ドーモプラスが注目の男子を紹介する連載企画「レコメン図」。第11回は今注目の新世代BOYSグループ「XOX(キスハグキス)」のメンバーとして活躍する「田中 理来(たなか・りく)」さんをお迎え! 役者として舞台にも出演し、現役大学生でもある田中さんに、前編ではXOX加入のきっかけや、仕事と学校を両立しようと思った理由についてうかがいました。
――初めに、芸能界でお仕事をされるようになったのがNHK『天才てれびくん』への出演からだったとのことですが、そのお仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
懐かしいですね(笑)。僕は小学校の時からダンスをやってまして、その影響からかテレビを見ることが好きだったんですよ。その頃によく見ていた番組が『天才てれびくん』で、当時所属していた事務所の方が「ちょうどオーディションがあるよ」って教えてくれたんです。
それを聞いたお母さんに「それじゃあなた、いつもこの番組見てるから受けてみたら?」って勧められて、何気ない感じで受けてみたら、受かっちゃったんですよね。それで『天才てれびくん』のレギュラーになることになって。
言ってしまえば、偶然の中での流れです。けど、道のりはけっこう長かったですし、当時はまだ小学生だったので、両親の支えや両親の力があって出ることができたのかなって思いますね。
――現在はXOXのメンバーとして活動されていますが、WEGOとSony Musicによる「BOYSグランプリ2014」でグランプリを獲得してメンバー入りをされましたよね。そちらのオーディションを受けようと思った理由は何だったんでしょうか?
小学校5年生の時に子役として『天才てれびくん』に出て。そこからの1年間で「正直、自分にはこの世界は向いてないんじゃないか」と思うこともあったんです。それまで知らなかったことも、いろいろ知りましたし。
当時は仙台から通いで東京に来ていて、まだ小学校5年生の10歳か11歳の時にひとりでホテルに泊まったり、大人の人たちといっしょにいろんな地方に行ったり。それがいい経験にもなったんですけど、学校に行けない時が多くなってしまって。ひとりの小学生、あるいは中学生として、周りの友達といっしょに時間を過ごしたいなって思うようになったので、親に一度「辞める」「もう俺、こういう仕事はしたくない」って言ったんですよね。
そこから中学校の3年間はずっとひとりの学生として3年間を過ごして。けど、3年過ぎたあたりから「この仕事をこのままにしていていいのか」って思いがよぎるようになって。まだやっぱり、役者や音楽がやりたい気持ちが、心のどこかにあったんです。
それから、中3の頃にバンドを組んだんですけど、そこで「やっぱり音楽って楽しい」って感じて。その時はギターボーカルをやっていて、自分で曲を作って届ける楽しさや、素晴らしさみたいなものを知ったんです。それで、バンドで大会に出たんですが、それがSONYさん主催の大会で。XOXのオーディション(=「BOYSグランプリ2014」)があることを知るきっかけにもなったんですよ。
僕も音楽がやりたかったので「これで何かが繋がって、自分のバンドが売れればいいな」っていう思いで受けさせてもらったんですけど。それが、一次審査を通過してどんどん審査が進むにつれて、僕も「ここまで来たからにはやっぱり、このグループに入りたいな」って気持ちが強くなって。やるからには本気なので、本気でやらせていただいた結果、加入することになりました。
――オーディションを受けられたのは17歳の時とのことですが、実際にグランプリを獲って、メンバーに入ることが決まった時にはどんな気持ちでしたか?
信じられなかったです。とまんさんと地元がいっしょで、仙台のショップで見かけたりもしていたので。だから「この人たちといっしょにやってくんだな」っていう実感は、初めは正直あまりなかったですけど。音楽をしっかりとした形でできるというのがすごく嬉しかったんで、ワクワクはしてましたね。
――その後、実際にメンバー同士で顔を合わせて、レッスンなどをされるようになったかと思いますが、初めての時はいかがでした?
同じ時期につばさ(=木津 つばさ)もオーディションを受けてたんですけど、みんなで初めてレッスンに入った時はやっぱり緊張しましたね。ダンスレッスンだったんですけど「本当に始まってくんだな」って感じて。「仲よくしなきゃな」とか「どうやって話そうかな」とか、人間関係の部分も探り探りでした。
――田中さんはダンス経験があるとのことですし、ダンスのレッスンはやりやすかったのでは?
