バイト先で「来月から来なくていいです」と突然のクビ(解雇)宣告を受けたら……。

一体どうすればいいのかと途方にくれ、よくわからないまま解雇を受け入れてしまう人もいるかもしれません。


しかし、バイトだからといって、簡単にクビにすることはできません。

いざという時に備え、以下のことを頭においておきましょう。



バイトをクビになる理由とは?「覚えが悪い」はクビの理由にはならない!



「クビ」という言葉は通称で、正式には「解雇」と言います。

簡単に従業員を解雇できないようにさまざまな法律があり、「長期休暇を取った」「覚えが悪い」などという理由では、クビにすることはできません。


ひとことで「解雇」と言っても、いくつかのケースに分けられます。



【懲戒(ちょうかい)解雇】

通常、企業には「就業規則」があり、その中で「こんなことをしたら停職・解雇などの処分をします」という、「懲戒事項」が決められています。


たとえば、金銭横領などの不正をはたらいた場合には、解雇になることがほとんどでしょう。

また、時々ニュースでも見かけますが、飲食店のバイトでふざけて不衛生な行為をしたり、顧客の個人情報を漏洩したりするということも懲戒事項に含まれます。


会社が上記のような理由で解雇することは当然のことながら認められており、労働基準監督署の解雇予告除外認定を申請し承認されれば、即日解雇も可能です。



【普通解雇】

法律違反行為ではないものの、無断欠勤が続く場合や、指導してもミスの改善が見られず、業務に大きな悪影響を及ぼす場合などは、「普通解雇」としてクビになることがあります。


普通解雇の場合は懲戒解雇とは違い、「クビ」という結論に至るまでに、改善にむけて会社側も努力をすることが必要ですし、解雇の判断にあたっては、客観的な理由が必要です。



【整理解雇】

解雇は良くないこととはいえ、経営不振などで給料が払えなくなりそうな場合などは、解雇せざるを得ない場合もあります。

そういう状況を「整理解雇」と呼んでいます。



バイトをクビになる前兆



クビになる場合、突然言い渡される可能性もありますが、それまでに何かしらの予兆があることが多いでしょう。



・シフトが減る

よくある前兆として、「人手不足にも関わらず、シフトを減らされる」というものがあります。

シフトに入れないと、しっかりバイト代を稼ぐことができません。「ここのバイトはやめて、もっと稼げるところに行きます」と、バイト側から辞めることを待っている可能性もあるでしょう。



・冷遇・ハラスメント

あからさまに無視されたり、自分だけ冷遇されたり、パワハラ・モラハラされたりすることも、クビの前兆かもしれません。

このような場合はすぐに適切な窓口へ相談すべきことですが、万が一「クビ」と言われた場合には、会社側に非があることが多く、失業保険などの条件が変わってきますので、すぐに受け入れないように気を付けてください。



・急に何も言われなくなった

「いつも叱られていたのに、急に何も言われなくなった」という前兆では、バイト側の努力不足という可能性もあります。

何度も注意を受けているのに、やる気がないことが原因でいつも同じ失敗をしたり、お客様に多大な迷惑をかけたりする場合には、上述の通り「普通解雇」として解雇が認められることもあります。



クビになってもバイト代は請求可能。場合によっては他の手当があることも



働いた分のバイト代は、クビになっても支払われますので、まだ払われていないものがあれば、必ず請求するようにしてください。


また、労働基準法では「解雇する30日以上前に予告をしなければならない」という規定があり、解雇を受け入れる場合でも30日間の猶予をもらうか、解雇の予告をした日から解雇日までに30日間に満たない日数がある場合は、満たない日数分×平均賃金日額の解雇予告手当を受けられる可能性があります。



バイトで「クビ」と言われたらすべきこと



万が一、不当な理由でクビになった場合には以下について確認しておいてください。



1.クビを安易に受け入れない! 解雇理由や就業規則を確認

解雇理由に心当たりがない、または雇い主側から説明がないという場合には、クビをそのまま受け入れてはいけません。

まずは、雇い主に「解雇の理由」を説明してもらいましょう。


また、就業規則に書かれている「解雇の条件」も確認してください。そこに当てはまらない場合は不当解雇である可能性が高いと言えます。



2.解雇に関する会話やメールは記録しておくこと

不当解雇にあたる場合、労働者は法律で守られています。

あとから「不当解雇であること」を証明するためにも、解雇に関する会話は録音を、メールは転送または印刷をするなどし、証拠を残しておきましょう。



3.「退職届」は書かないこと!バイト先から「解雇通知書」をもらう

バイトが自分から会社を辞める場合には「退職届」を会社に提出しますが、「解雇」の場合は雇い主が「解雇通知書」を作成します。


不当な解雇は無効となり雇い主側に損害賠償責任が発生します。

そのため、あたかもバイト自らが退職をしたように見せかけ、意図的に「この退職届にサインして」などと、「退職扱い」にしようとする動きがあるかもしれません。

そのような場合には必ず、「退職届にはサインしません。解雇通知書を下さい」と伝えるようにしてください。



4.最寄りのハローワークに相談!「失業保険」がもらえることも

バイトでも長期間、正社員と同じように働いている人は「失業保険」の対象になることがあります。

「失業保険」を受給するには様々な条件がありますが、まずはハローワークに行って相談してみましょう。


会社からもらった「解雇通知書」などの書類や、これまでのシフト表があればすべて持参するとよいでしょう。

特に「解雇予告手当」や「失業保険」などは、最寄りのハローワークなどで事情を話し、どうすべきかのアドバイスを受けるとよいでしょう。



まとめ


突然のクビ宣告には上記のことを踏まえて、冷静に対処することが大切です。

納得のいかない解雇は「不当解雇」にあたる可能性があり、法律で禁止されています。


未払いのバイト代や解雇予告手当を請求するなど、バイトの立場でもできることはたくさんありますから、上記を踏まえ、迅速に相談をするようにしてください。


2018年5月28日公開/2023年9月19日更新


<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
外資系企業、IT企業、ベンチャー企業などにおいて、採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。現在はWEB系の会社を経営するかたわら、スペインにある学費が15万円/年~の公立大学や、1週間から留学可能な語学学校の紹介をするなど、子どもから大人までの学習支援を行っている。

WEB事業 :https://dy-planning.net/
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