
注目の俳優と“ものづくり”のコラボレーション現場の裏側に、ドーモプラスが潜入! 今回は『2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ』など舞台を中心に活躍中の「竹中 凌平(たけなか・りょうへい)」さんと、シルバーアクセサリー・ショップ「銀時(ぎんとき)」さんのコラボアクセサリーの打ち合わせにおじゃましました。
前編ではアクセサリーへの並々ならぬ拘りを見せてくれた竹中さん。後編では、そんな竹中さんに「ツキステ。」4幕、5幕やメモリアルツアーへの出演を振り返って、今の思いを語っていただいちゃいました。
「ツキステ。」で目覚めたダンスの楽しさ
――前回「レコメン図」で取材をさせていただいたのは、『2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。』ステージ」(※)第4幕「Lunatic Party」の稽古期間中だったのですが、実際に卯月新(うづき・あらた)役を演じてみていかがでしたか?
(※1月から12月までの各月をイメージしたキャラクターをベースにそれぞれの月をイメージした楽曲と物語で織りなすシリーズCD「ツキウタ」の舞台化作品で、現在第5幕「Rabbits Kingdom」まで上演されている。通称「ツキステ。」)
役に関しては、稽古が始まる前から「話し方や間の取り方、基本的な性格の部分で、僕と新はけっこう似ているんじゃないか」と感じていたんですが、実際にやってみたらやっぱり似てました。人を何種類かに分類するとしたら、多分同じ属性になると確信しています(笑)。
それに、原作に似せよう、似せようと意識するよりも、「新」の場合は完全に僕の素で演じたほうが近いなって思ったりもして。第4幕、第5幕と公演数を重ねるにつれて、新のこともさらに分かってきたように感じています。でも、ダンスに関してはそう簡単にはいきませんでした……。
――ダンスは「ツキステ。」で初挑戦だとおっしゃってましたもんね。
そうなんですよ。この作品に出る上でダンスは避けては通れない道だったので、毎日夜遅くまで残って練習し、メンバーのみんなにも助けてもらって、何とか公演できるところまでレベルを上げることができました。おかげでダンスの奥深さや、楽しさも分かるようになった気がします。
――では「ツキステ。」を通してダンスの楽しさに目覚めたと?
はい、すっかり目覚めました。実は、メモリアルツアーの後半あたりでやっと振付の先生から「初めの頃とは見ちがえたし、前より安心して見ていられるようになった」という温かい言葉が頂けたんです。僕自身、ひたすら練習を続けるうちに、ダンス自体を楽しむ気持ちや余裕が生まれてきて、キャラとしての見せ方や、動作の緩急、指先まで意識することなどが、だんだん自然にできるようになってきました。そうなると、より純粋に「ダンスって楽しいな」と思えるようになったんです。
本番前のルーティーンで気持ちを高める
――卯月新の相方・皐月葵役の上仁樹さんといっしょにステージへ出るシーンが多かったかと思うのですが、お二人の間で舞台へのテンションを高めるためにされていたことはあったりしますか?
ルーティーンみたいなものはいくつかありますよ。例えば舞台袖から出る時に、僕が上手(かみて=客席から見て右側)から出て、樹くんが下手(しもて=客席から見て左側)から出る場合は、お互いに向かって手を振ったり、ピースしたり、指を差したり……そんなことをいろいろやってましたね。
あとは最初の曲の登場シーンで、仲田博喜さん(弥生春役)と僕と樹くんが同じ場所から出るんですけど、そこでもちょっとしたルーティーンがあるんです。マイクを合わせる、開演直前に流れる曲に合わせてヘンな踊りを踊るっていう(笑)。これをやってから舞台に出ると気持ちが全然ちがうんですよ。なんだかとても安心します。
――ルーティーンというのはなかなか興味深いですね。ほかの作品でもされていたことがあったら聞かせていただけますか。
舞台によってちがうんですけど、1月に出演した「熱海殺人事件 -ザ・ロンゲスト・スプリング-」は、けっこう重いストーリーの作品だったんです。その時には、高校生の頃から読んでいる暗い内容の本をずっと読んでましたね。
音楽を聴いたりすることもよくあるんですが、これも作品によって聴くものが変わるんです。「ツキステ。」の時にはヴィジュアル系だった気がしますね。the GazettEやシド、MIYAVIさんが好きなんですよ。それから、HIP-HOPもテンションが上がるので聴いてました。
――ビジュアル系とは意外でした。
高校生の時によく聴いていたんです(笑)。
メモリアルツアーを振り返って
――先日、ライブツアー「TSUKISTA. Memorial Tour 2018」を終えられたばかりですが、国内各地や台湾とさまざまな都市で公演をされてみて、土地柄を感じたりすることはありましたか?(※取材は3月下旬に行いました)
地方によってお客さんのリアクションにはかなり違いを感じました。「ここでこんな反応をしてくれるんだ」って意外に思うところがっこうありました。東京以外の都市でいうと、第5幕でも大阪には行ったんですが、ほかの地方は今回のライブツアー公演で初めて訪れる場所だったので、それも理由なのかもしれません。どこの会場に行っても皆さんがとても温かく迎えてくださって嬉しかったですね。
――台湾公演もあったわけですが、国内での公演とはまたちがった反応があったりしました?
