「有給休暇」は正社員だけでなく、パートやバイトでも取得できることをご存知でしょうか。
時給制のパート勤務の場合、欠勤するとその月の収入が減ってしまいます。子どもの学校行事や急な病気でパートを休まなければならない時に有給休暇が使えれば、お給料が減らずに済むことになります。
今回は、知っていれば損しない「有給制度の基本的ルール」を解説します。
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有給休暇の正式名称は「年次有給休暇」。条件に応じて、一定日数の有給が毎年付与されます。
「パートやアルバイトに有給なんてない」と勘違いしている会社が多いのですが、一定条件を満たせば、パートでも有給休暇の取得は可能です。
では、どんなケースであればパートでも有給休暇が取得できるのか、その条件を確認しておきましょう。
1.6か月以上継続して勤務している
勤務開始日から数えて、勤続6か月未満の人は対象になりません。そのため、「3カ月だけの期間限定パート」の場合は、有給休暇がもらえないことになります。
2.全労働日の8割以上出勤している
「来月から勤務7か月目! やっと有給休暇がもらえる」と思っても、その6か月の間に欠勤が多く、8割以上の出勤ができていない場合は対象から外されます。
雇用契約書に書かれた所定勤務日数時間を理解し、「8割以上出勤」の条件を満たすためには何日休んでよいかを把握しておくことも大切です。
上記2点を満たしていれば、企業は決められた日数の有給を付与する義務があります。
年間にもらえる有給日数は、働く日数や時間数によって変わります。
1.正社員同等の時間数・日数の勤務がある場合
※週所定労働時間30時間以上、所定労働日数が週5日以上、又は1年間の所定労働日数が217日以上
有給休暇の日数は最低10日以上ですが、長く勤めれば勤めるほど、毎年もらえる有給休暇の日数は増えていきます。勤続年数に対する最低有給休暇日数は、以下の表をご覧ください。
※厚生労働省HPより抜粋
2.週の労働時間が30時間未満の場合
パートで働いている方は、こちらに該当する人が多いでしょう。
もし自分の有給日数が何日なのかがわからないという人は、上司や会社の管理本部(人事・総務・経理など)に確認してください。
※厚生労働省HPより抜粋
パートでも有給休暇が取得できるということは、明確に法律で定められています。しかし小さな会社などではその法律を知らないまま経営をしている会社がまだまだ多く、「パートには有給はありません」と言われることがあるかもしれません。
そういう場合には、厚生労働省のホームページを一緒にみたり、印刷して渡したりするなどし、パートにも有給休暇取得の権利があることを伝えてみましょう。
・「有給休暇はない」と言われた時の対処法
法律を理解した上でもパートに有給休暇を付与してくれない場合、会社の人事担当者に以下のように伝えてみるのはいかがでしょうか。
「労働基準監督署に行って、有給がもらえる資格があるかどうか確認してきます」
会社としても、労働基準監督署から注意を受けることは避けたいはずですから、これを伝えることで動いてくれる可能性があります。
・有給があることを理解しているのに、拒否された場合
有給休暇の対象であることを理解しているのに「うちの会社は、パートやアルバイトに有給休暇を与えていない」などと拒否されることもあるでしょう。
しかし、これは完全に法律違反です。「自分には有給を取得する権利があるので、労働基準監督署に相談してきます」と言って訴えれば、労働基準監督署から企業に対し、行政指導が入るはずです。
そもそも法律違反していることを認めているのに、改善する姿勢を見せない会社はよい会社とは言えませんから、次の職場を探すことも検討しましょう。
有給休暇は細かい決まりがいろいろあります。以下に、代表的なものをご紹介します。
・企業には「時季変更権(時季指定権)」がある
基本的に、有給休暇は従業員が休みたい日程で取得できますが、従業員が休むことで業務が滞る場合には、企業が有給取得のタイミングを調整することが認められています。
そのため、有給休暇を取得する場合には、なるべく早めに会社に相談しておくとよいでしょう。
・有給休暇の時効は2年。1年間だけ持ち越せる
1年目に付与された有給休暇を使いきれなかった場合、翌年まで持ち越すことが可能です。
ただし、有給休暇は2年で時効ですので、2年以内に使い切る必要があることを覚えておき、計画的に使うようにしてください。
・有給が10日間以上ある場合、企業は5日間まで日程を指定できるを超える分を計画的に割り振ることができる
有給休暇が10日間ある場合、内5日を超える分の有給休暇間は「この日に休んでください」と企業が指定することができます。これを「計画年休」と呼び、労使協定の締結が必要です。
たとえば、5日間を企業が指定した場合、従業員が自由に取れる有給は残り5日間となります。
「お盆に2日間、年末に3日間」が休みになった場合、それを「企業が指定した有給」とみなすことが可能です。もちろん日給給与は発生しますので、これまでお盆休みや年末年始は無給で休んでいたパートの方については、給料給与が増えることになります。
・時間有給は義務ではない
企業によっては「1時間単位で有給が取れる」というところもありますが、時間単位の有給は企業にとって義務ではありません。
時間単位で有給が取れるようにするためには、就業規則に明記しなければなりませんし、従業員と企業間での労使協定も必要です。
また、時間単位の有給は、年間5日分までしか取れず、15分や30分などの単位では取得できません。
有給休暇は、従業員の心身の健康やリフレッシュを目的として作られた制度です。
元気に長く働くためにも、上手に活用してください。
2018年10月3日公開/2024年8月7日更新
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時給制のパート勤務の場合、欠勤するとその月の収入が減ってしまいます。子どもの学校行事や急な病気でパートを休まなければならない時に有給休暇が使えれば、お給料が減らずに済むことになります。