やりやすかったですね。中1の時に辞めてたので、久しぶりっちゃ久しぶりだったんですけど。音楽は好きなんで、改めて5人でレッスンするってなった時にも、楽しみながらできましたね。
――それでは次に、11月29日に発売された新シングル「PINKY BABY」についてうかがわせてください。通算5枚目のシングルとなりますが、注目してほしいポイントはどこですか?
僕らのシングルって毎回ちがったよさがあって、1枚ずつで雰囲気が全然変わるんですよ。特に今回の5枚目は、80年代を意識したオシャレなディスコサウンドの曲になっているので、幅広い層の人に聴いてほしいですし、純粋に音楽が好きっていう人に届けたい楽曲かなって思いますね。
かかっていたら自然と踊り出してしまうような曲調になってるので、ダンスが好きな人や、音楽好きの人にたくさん聴いてもらえたら嬉しいです。ダンスの振り付けもキャッチーでディスコっぽいですし、覚えやすい感じなんですよ。
――80年代調というと、より上の年齢層にも届きそうですよね。
そうですよね、届けたいですね。80年代のディスコサウンドって、ボーイズグループでやってる人たちってなかなか少ないと思うんですよ。だからこそ、年代問わず、男女問わず、XOXの音楽を届けられればなって思いながら活動させてもらってます。
――10月13日仙台公演から始まった「XOX 2017 AW LIVE TOUR」や、新譜のリリースイベントで各地を回られていますが、その中でも印象的なエピソードがあったら聞かせてください。
仙台、柏、大阪、東京と、ツアーは今ちょうど折り返したくらいなんですけど(※)、僕が感じたのはやっぱり、どこも会場ごとによさがあるなってことですね。
仙台はとまんさんと僕の地元なので、すごくアットホームな感じで僕らXOXを迎えてくれて。会場ごとに雰囲気がちがうから、僕らの盛り上げ方もちがうし、お客さんの沸き方もちがうし。そういうのって、僕らもやっていて楽しいんですよね。いろんなお客さんが待っててくれるし、さまざまな場所でライブをやって会いに行けるのはすごく嬉しいです。
東京は会場も一番広いし、ツアーの折り返し地点ということで、熱意を込めたパフォーマンスをさせてもらいました。その時のMCでも言ったんですけど「僕らが音楽をやってる一瞬一瞬って、当たり前じゃない」と思っていて。絶対明日が来ると思っていても、もしかしたら来ないかもしれないし。
明日僕らが音楽をやれてるかって言ったら、もしかすると喉をおかしくしたり、足をケガしたりして、歌ったり踊ったりすることができなくなってるかもしれないから。だから、それができる時に届けたいっていう気持ちが大きくて。今回のツアーでは、一瞬一瞬を大事にしようと思って、どこの会場でも挑んでます。
(※取材は10月末に行いました。)
――「一瞬一瞬を大事にしよう」と思うようになったきっかけは何だったんでしょうか?
日々レッスンをやって、学校に行って、仕事をしてっていう、何気ない日常を僕はずっと過ごしてたんですけど。その中で、僕の友達が急に亡くなってしまったり、ばあちゃんが病気にかかってしまったりとか、そんなことが起こると思ってもいなかったことが起きてしまって。
震災もそうですけど、起きると思ってなくて普通に過ごしてたのに、いきなりあんなに大きな震災が起きてしまう。それで、親戚や知り合いがひどい被害に遭ったりもしていて。
そういうのを思い返してみると、普通に何気なく生きてるのはダメなんじゃないかなと、最近思うようになってきたんですよ。ひとつひとつ全力を注がないと、後々後悔するんじゃないかって。
ライブの1本1本、リリースイベントも、来てくれてる人は期間中にその日しか来られないかもしれないし、もしかしたらこの先ずっと来られなくなってしまうかもしれない。そういうことを考えたら、ひとつひとつをていねいに届けていきたいなって気持ちになるんです。
――“一期一会”という言葉を思い出しますね。ファンの方としても、ひとつひとつの機会に全力で臨んでくれるというのは嬉しいのではないでしょうか。田中さんの思いもきっと伝わると思います。
そうですね、伝わればいいんですけど。ライブって収録してるものじゃなくてナマのものなので、その日その日でちがったりすることもあると思うんですよ。歌のニュアンスがちがうとか、ある部分で踊りの雰囲気がちがってたとか。けどそれも僕はライブの醍醐味だと思ってるので。これからも全力でやっていきたいですね。
――先ほど、仙台公演はアットホームな雰囲気だとおっしゃっていましたが、メンバーお二人の地元だからということで、遠くから仙台まで足を運ぶファンの方もいると思うんです。そこで、仙台でおすすめのスポットがあったら教えていただけますか?