とにかく歓声がすごかったです。もちろん、日本の会場もすごく盛り上がりましたけど、思い切り盛り上がってくれている印象を強く感じました。僕たちも、こうしていろいろな場所で公演をするのは、嬉しさもある反面、緊張してしまう部分もあるんです。そんな時に、お客さんの声援を聞くとその緊張もとけて、楽しい気持ちになったりするんです。なので、その歓声にすごく背中を押していただきました。
――ツアー中に印象に残っていることや、共演者の方との思い出はありますか?
千秋楽の仙台公演の時には、みんなかなり熱いことを語っていました。舞台上の挨拶の時だけでなく、出番前の袖でも、終わってはけてからも、集まって話をしてはその都度、みんな大号泣でしたね。僕も久々にあんなに泣きました。
各地を回らせていただいたツアーが終わってしまう淋しさがもちろんありました。僕自身の場合は、昨年10月の第4幕からの途中合流しての「ツキステ。」出演だったんですが、12月の第5幕、そのあとのメモリアルツアーと合流からほぼノンストップでやってきたので、みんなでこれまで踊ってきたことや、その間にあったいろいろなことを思い出したら、こみ上げてくるものが止められませんでした。
――第3幕までの曲が初めてになる分、竹中さんは他の方より覚えることが多かったと思うのですが、そこはいかがでしたか?
第2幕「月歌奇譚 夢見草」と第3幕「SCHOOL REVOLUTION!」でみんなが踊っていたものを、僕はこのツアーで初めて覚えて臨むことになったので、もちろん大変な部分も多少はありましたけど。みんながこれまで築き上げてきたものを、僕もいっしょに踊るという経験ができたので「ツキステ。」への愛がさらに深まりましたね。
第2幕の時の衣装も着たんですが、これまでの「ツキステ。」を僕もしっかり受け継いでいることを肌で感じられて、ファンのみなさんにもしっかりと作品を届けられていることを感じられてすごく嬉しく思いました。この作品に関わることができて、本当に感謝しかないです。
――俳優業とものづくり、ひとつひとつ積み上げていくところが、何だか同じですね。
そういえば、今回のコラボアクセサリー、実は去年の11月からデザインに取り組み始めてるんです(笑)。気付けば半年ですよ・・・完成まで長いですよねー。本当に自分自身が身に着けたいものを作りましょうと言ってくださって、とことん僕の拘りに付き合ってくださった銀時さんには感謝です。
――では最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
ありがたいことに今後のお仕事もいろいろと決まっていて、大好きな舞台にも関わることができるので、すごく楽しみです。それも応援してくださっているみなさんがあってのことなので、今後もみなさんに楽しんでもらえるように、作品を通して気持ちを共有できたらと思いますし、皆さんの期待に応えられるよう精一杯頑張りたいと思いますので、これからも楽しみに僕に会いに来ていただけたら嬉しいです。
秋にはコラボアクセサリーのお渡し会も予定しているんですが、僕自身の人生初のイベントになるので、みなさんとどんな話ができるか、お会いできるのを楽しみにしています。
「ツキステ。」を通して、ダンスの楽しさに目覚めたという竹中さん。これから出演される舞台でも、より幅広い活躍が期待できそうですね! 今後の出演作や、お渡し会の詳細など、新しい情報の解禁を楽しみに待ちましょう。
取材・文:ドーモプラス編集部・古原孝子
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)