ドーモプラスが注目のアーティストを紹介する連載企画! 今回は、5次元アイドル応援プロジェクト「ドリフェス!R」などで活躍している「DearDream」から「溝口琢矢(みぞぐち・たくや)」さんと「富田健太郎(とみた・けんたろう)」さんのインタビューをお届け! 4月25日(水)にリリースされる新譜や、お二人が声優を務めるTVアニメ「働くお兄さん!」についてのお話をたっぷりうかがいました。
この世界に足を踏み入れた理由
――まずは、現在のお仕事を始められたきっかけについて聞かせていただけますか?
富田:高校1年の夏休みに今の事務所にスカウトされたのが始まりでした。それまではこの世界について何も知らなかったので、何となく「すごく華やかな世界なんだろうな」っていう印象を持っていたんです。でもいざ始めてみたら、周りは才能を持った人ばかりで、しかも努力家の集まりだったんですよ。
それを知ってから、すごく人間らしい仕事なんだなと感じましたし、自分との戦いなんだなということも分かったというか。自分自身を見つめ直しつつ、努力し続けないといけないっていうのが、すごくカッコいいなって思うようになりましたね。
溝口:僕の場合は少し複雑なんですけど。以前放送されていた「どっちの料理ショー」というバラエティ番組で、夏休み特別企画として子どもを対象にした一般応募の回があったんです。僕が小学校4年生の時に、母がそれに応募をしたのがきっかけでした。
実は僕、その番組に2回出演させてもらってるんですけど、2回目の時に、今の事務所の大先輩・三宅裕司さんのマネージャーさんが僕のことを気に留めてくださったみたいで。それと同時期に福山雅治さんの大ファンだった母が、事務所宛てに僕の書類を出していたんです。それで面接に行った時に担当の方から「君のこと、多分知ってる」って言っていただいて……だから、面接に受かる形で入ったんですけど、少しスカウトっぽさもあると言えばありますね。
その時のことで今でも覚えているのが「何が一番できる?」って聞かれたことで。歌もお芝居もダンスもやったことがなくて「君は何しに来たの?」と。そこからのスタートだったので、始めた時にはすごく劣等感があって、今でもそれは何となく持ち続けています。劣等感というとすごくネガティブですけど、「まだまだこれから」っていう捉え方に近いので、劣等感を持ち続けることが僕にとってはちょうどいいあり方なのかなと思っていますね。
表現すること、演じることへの思いが原動力
――現在お二人は俳優や声優のお仕事をされながら、DearDreamのメンバーとしてアーティスト活動もされていますよね。それぞれ、どんなところにやりがいを感じていますか?
富田:まず俳優は、その作品に込められたメッセージを、自分の身体を使って表現することで伝えられるっていうのが、すごく魅力的だしやりがいがあるなと思いますね。まだ全然お芝居も上手くはないですけど、やっぱり表現できる職業っていうのはすばらしいなぁって思って。
声優はその中でも、お芝居だったら身体全体で表現できるものを、声だけで表現するんですけど。声だけでそのキャラクターを存在させるっていうことはすごく難しくて、そのキャラクターの人生などを細かいところまでしっかり考えていないと、ちょっとした声音に表現したいモノがのせられないんですよね。そこに難しさを感じますけど、自分の中でこだわっているところでもあるので、見ている人に伝わった時には「あぁ、よかった」って思います。
DearDreamというアーティストとしては、踊ったり歌ったりもするわけですけど、お芝居とは表現の方法がちがっているというだけで、全部に共通するのはやっぱり「何かを伝えたい」っていう気持ちだと思うんですよ。やっぱり難しさはありますけど、それをライブなどでお客さんに直接体感してもらって、喜んだり楽しんだりしてもらえている表情を見られるのは、アーティストをやっていたからこそできた経験だなって。それはすごくよかったと思いますね。こうやって幅広い活動ができているのは、自分の成長にも繋がってるなと感じます。
――溝口さんはいかがですか?