仙台の商店街のアーケードがけっこう長いんですよ。構造がわりと複雑なので、最初に来た時には一度お店に入ると、出た時に「あれ、どっちから来たっけ?」ってなると思うんですけど(笑)。あの商店街は、きっと歩いてるだけで楽しいんじゃないかなって。
いろんなお店があるので、そこに立ち寄ったりするのもいいと思うし。あとは、道沿いに“ひょうたん揚げ”っていう、B級グルメっぽい仙台名物を売ってるお店があるんですよ。アメリカンドックみたいな生地にかまぼこが包まれてるんですけど、けっこう美味しいのでおすすめです。
――仙台はかまぼこが有名ですよね。
有名ですね。あとは牛タンも有名で、アーケードを歩いてれば食べられる店舗がいっぱいあるので。ショッピングも楽しめるし、グルメも楽しめて、すごくいい街だなと思います。
それから、仙台は7月じゃなくて8月に七夕をやるんですけど、その時にはアーケードに七夕飾りがガーって並べて吊るされて、それがすごくきれいです。折り紙で鶴を折って七夕飾りにぶら下げるんですけど、小学校か中学校の時に僕もそれを作ったことがあって。あそこまで七夕飾りが並んでる風景も、仙台ならではなんじゃないかなと思います。
――おすすめのご紹介ありがとうございます。ちなみに「DOMO」のフリーペーパーは、静岡など東海地区で配布しているんですが、そちらにも行かれたことはありますか?
静岡はこの前、リリースイベントのライブで行かせていただきました。プライベートでも、知り合いが静岡に住んでいたので、沼津で美味しいウナギを食べたりとか。
あと、今年の夏には大学の友達と、白浜の海へ遊びに行きましたね。「夏だから海に行こう」って感じで車で行ったんですけど、意外と遠かったです(笑)。交代で運転しながら行って、沼津までは近いんですけど、そこから白浜までが遠くて。着いた時には眠かった記憶しかないですね(笑)。けど、すごくきれいな海でした。
――楽しそうですね。大学のご友人とはよく遊んだりします?
しますね、買い物に行ったりとか。ライブに来てくれたりもしますし、すごく仲よくさせてもらってます。
――田中さんはお仕事の傍らで大学にもしっかり通われている印象なのですが、小学校時代に学校にあまり行けない時期があったことで、学校生活も大事にしたいという思いがあるんでしょうか?
それはすごくありますね。僕、中高一貫の高校に通ってたんですけど、高校2年生の時にXOXを組んだので、それと同時に上京してくるって約束だったんですよ。でも、せっかく中学で受験して入った学校だったのでどうしても卒業したくて、無理を言って仙台から通わせてもらってました。
朝に東京から帰って、そのまま学校に行くこともあったんですけど、友達と会えば疲れとかも全部吹っ飛びましたね。それに、学校ってやっぱりその時にしか行けないものなので、学生っていう時間を大切にしないとなと思って。だから、今も学校に行くのが苦じゃないですし、やりたいことをやらせていただいてるってことにまず感謝です。
――学校で過ごす時間がかけがえのないものになっているんですね。苦ではないとのことですが、今はお休みもほとんどない状態だったりするのでは?
