本人希望欄」「自由記入欄」は書くべきことがいっぱい!



「本人希望欄」や「自由記入欄」も空欄にして出す方が多いようですが、ここでは勤務に関する条件を書いておくとよいでしょう。

特に書くことがない場合は「貴社規定に従います」と書けばOKです。


1.勤務開始可能日について: 「即日から勤務可能です」「2月より勤務可能です」など

2.希望職種や、希望勤務地(複数ある場合): 「ホール担当を希望しています」など

3.希望連絡手段: 「平日9-15時は大学授業があり電話に出られません。ご連絡は15:15以降にお願いします」「留守番電話の設定がありませんので、着信があればこちらから折り返します」など


特に、シフト勤務を採用している会社の場合は他の人との調整がありますから、「週にどれぐらい、何時間働くことができるか」という情報は重要です。


ただし、最低でも週に3、4日は働いてほしいという会社に対して、「週に1日、3時間しかシフトに入れない」などという場合は、書類選考で落とされることもあります。

また、「残業はしたくない」などという要求は、履歴書に書かないようにしてください。



「自己PR欄」では自分のことをよく知ってもらおう!



資格などでは表せない自分の良いところを、「自己PR欄」で伝えてください。

「自分の良いところなんて思いつかない」という方は、周りの人に聞いてみるのもよいでしょう。

自分自身のことですから空欄にはせず、よく考えて記入してみてください。


接客業の場合:

「人見知りせず、初対面の人と会うのが大好きな性格です。接客の仕事を楽しんで、会社に貢献したいと思います」


軽作業などの場合:

「コツコツと継続することが得意です。真面目で几帳面な性格と言われることが多く、丁寧かつ迅速に作業をすすめます」



「趣味・特技」の欄では自分らしさを伝えて



一般的によく書かれものに、「映画・音楽鑑賞」「旅行」「スポーツ」などがあります。

もちろんこれでもよいのですが、もう少し具体的に書くと、面接時に趣味の話題が広がることがあります。

また、趣味や特技は業種や職種と関係なくても構いませんが、関連していればプラスになることもあります。


時々趣味がなくて「睡眠」と書く人がいますが、睡眠自体は「趣味」とは言えませんし、真剣に履歴書を作成しないような印象を与えてしまいます。

「睡眠の質を高めるために、いろいろな寝具を試している」などであればよいですが、特に理由がなければ「睡眠」は趣味・特技には書かないほうがベターです。


趣味がなくて困る場合は、休みの日に何をしているか思い出してみてください。

自分では「趣味」と思っていなくても、料理や部屋の模様替え(インテリア)なども、趣味といって差し支えないでしょう。


【例文】

・趣味はサッカー観戦です。清水エスパルスのファンで、ホーム戦は毎回応援に行っています。バイト代をためて、アウェイ戦も見に行きたいと楽しみにしています。


・趣味はサイクリングです。天気の良い日は大阪から京都まで、自転車で出かけることもあります。帰り道で「道の駅」に寄り特産物を堪能するのも楽しみの一つです。



まとめ


書類選考がある場合、履歴書の果たす役割は特に重要です。

自分のことを知ってもらえる良い機会ですから、丁寧に記載するようにしてください。


2018年12月12日公開/2023年9月1日更新




<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
外資系企業、IT企業、ベンチャー企業などにおいて、採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。現在はWEB系の会社を経営するかたわら、スペインにある学費が15万円/年~の公立大学や、1週間から留学可能な語学学校の紹介をするなど、子どもから大人までの学習支援を行っている。

WEB事業 :https://dy-planning.net/
留学サポート Go Global:https://go-global.info/


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