溝口:僕はわりと全部一貫して考えているところがあって、お芝居もライブも、全部が“演じている”感覚なんです。もともと演じることは好きではあったんですけど、高校を出てから経験した舞台などを通して「お芝居ってこんなに難しいんだ」「でも楽しい!」って思えたんですよ。そこで改めてお芝居の難しさを知ったことで、“難しい”と“楽しい”って表裏一体なんだなって気付いたというか。
だから、初めての声優のレッスンで、慣れないマイク前に立つことや、自分の演技の振り幅のなさみたいなものが本当にキツかった時にも「この難しさの裏にも、楽しさがあるんじゃないか」って思えたんですよね。「未熟だな」って思う部分も多すぎるくらいありましたけど、それ以上に「この先多分、もうちょっと成長できる」っていう確信も持てましたし。
ダンスと歌については、さっきも言った通り、何もできないところからスタートしたので、じゃあどうしたら自分がそこと向き合っていけるかを考えた時に「曲にもそれぞれストーリーがあるし、演じてもいいんじゃないか?」って思ったんです。ステージ上でMCをしている僕が演じているのかって言ったらそうじゃないし、曲中の踊りでも表情をそんなに作ってるつもりはないんですけど、曲に合わせて踊るというか、演じるという意味で。だから、お芝居も歌もダンスも、異なる表現方法ではありますけど、僕にとっては“演じる”という部分では一貫しているイメージなんですよね。
「働け!」というフレーズがやる気をくれる
――では、4月にリリースされる「TVアニメ『働くお兄さん!』Music Selection 履歴書01」に収録されるDearDreamの楽曲についてのお話もうかがわせてください。まずはジングルテーマの「働くお兄さん」についてなんですが、作中では冒頭部分だけが流れていますよね。この曲はどんなところに注目して聴いてほしいですか?
富田:どこに注目してというより、まずは聴いてみてほしいですね。それで一番伝わる曲だと思いますし。あのジングルが鳴った瞬間、一気に「働くお兄さん!」の世界に入り込めるくらい、勢いやパワーのある曲なので、それを感じ取っていただけたら嬉しいです。
溝口:僕個人的になんですけど、この曲を聴いた時にすごくやる気が出たんですよ。曲を聴きながら頭の中で自分が歌ってるのをイメージしたりする時ってありませんか? 僕らも「働け!」って歌いながら自分たち自身のことも鼓舞してるので、その感覚が伝わったらいいなって。あの冒頭の15秒でこんなにテンション上げられるのって、正直すごいと思うんですよ。
だから、いろんな方に聴いていただきたいですね。「働け!」っていうワードは強いけど、曲として聴いてもらえたら決して強制の意味合いじゃないというのは伝わると思いますし「あ、ちょっとやる気出て来たな」って感じてもらえる曲になってると思います。
――男性も女性も、頑張りすぎる人も頑張りきれない人も、みんなの背中を押してくれる曲になっていますよね。
溝口:本当に。朝の目覚めに最高だと思いますよ。僕、この曲を携帯の目覚ましに設定してます(笑)。
富田:朝にはちょっとパンチ強いけどね(笑)。めっちゃパッと目が覚めそう。
――いいですね、試してみたいと思います(笑)。では主題歌の「KEEP YOUR HOPE ALIVE」、こちらの注目ポイントはどんなところでしょうか?
富田:歌詞はけっこうストレートな感じなんですけど、肩の力を抜いて聴ける曲調になっているというか。この曲を作ってくださったR・O・Nさんからも、今時の大学生世代のリアルを歌詞に込めたっていうお話を聞いたんです。その通りだなって感じましたし、セキララな歌詞だからこそ、聴いても嫌な気持ちにはならずに、普通に受け止められるのかなと思いましたね。曲調も「働くお兄さん」とはまたちがってグルーヴのある感じなので、そこも歌詞にぴったりだなっていう感じがします。その辺りに注目して聴いていただけたらなと思いますね。
溝口:この曲は……僕がそう思うだけかもしれないんですけど、一日仕事を終えた時に聴く曲として、励ます系の曲も静かな曲も合わないことって、けっこう多いと思うんですよ。でも、この曲はちょうどいいところをついてるなって思っていて。
――すごく分かります。帰り道の曲ですよね。
溝口:そうなんですよ! 励まされたり慰められたりじゃなく、何となく一日の余韻に浸りたいだけっていう時に、帰り道にこの曲を聴くのはぴったりだと思うので。それに、僕はお酒があんまり強くないんですけど、帰宅後の晩酌の役割を、この曲でまかなえるんじゃないかなと思ったんです。だから、未成年のみなさんや学生の方も、一日の余韻に浸りたい時にこの曲をぜひ! それが聴きどころです。……いやこれ、大丈夫かな(笑)。
――分かりやすいと思いますよ(笑)。このナンバーはラップで韻を踏む箇所があったり、掛け合いの部分があったりと凝った楽曲になっていると思うのですが、歌う時に苦労されたのはどんなところですか?