そうですね、休みは今はないです(笑)。けど、楽しいんで。学校に行くのが学生の仕事だとは僕は思ってなくて「行きたけりゃ行けばいい」っていう考えなんです。そこまで自分に対して強要していないからこそ、学校が好きなのかもしれないですね。
――そもそも、大学は特に“行きたいから行っている”はずですもんね。
そう、行きたくないのに行っててもしょうがないんで。進学する前には“仕事を取るか、大学を取るか”みたいな葛藤もあったんですけど、どっちもやるのが一番自分のためにもなるし、人生一度しかない時をどっちかに絞るっていう選択肢を作りたくなくて、行かせてもらいました。
やれるだけ頑張ってみて、それで無理だったら無理で諦めがつくんで。ただ、やらないで諦めるっていうのがすごくイヤだったんです。
――選ばれた学部も法学部で、文系の中でもだいぶヘビーな分野ですよね。
そうかもしれないです。でも、もともと高校の時は理系で、本当は建築学部に行きたかったんですよ。けど「建築学部は土曜日にも学校があって、3年生ともなると研究室にこもらなきゃいけない」って先輩に聞いて、高校3年生の時に「急いで文転しないと!」って文転したんです。
それで、文系なら法律の勉強がしたかったので、法学部を選びました。やっぱりアーティストとして仕事をしていると法律に関わることが多くて。それで興味を持ってたので、今やれてることはすごく楽しいですね。
――自分で法律について分かっていれば、いろいろ納得しながら活動できる部分もきっとありますよね。
今、僕は知的財産専攻のゼミに入ってるんですけど、そこでは肖像権とか、アーティストの曲の権利だったりとか、自分のことに関わる内容を学べるので、すごく身になってます。困ったらメンバーを助けることもできるし、すごくいいなぁって。
特許についての勉強もあって、やっぱりアーティストだと音楽の特許取るのもけっこう大変だったりするみたいなんですよ。僕は2年生なのでまだそこまで詳しくは教わってないんですけど、またこれから勉強できるので、すごく楽しみですね。
同じライブは二度とないし、自分の人生も一度きり。仕事に勉強にと日々を全力で走り続けているはずなのに、語ってくれる田中さんから不思議と気負いが感じられなかったのは「一瞬一瞬を大事にする」ことが彼の中では当たり前で自然なことだからなのかもしれないと感じました。仙台に足を運んだ方はぜひ“ひょうたん揚げ”を探してみてくださいね。後編では、XOXメンバーの好きなところ、高校時代のアルバイトのお話などについてうかがっていますのでお楽しみに!
文:古原孝子
Photo:高村 勇一郎
インタビュー後編はコチラ
本気でやらせていただいた結果、加入することになりました。
――初めに、芸能界でお仕事をされるようになったのがNHK『天才てれびくん』への出演からだったとのことですが、そのお仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
懐かしいですね(笑)。僕は小学校の時からダンスをやってまして、その影響からかテレビを見ることが好きだったんですよ。その頃によく見ていた番組が『天才てれびくん』で、当時所属していた事務所の方が「ちょうどオーディションがあるよ」って教えてくれたんです。
それを聞いたお母さんに「それじゃあなた、いつもこの番組見てるから受けてみたら?」って勧められて、何気ない感じで受けてみたら、受かっちゃったんですよね。それで『天才てれびくん』のレギュラーになることになって。
言ってしまえば、偶然の中での流れです。けど、道のりはけっこう長かったですし、当時はまだ小学生だったので、両親の支えや両親の力があって出ることができたのかなって思いますね。
――現在はXOXのメンバーとして活動されていますが、WEGOとSony Musicによる「BOYSグランプリ2014」でグランプリを獲得してメンバー入りをされましたよね。そちらのオーディションを受けようと思った理由は何だったんでしょうか?