今回は、知っていれば損しない「有給制度の基本的ルール」を解説します。
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有給休暇は社員だけのものではない! パートでも有給がとれる
有給休暇の正式名称は「年次有給休暇」。条件に応じて、一定日数の有給が毎年付与されます。
「パートやアルバイトに有給なんてない」と勘違いしている会社が多いのですが、一定条件を満たせば、パートでも有給休暇の取得は可能です。
有給取得の対象になる条件
では、どんなケースであればパートでも有給休暇が取得できるのか、その条件を確認しておきましょう。
1.6か月以上継続して勤務している
勤務開始日から数えて、勤続6か月未満の人は対象になりません。そのため、「3カ月だけの期間限定パート」の場合は、有給休暇がもらえないことになります。
2.全労働日の8割以上出勤している
「来月から勤務7か月目! やっと有給休暇がもらえる」と思っても、その6か月の間に欠勤が多く、8割以上の出勤ができていない場合は対象から外されます。
雇用契約書に書かれた所定勤務日数時間を理解し、「8割以上出勤」の条件を満たすためには何日休んでよいかを把握しておくことも大切です。
上記2点を満たしていれば、企業は決められた日数の有給を付与する義務があります。
もらえる有給休暇の日数は勤務日数により異なる
年間にもらえる有給日数は、働く日数や時間数によって変わります。
1.正社員同等の時間数・日数の勤務がある場合
※週所定労働時間30時間以上、所定労働日数が週5日以上、又は1年間の所定労働日数が217日以上
有給休暇の日数は最低10日以上ですが、長く勤めれば勤めるほど、毎年もらえる有給休暇の日数は増えていきます。勤続年数に対する最低有給休暇日数は、以下の表をご覧ください。
※厚生労働省HPより抜粋
2.週の労働時間が30時間未満の場合
パートで働いている方は、こちらに該当する人が多いでしょう。
もし自分の有給日数が何日なのかがわからないという人は、上司や会社の管理本部(人事・総務・経理など)に確認してください。
※厚生労働省HPより抜粋
会社が「パートに有給休暇がある」ことを知らない場合
パートでも有給休暇が取得できるということは、明確に法律で定められています。しかし小さな会社などではその法律を知らないまま経営をしている会社がまだまだ多く、「パートには有給はありません」と言われることがあるかもしれません。
そういう場合には、厚生労働省のホームページを一緒にみたり、印刷して渡したりするなどし、パートにも有給休暇取得の権利があることを伝えてみましょう。
・「有給休暇はない」と言われた時の対処法
法律を理解した上でもパートに有給休暇を付与してくれない場合、会社の人事担当者に以下のように伝えてみるのはいかがでしょうか。
「労働基準監督署に行って、有給がもらえる資格があるかどうか確認してきます」
会社としても、労働基準監督署から注意を受けることは避けたいはずですから、これを伝えることで動いてくれる可能性があります。
・有給があることを理解しているのに、拒否された場合
有給休暇の対象であることを理解しているのに「うちの会社は、パートやアルバイトに有給休暇を与えていない」などと拒否されることもあるでしょう。
しかし、これは完全に法律違反です。「自分には有給を取得する権利があるので、労働基準監督署に相談してきます」と言って訴えれば、労働基準監督署から企業に対し、行政指導が入るはずです。
そもそも法律違反していることを認めているのに、改善する姿勢を見せない会社はよい会社とは言えませんから、次の職場を探すことも検討しましょう。
知っておきたい有給休暇のルール
有給休暇は細かい決まりがいろいろあります。以下に、代表的なものをご紹介します。
・企業には「時季変更権(時季指定権)」がある
基本的に、有給休暇は従業員が休みたい日程で取得できますが、従業員が休むことで業務が滞る場合には、企業が有給取得のタイミングを調整することが認められています。
そのため、有給休暇を取得する場合には、なるべく早めに会社に相談しておくとよいでしょう。
・有給休暇の時効は2年。1年間だけ持ち越せる
1年目に付与された有給休暇を使いきれなかった場合、翌年まで持ち越すことが可能です。
ただし、有給休暇は2年で時効ですので、2年以内に使い切る必要があることを覚えておき、計画的に使うようにしてください。
・有給が10日間以上ある場合、企業は5日間まで日程を指定できるを超える分を計画的に割り振ることができる
有給休暇が10日間ある場合、内5日を超える分の有給休暇間は「この日に休んでください」と企業が指定することができます。これを「計画年休」と呼び、労使協定の締結が必要です。
たとえば、5日間を企業が指定した場合、従業員が自由に取れる有給は残り5日間となります。
「お盆に2日間、年末に3日間」が休みになった場合、それを「企業が指定した有給」とみなすことが可能です。もちろん日給給与は発生しますので、これまでお盆休みや年末年始は無給で休んでいたパートの方については、給料給与が増えることになります。
・時間有給は義務ではない
企業によっては「1時間単位で有給が取れる」というところもありますが、時間単位の有給は企業にとって義務ではありません。
時間単位で有給が取れるようにするためには、就業規則に明記しなければなりませんし、従業員と企業間での労使協定も必要です。
また、時間単位の有給は、年間5日分までしか取れず、15分や30分などの単位では取得できません。
有給休暇は従業員の権利!
有給休暇は、従業員の心身の健康やリフレッシュを目的として作られた制度です。
元気に長く働くためにも、上手に活用してください。
2018年10月3日公開/2024年8月7日更新
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