溝口:発音ですね。
富田:そうだねー。韻を踏んでるラップも難しくて、最初はかなり躓いてたんですけど、歌っているうちにどんどん楽しくなっていきましたね。レコーディングではもうノリノリで歌えました。
溝口:思っていた以上に発音などを大げさにやらないと、ラップってカッコよくないんだなっていうのは思いましたね。初めは探り探りだったので、聴いたそのままを歌ってたんですけど、それだと伝えたいものが全然伝わらないことが分かって。だから、ボイストレーナーの方に教わりながら発音を試行錯誤しましたね。そういう抑揚がしっかり付けられるようになったら、歌うのが楽しめるようになったんですよ。多分、聴いている人たちの5倍くらい、歌ってる僕らのほうが楽しいです(笑)。
発想の転換で、どんな仕事も面白く!
――では次に、富田さんが「茶トラ沢タピオ」、溝口さんが「ロシ原クエ彦」と主役陣の声優を務めるアニメ「働くお兄さん!」(通称「はたおに」)についてお話を聞かせてください。各話さまざまなゲストの方が出演されていますが、収録現場の様子はいかがですか?
溝口:もう、学び舎ですね。
富田:すごく学ばせてもらってるよね。みなさん、本当に気さくな方ばかりだし。タピオもクエ彦もセリフが多いので、まずは僕たちがしっかり演じないとっていう気持ちはあります。その隣でゲストの方が、個性的なキャラクターを演じて色を添えてくださるんですよ。楽しく和気藹々としたアフレコ現場で、すごく贅沢な空間だなって思います。
――それぞれの回のアルバイト先で、タピオとクエ彦はユニークな先輩たちと出会っていますが、これまでで特に印象に残っているエピソードは?
富田:どれだろう、全部すごく面白かったからなぁ……。あ、11話の焼肉屋、マツ阪先輩(CV.安元洋貴さん)はすごかったですね〜! パンチ力がもう、ドーン!(笑) アフレコって1話がだいたい3分ちょっとなんですけど、あの回をやってる時にはいつも以上に短く感じましたね。「え、もう終わった!?」みたいな。それくらい怒涛のパワーのある回で。モブキャラの動物たちがたくさん出てくることも相まって、なかなかカオスな回でしたね。
溝口:僕は6話の交通量調査の回ですかね。理由としては、交通量調査って地味なイメージがあったんですけど、「はたおに」がそれを取っ払ってくれて、本当にいい作品だなって思えたんです。川での交通量調査、それもサメやシャチを数えながら、それを音ゲーに当てはめて楽しむっていうストーリーだったんですが、これは実際に交通量調査をされている方に話を聞いた上で作られていて、本当にそういう仕事の楽しみ方をしている人がいたんですよね。
「はたおに」では毎回題材の職場の方にインタビューをされてるみたいで、そこでの話もかなり僕らの役作りのためになっていて。その音ゲーに当てはめるという話を聞いた時に「こういう発想の転換って、実際にその仕事をやってみないと分からないし、勝手に地味な仕事なのかなって思っていたけど、交通量調査って面白そうだな」って単純に思えたんです。そしてその瞬間に「あ、『働くお兄さん!』の策略に引っかかってるな」って(笑)。
富田:監督も仰ってたんですけど「(この仕事、面白そうだなって)そう思ってくれることが一番嬉しい」って。単調なアルバイト作業でも、こうやって発想の転換で面白さを見出すっていうのは、実生活でも役に立てられそうだなって、僕も思いましたし。
――確かに、どんなバイトであっても、捉え方によって楽しくなったりしますもんね。
溝口:逆にそこのモチベーションがないと、どんな仕事をしても面白くないんじゃないですかね。そこが全話を通して一番見てほしいポイントだなって思います。あとは、タピオとクエ彦の関係性の変化や、彼らの成長も見てもらえたら!