小学校5年生の時に子役として『天才てれびくん』に出て。そこからの1年間で「正直、自分にはこの世界は向いてないんじゃないか」と思うこともあったんです。それまで知らなかったことも、いろいろ知りましたし。
当時は仙台から通いで東京に来ていて、まだ小学校5年生の10歳か11歳の時にひとりでホテルに泊まったり、大人の人たちといっしょにいろんな地方に行ったり。それがいい経験にもなったんですけど、学校に行けない時が多くなってしまって。ひとりの小学生、あるいは中学生として、周りの友達といっしょに時間を過ごしたいなって思うようになったので、親に一度「辞める」「もう俺、こういう仕事はしたくない」って言ったんですよね。
そこから中学校の3年間はずっとひとりの学生として3年間を過ごして。けど、3年過ぎたあたりから「この仕事をこのままにしていていいのか」って思いがよぎるようになって。まだやっぱり、役者や音楽がやりたい気持ちが、心のどこかにあったんです。
それから、中3の頃にバンドを組んだんですけど、そこで「やっぱり音楽って楽しい」って感じて。その時はギターボーカルをやっていて、自分で曲を作って届ける楽しさや、素晴らしさみたいなものを知ったんです。それで、バンドで大会に出たんですが、それがSONYさん主催の大会で。XOXのオーディション(=「BOYSグランプリ2014」)があることを知るきっかけにもなったんですよ。
僕も音楽がやりたかったので「これで何かが繋がって、自分のバンドが売れればいいな」っていう思いで受けさせてもらったんですけど。それが、一次審査を通過してどんどん審査が進むにつれて、僕も「ここまで来たからにはやっぱり、このグループに入りたいな」って気持ちが強くなって。やるからには本気なので、本気でやらせていただいた結果、加入することになりました。
――オーディションを受けられたのは17歳の時とのことですが、実際にグランプリを獲って、メンバーに入ることが決まった時にはどんな気持ちでしたか?
信じられなかったです。とまんさんと地元がいっしょで、仙台のショップで見かけたりもしていたので。だから「この人たちといっしょにやってくんだな」っていう実感は、初めは正直あまりなかったですけど。音楽をしっかりとした形でできるというのがすごく嬉しかったんで、ワクワクはしてましたね。
――その後、実際にメンバー同士で顔を合わせて、レッスンなどをされるようになったかと思いますが、初めての時はいかがでした?
同じ時期につばさ(=木津 つばさ)もオーディションを受けてたんですけど、みんなで初めてレッスンに入った時はやっぱり緊張しましたね。ダンスレッスンだったんですけど「本当に始まってくんだな」って感じて。「仲よくしなきゃな」とか「どうやって話そうかな」とか、人間関係の部分も探り探りでした。
――田中さんはダンス経験があるとのことですし、ダンスのレッスンはやりやすかったのでは?
やりやすかったですね。中1の時に辞めてたので、久しぶりっちゃ久しぶりだったんですけど。音楽は好きなんで、改めて5人でレッスンするってなった時にも、楽しみながらできましたね。
年代問わず、男女問わず、XOXの音楽を届けられれば
――それでは次に、11月29日に発売された新シングル「PINKY BABY」についてうかがわせてください。通算5枚目のシングルとなりますが、注目してほしいポイントはどこですか?
僕らのシングルって毎回ちがったよさがあって、1枚ずつで雰囲気が全然変わるんですよ。特に今回の5枚目は、80年代を意識したオシャレなディスコサウンドの曲になっているので、幅広い層の人に聴いてほしいですし、純粋に音楽が好きっていう人に届けたい楽曲かなって思いますね。
かかっていたら自然と踊り出してしまうような曲調になってるので、ダンスが好きな人や、音楽好きの人にたくさん聴いてもらえたら嬉しいです。ダンスの振り付けもキャッチーでディスコっぽいですし、覚えやすい感じなんですよ。
――80年代調というと、より上の年齢層にも届きそうですよね。
そうですよね、届けたいですね。80年代のディスコサウンドって、ボーイズグループでやってる人たちってなかなか少ないと思うんですよ。だからこそ、年代問わず、男女問わず、XOXの音楽を届けられればなって思いながら活動させてもらってます。
一瞬一瞬を大事にしようと思って、どこの会場でも挑んでます。
――10月13日仙台公演から始まった「XOX 2017 AW LIVE TOUR」や、新譜のリリースイベントで各地を回られていますが、その中でも印象的なエピソードがあったら聞かせてください。
仙台、柏、大阪、東京と、ツアーは今ちょうど折り返したくらいなんですけど(※)、僕が感じたのはやっぱり、どこも会場ごとによさがあるなってことですね。
仙台はとまんさんと僕の地元なので、すごくアットホームな感じで僕らXOXを迎えてくれて。会場ごとに雰囲気がちがうから、僕らの盛り上げ方もちがうし、お客さんの沸き方もちがうし。そういうのって、僕らもやっていて楽しいんですよね。いろんなお客さんが待っててくれるし、さまざまな場所でライブをやって会いに行けるのはすごく嬉しいです。
東京は会場も一番広いし、ツアーの折り返し地点ということで、熱意を込めたパフォーマンスをさせてもらいました。その時のMCでも言ったんですけど「僕らが音楽をやってる一瞬一瞬って、当たり前じゃない」と思っていて。絶対明日が来ると思っていても、もしかしたら来ないかもしれないし。
明日僕らが音楽をやれてるかって言ったら、もしかすると喉をおかしくしたり、足をケガしたりして、歌ったり踊ったりすることができなくなってるかもしれないから。だから、それができる時に届けたいっていう気持ちが大きくて。今回のツアーでは、一瞬一瞬を大事にしようと思って、どこの会場でも挑んでます。
(※取材は10月末に行いました。)
――「一瞬一瞬を大事にしよう」と思うようになったきっかけは何だったんでしょうか?
