静岡県内の大学や専門学校などで活動中のサークル・ゼミを、ドーモプラスが定期的に紹介!第6回は、県の事業について意見する専門家勢に加わり、学生世代代表として意見を述べている「ふじのくにづくり学生研究会」をピックアップ!


静岡県が毎年開催してきた事業改善・改革の議論を行う「事業レビュー(旧:事業仕分け)」。県の事業について意見する専門家勢に加わり、学生世代代表として意見を述べてきたのが、今回紹介するふじのくにづくり学生研究会です。


事業レビューは県が今年度から新しい総合計画に沿った事業推進を図ることから、施策規模でより良い県政運営の方向性を探りたいという意図もあり「施策レビュー」へリニューアル。


県の政策を深く掘り下げる議論の最前線(レビュー開催は9月8・9日)に、今年も挑む同研究会について、代表の富田亮平さん(常葉大・法学部4年)に取材しました。



「専門外でも歓迎、知恵を出し合う行政研究」



ふじのくにづくり学生研究会は、静岡県が毎年開催している事業レビューに、大学生評価者として参加することをメインイベントとしています。


レビューは年1回、例年9月開催なのですが、それ以外の月は、毎月2回の定例会を設けて県の様々な部署の方にそれぞれの事業の詳細や課題などをヒアリング、意見交換を行っています。研究生は大学、学部学科、出身地も様々です。


「行政研究」をしている団体ですが、行政学を専門にしている人はもちろん、それ以外を専門とする人がいて、これまでの経験もそれぞれ違う。いろんな目線で県政を深掘りできるのが強み、特徴じゃないかなと思ってます。



「学生であり評価者でもある自覚をもって」


8月にはレビュー対象の施策6つのうち2つ、「産業人材の確保・育成」と「地域包括ケアシステムの推進」という施策の関係部署の方々にヒアリングしました。


前者には雇用関係でもあって学生にも直結するテーマだと意見形成しやすいのですが、後者についてはそもそも「地域包括ケアシステム」そのものを知らない研究生も多かったです。


大学生としての率直な疑問を求められていると感じる一方で、「評価者」としてもちゃんと認識してもらえるような、より有効な意見が言えることも目標というか意識したいですね。そういう意味でみんなもプレッシャーを感じてるんじゃないかなあ。




今年のレビューは、午前の議論を経て評価者がそれぞれ連想したキーワードを付箋に書き出し午後の議論整理につなげる。このキーワードの分類とまとめを同研究会が担うため事前練習も行った。



「注文するのは簡単だから、ちゃんと理解しておきたい」


毎月県庁でやらせてもらっているヒアリングですが、予想外に県側の需要もあったのが新鮮でした。「パブリックコメント」という行政の意見募集ってみなさんも聞いたことがあると思うのですが、そういう意見募集って若い世代から反応を得るのが難しいみたいなんですね。


研究会のヒアリングは、学生が県に一方的に質問するばかりでなく、逆に県側から学生に質問してもらう双方向の形をとっています。客観的に分析する姿勢は持ちつつですが、県政を知る機会を得ていくためにも、いまの形をベースに今後も活動を積み重ねていきたいです。



「施策を考える=地域と自分の未来を考える」



僕自身は、大学1年生から事業レビューに参加してきて今年で4回目の参加になるのですが、評価を担当する分野は毎年変わるので、未だに慣れたとは言えないです。レビュー当日までにまだ調べられることもたくさんあるので、何かしら自分にひっかかるポイントを見つけて研究生がみなで発言できたらいいなと。


そうやって活動していくうちに、大学生の意見が少しでも良い影響を出して、県政を動かせたらと思います。別に影響力を得たいのが一番ではなくて、すごい素朴なんですけど、その方が静岡で大学生をやって、生活してきたことを良かったなって、自分がもっと感じるんじゃないかと思ってるんです。





取材を終えて


8月某日のレビューに向けたヒアリングにお邪魔したら、想像以上の人数の県職員さんが……。県の事業って概要を理解するためにも資料も多くて、目も慣れていないと、理解すること、ましてや評価するのは大変なんじゃないか。この日も研究生の皆さんは、自分なりに質問や意見をしていて、まさに「走りながら学んでいる」懸命さを感じました。そんな研究生の皆さんが、9月のレビュー当日はどんな発言をしていくのか、僕も楽しみです。



取材・執筆
鈴木聖生(静岡大学人文社会科学部2年/『静岡時代』編集部)


制作:静岡時代編集部
http://shizuokajidai.or.jp

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