実録・バイト先にいたユニークな店長&先輩
――お二人も実際にアルバイトをされた経験があるとのことですが、その中で印象に残っていることがあったら聞かせてください。
富田:僕は焼肉屋さんのホールで働いてたんですけど、店長がめちゃくちゃパンチの効いてる人でしたね……。
溝口:ここでも焼肉屋なんだ(笑)。
富田:2歳上の兄ちゃんも同じアルバイト先で、兄ちゃんは“トミー”って呼ばれてたんですよ。そこに俺が入ったもんだから「何て呼べばいい?」みたいな話になった時に、“ジュニア”ってあだ名が付いて。そうしたら店長が、忙しい時でも擦れちがう度に絶対「グゥ〜!」ってやるんですよ(身振り手振り口マネで説明)。「うわぁ、もう、この店長キツいわ」って思いながらも、周りのみんなが無視するから、僕だけ相手をしてたら気に入られちゃって大変でした……。
溝口:僕は個人営業のカラオケ屋さんでバイトしてた時があったんですけど、その時のバイトリーダーがキレイ好きの完璧主義者、副バイトリーダーがズボラでだらしないところがあるっていう、両極端なタイプで。その派閥によってシフトの時間帯も分かれてる感じだったんです。
で、僕はその両派を跨いでシフトに入っていたので、どちらにも合わせられるように振る舞ってましたね。バイトリーダーの時間帯に入った時には、オーダーが入ってからドリンクを作るのに10秒くらい。そして、すぐ持って行く! もう一方の時間帯の時には、むしろ超時間をかける。世渡りの仕方って言ったらヘンですけど、そういう人間関係みたいなものは、ある意味そこで学べたかなと思いますね。
「体育祭の応援団長」と「合唱祭の指揮者」を繋ぐ縁
――それでは、今後挑戦してみたいことはありますか?
富田:個人的な夢は、バックパッカーですかね。
――ニューヨークにもお一人で行かれたりしたそうですね。
富田:そうなんです。もともと一人旅というか、自分で何かを開拓していくのが好きなタイプで。だからニューヨークに行った時にもやっぱり「あぁ……生きてるわ、自分……」ってめっちゃ感じたんですよね。だって、自分から関わろうとしなかったらそれまでだけど、関わったら、それはもう、全部自分のハート次第なんですよ。
何においてもそうなんですけど、僕、自分の心に負ける時は超後悔するんです。例えば「今日ジムに行こう」って思ってたけど、なんだかんだ面倒臭くて行かなかった時とか。だけど、一人旅に行ったりすると、そういうのがなくなるんですよね。1人だから自分がやるしかないし、たくさんの人と話して、たくさんの場所に行ってみたいし。そうするうちに、自分を見つめ直せて、どんどん自分のことを好きになれるというか。だから、いろんな国に行って、いろんな人と関わって、いろんな経験をしてみたいなぁっていうのが夢ですね。
――世界一周とかもしてみたいですか?
富田:もう、時間とお金があるなら、どこにだって行きたいです。海外に住んでもいいなって思います。
溝口:止めないよ。全然止めない。
富田:止めてよ(笑)。フラッと帰って来たら、もう、ヒゲ面で日焼けして真っ黒で――。
溝口:大丈夫。その頃には連絡先とか全部削除してるから。
富田:こわっ! 速攻捨てられる!(笑)
――溝口さんがやってみたいことは?
溝口:そうですねぇ……お仕事に関しては、こういうお芝居に関するお仕事をさせていただいているので、夢は語り出したら尽きないことになってしまうんですけど。プライベートで言うなら、僕はわりと機械をいじるのが好きで。最近は、秋葉原あたりでパーツを取るために格安で売っているジャンク品を見たりするようにもなって。そう考えると……めっちゃ小さい夢だなと思われるかもしれないですけど、そのジャンク品からパソコンを組んでみたいですね。
富田:ジャンク品を買う人って、そういうこと!?
溝口:そうだよ。それをそのまま使おうって思ってないもん。
富田:そういうことなんだ……俺、オブジェみたいなのを溜める人が多いのかなって……。
溝口:それゴミ屋敷になってくやつじゃん!
富田:俺、そういう人たちが買うんだなってずっと思ってた。
溝口:ちがう。そういうのを買う人には、パソコンに詳しい人たちが多いから、ジャンク品を買ったら「この部品が取れるけど、これはいらないからもう廃棄!」みたいな感じ。売る側からすると、処分するのにもお金がかかるから「部品あるよ」って買ってもらって、「処分はよろしくね」っていう。――まぁ、散歩なんかもかなり好きなんですけど、今、バックパッカーの話でそっちはお腹いっぱいになったので。
――(笑)。もしかして、お二人は正反対のタイプだったりします?