日々レッスンをやって、学校に行って、仕事をしてっていう、何気ない日常を僕はずっと過ごしてたんですけど。その中で、僕の友達が急に亡くなってしまったり、ばあちゃんが病気にかかってしまったりとか、そんなことが起こると思ってもいなかったことが起きてしまって。
震災もそうですけど、起きると思ってなくて普通に過ごしてたのに、いきなりあんなに大きな震災が起きてしまう。それで、親戚や知り合いがひどい被害に遭ったりもしていて。
そういうのを思い返してみると、普通に何気なく生きてるのはダメなんじゃないかなと、最近思うようになってきたんですよ。ひとつひとつ全力を注がないと、後々後悔するんじゃないかって。
ライブの1本1本、リリースイベントも、来てくれてる人は期間中にその日しか来られないかもしれないし、もしかしたらこの先ずっと来られなくなってしまうかもしれない。そういうことを考えたら、ひとつひとつをていねいに届けていきたいなって気持ちになるんです。
――“一期一会”という言葉を思い出しますね。ファンの方としても、ひとつひとつの機会に全力で臨んでくれるというのは嬉しいのではないでしょうか。田中さんの思いもきっと伝わると思います。
そうですね、伝わればいいんですけど。ライブって収録してるものじゃなくてナマのものなので、その日その日でちがったりすることもあると思うんですよ。歌のニュアンスがちがうとか、ある部分で踊りの雰囲気がちがってたとか。けどそれも僕はライブの醍醐味だと思ってるので。これからも全力でやっていきたいですね。
ショッピングもグルメも楽しめて、すごくいい街だなと思います。
――先ほど、仙台公演はアットホームな雰囲気だとおっしゃっていましたが、メンバーお二人の地元だからということで、遠くから仙台まで足を運ぶファンの方もいると思うんです。そこで、仙台でおすすめのスポットがあったら教えていただけますか?
仙台の商店街のアーケードがけっこう長いんですよ。構造がわりと複雑なので、最初に来た時には一度お店に入ると、出た時に「あれ、どっちから来たっけ?」ってなると思うんですけど(笑)。あの商店街は、きっと歩いてるだけで楽しいんじゃないかなって。
いろんなお店があるので、そこに立ち寄ったりするのもいいと思うし。あとは、道沿いに“ひょうたん揚げ”っていう、B級グルメっぽい仙台名物を売ってるお店があるんですよ。アメリカンドックみたいな生地にかまぼこが包まれてるんですけど、けっこう美味しいのでおすすめです。
――仙台はかまぼこが有名ですよね。
有名ですね。あとは牛タンも有名で、アーケードを歩いてれば食べられる店舗がいっぱいあるので。ショッピングも楽しめるし、グルメも楽しめて、すごくいい街だなと思います。
それから、仙台は7月じゃなくて8月に七夕をやるんですけど、その時にはアーケードに七夕飾りがガーって並べて吊るされて、それがすごくきれいです。折り紙で鶴を折って七夕飾りにぶら下げるんですけど、小学校か中学校の時に僕もそれを作ったことがあって。あそこまで七夕飾りが並んでる風景も、仙台ならではなんじゃないかなと思います。
――おすすめのご紹介ありがとうございます。ちなみに「DOMO」のフリーペーパーは、静岡など東海地区で配布しているんですが、そちらにも行かれたことはありますか?
静岡はこの前、リリースイベントのライブで行かせていただきました。プライベートでも、知り合いが静岡に住んでいたので、沼津で美味しいウナギを食べたりとか。
あと、今年の夏には大学の友達と、白浜の海へ遊びに行きましたね。「夏だから海に行こう」って感じで車で行ったんですけど、意外と遠かったです(笑)。交代で運転しながら行って、沼津までは近いんですけど、そこから白浜までが遠くて。着いた時には眠かった記憶しかないですね(笑)。けど、すごくきれいな海でした。
――楽しそうですね。大学のご友人とはよく遊んだりします?
しますね、買い物に行ったりとか。ライブに来てくれたりもしますし、すごく仲よくさせてもらってます。
学生っていう時間を大切にしないとなと思って。
――田中さんはお仕事の傍らで大学にもしっかり通われている印象なのですが、小学校時代に学校にあまり行けない時期があったことで、学校生活も大事にしたいという思いがあるんでしょうか?
それはすごくありますね。僕、中高一貫の高校に通ってたんですけど、高校2年生の時にXOXを組んだので、それと同時に上京してくるって約束だったんですよ。でも、せっかく中学で受験して入った学校だったのでどうしても卒業したくて、無理を言って仙台から通わせてもらってました。
朝に東京から帰って、そのまま学校に行くこともあったんですけど、友達と会えば疲れとかも全部吹っ飛びましたね。それに、学校ってやっぱりその時にしか行けないものなので、学生っていう時間を大切にしないとなと思って。だから、今も学校に行くのが苦じゃないですし、やりたいことをやらせていただいてるってことにまず感謝です。
――学校で過ごす時間がかけがえのないものになっているんですね。苦ではないとのことですが、今はお休みもほとんどない状態だったりするのでは?
そうですね、休みは今はないです(笑)。けど、楽しいんで。学校に行くのが学生の仕事だとは僕は思ってなくて「行きたけりゃ行けばいい」っていう考えなんです。そこまで自分に対して強要していないからこそ、学校が好きなのかもしれないですね。
――そもそも、大学は特に“行きたいから行っている”はずですもんね。
そう、行きたくないのに行っててもしょうがないんで。進学する前には“仕事を取るか、大学を取るか”みたいな葛藤もあったんですけど、どっちもやるのが一番自分のためにもなるし、人生一度しかない時をどっちかに絞るっていう選択肢を作りたくなくて、行かせてもらいました。
やれるだけ頑張ってみて、それで無理だったら無理で諦めがつくんで。ただ、やらないで諦めるっていうのがすごくイヤだったんです。
――選ばれた学部も法学部で、文系の中でもだいぶヘビーな分野ですよね。
そうかもしれないです。でも、もともと高校の時は理系で、本当は建築学部に行きたかったんですよ。けど「建築学部は土曜日にも学校があって、3年生ともなると研究室にこもらなきゃいけない」って先輩に聞いて、高校3年生の時に「急いで文転しないと!」って文転したんです。
それで、文系なら法律の勉強がしたかったので、法学部を選びました。やっぱりアーティストとして仕事をしていると法律に関わることが多くて。それで興味を持ってたので、今やれてることはすごく楽しいですね。
――自分で法律について分かっていれば、いろいろ納得しながら活動できる部分もきっとありますよね。
今、僕は知的財産専攻のゼミに入ってるんですけど、そこでは肖像権とか、アーティストの曲の権利だったりとか、自分のことに関わる内容を学べるので、すごく身になってます。困ったらメンバーを助けることもできるし、すごくいいなぁって。
特許についての勉強もあって、やっぱりアーティストだと音楽の特許取るのもけっこう大変だったりするみたいなんですよ。僕は2年生なのでまだそこまで詳しくは教わってないんですけど、またこれから勉強できるので、すごく楽しみですね。
同じライブは二度とないし、自分の人生も一度きり。仕事に勉強にと日々を全力で走り続けているはずなのに、語ってくれる田中さんから不思議と気負いが感じられなかったのは「一瞬一瞬を大事にする」ことが彼の中では当たり前で自然なことだからなのかもしれないと感じました。仙台に足を運んだ方はぜひ“ひょうたん揚げ”を探してみてくださいね。後編では、XOXメンバーの好きなところ、高校時代のアルバイトのお話などについてうかがっていますのでお楽しみに!
文:古原孝子
Photo:高村 勇一郎
インタビュー後編はコチラ