富田:昔からもう、正反対です。マジで正反対です。
溝口:実は、僕ら高校がいっしょなんですよ。それで、体育祭の応援団長をやるタイプ(=富田さん)と、合唱祭の指揮者をやるタイプ(=溝口さん)。
――あー、なるほど!
富田:ここまで正反対の人でこんなにずっといっしょにいるのって、なかなかない。琢矢くらいですよ。
溝口:本当に。だって、僕からすると、こういうタイプの人と仲よくならないもん(笑)。
富田:俺だって友達はアクティブなやつが多いし。もう、俺からしてもびっくりだわ!
溝口:こんなに仲いいのはけっこう面白いですよね、やっぱり。
富田:いっしょに遊んだりはそんなになかったけど、高校の時からなんだかんだ接点はずっとあったよね。
溝口:あったね。バックパッカーもできたらすごくカッコいいと思うけど、自分に合わないから敬遠する部分があったり。体育祭は、僕がもともと好きじゃなかったりするので。だから、逆にできるのがすげぇなって思うタイプなんですよ。僕みたいな根暗側からすると(笑)。
富田:いやでも、僕も目立ちたがり屋なんですけど、言っちゃえば応援団長とかってパワープレーなんですよね。だって「俺、目立ちに行くぜー!」って感じで目立ってるから、そりゃそうだよって。でも、指揮者とかって、別に目立とうとしてないけど目立つ感あるじゃないですか。
溝口:カッコいいよねー!(笑)
富田:……くっ!(笑) そういうのが一番クールだなって思いますね。
溝口:熱血とクールで、本当に性格的には真逆かもしれないですね。
――どんどんパーソナルな部分が見えてきましたね(笑)。では最後に、夢に向かって頑張っている学生さんや若者に向けて、応援のメッセージをお願いします。
溝口:そうですね……自分がバイトしようとしてた時のことを思い出してみたんですけど。好きな仕事や、やってみたい仕事を選ぶ時には、すごくキラキラしてるじゃないですか。でも、いざ始めてみると、これは多分どの仕事でもそうですけど、実は面倒臭いことだらけだと思うんですよ。そういう時に大切なのが、さっきお話した「どこに楽しさを見出すか」っていうことだと思っていて。僕は、歌もダンスも苦手でしたけど、そんな中でも曲を表現できるようになったら「すごく楽しいな」って思えて、モチベーションがかなり上がりましたし。
何かをつらいって思った時に「じゃあ何でつらいんだろう?」「つらくないようにするにはどうしたらいいだろう?」まで考えられたら、すごく強い人間になれると思うんですよ。自分もそこを目指してますし。僕も今、夢に向かって頑張ってるので、夢に向かっている方はいっしょに頑張りましょう!
富田:いろいろ経験していく中で、自分が「楽しいな」って思うことや、「好きだな」って思うことって、大抵がラクなことなんですよね。それに、自分がそれをやるにあたって、自分自身に全然リスクがないことだったりもするから、それをやるんですけど。ただ楽しいことをやるのって、その時はすごく楽しいかもしれないけど、成長はあまりできないんですよ。でも、つらいことをやった時や、それを乗り越えられた時って、その「楽しい」を超える「もっと楽しい」があると思うんですよね。それに、きっと成長もできる。
夢って多分つらいことだと思うんです。希望なんですけどね、それを追うとなったらつらさを伴う。でもだからこそ、自分の心を強く持って、つらいことの先に待ってる「もっと楽しい」だったり、なりたい自分になれてることを想像して、踏み出してほしいですね。つらい時は友達と楽しいこともやって、鼓舞し合うのもいいと思いますし。そうやって夢を追いかけられたらいいんじゃないかなと、僕は思います。頑張ってください!
日々働くこと、夢を追うこと。そのどちらにもつらい時があるけれど、見方を変えて向き合ったなら、つらさすら笑い飛ばして乗り越えて行ける強さを掴めるかもしれない。溝口さんと富田さん――対照的な彼らは、それぞれの言葉でそれを伝えてくれたような気がします。
折しも新生活を始める人が多い季節、朝と夜のそれぞれにぴったりなDearDreamの新曲をプレイリストに加えたなら、新しい場所へと踏み出す元気がもらえそうですね。アニメ「働くお兄さん!」も2018年夏に第2期の放映が決定しているとのことで、お二人の声優としての活躍も引き続きお楽しみに!
取材・文:古原孝子
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)