様々なバイトでの胸キュンシチュエーションストーリー。第7回は、SHALF(BUZZ-ER.)くん、優里香ちゃんが登場する「カラオケ編」。今回は、【後編】をお届けします!
はぁ……。前は先輩とシフトがかぶってることが、唯一の楽しみだったのになぁ。最近の私は、バイトが憂鬱でしょうがなかった。持ってるトレーが重そうだったから、手伝おうとしただけなのにさ。「邪魔」なんて言わなくてもいいじゃんね。
前から別に仲がよかったわけではないけれど、あんなことを言われると嫌われているような気がしてしまう。
ルーティン作業が多いからなんとかなってるけど、気になって仕事に集中できないよ……。やだなぁ……。
カウンターに戻ると先輩がいる。先輩と二人のカウンター……、どんな顔したらいいんだろ?「戻りましたー」
小さな声で報告したけど、やっぱり反応はない。やっぱり嫌われてる。嫌いなら嫌いって言えよ、ばかぁ。全身でしょんぼりを表現していると、急に先輩が振り返った。「ねぇ、ここ守ってて。ちょっとオフィス行ってくる」
それだけ告げると、先輩はツカツカとカウンターを離れていった。ううう、やっぱり冷たいよう……。
1人でカウンターを守るのはまだ不安だけど、一緒にいるよりは気が楽か。あ、お客さん。
「いらっしゃいませー!」「こちらに記入してください」と、いつも通り案内をする。するとお客さんが違う言語で話し始めた。
「sdfghjkぉp;@:」
え、中国語? まったくわからない……、どうしよう。「えっと……、ナンジカン、ツカイマスカ?」
何故だか私も片言になる。お客さんも、すごくきょとんとした顔をしてる。どうしよう、やばい……。すると後ろから、男性の声で流暢な中国語がきこえてきた。先輩は普段となんら変わらないように、中国語でお客さんを部屋に案内していた。
す、すごい。何者なんだ、この人。お客さんを、いつものとびきりスマイルで送りだすと日本語を口にした。「困ったら俺のこと呼べっての」
キツイ口調で注意を受ける。あ、また嫌われた。そう思った次の瞬間には、私の感情は溢れだしてしまった。泣くつもりなんてなかったのに。なんで泣いてるんだよ、私。
「え、ちょ、え? どした? え?」
イケメンが目の前で、今まで見たことないような慌て方をしている。こんな先輩、初めて見たかも。「俺なんかした?」
という優しい声と同時に、綺麗な顔が今までにないくらい近づいてきた。
「どした?」
言うなら今しかないと思い、私は重い口を開いた。「先週、一緒にシフト入った時に、先輩に邪魔って言われて、嫌われてるんだって、思って……。今日も、迷惑を、かけちゃったから、もう、本当に、嫌われちゃったと、思って」
必死に息継ぎをしながら思ってることを伝えた。すると先輩は視線をそらした。ほら、図星なんだ。「うわ、まじか。俺そんなこと言ったっけ。ごめん」
先輩は気まずそうな顔をしていた。一息つくと、視線を私のほうに戻しゆっくり穏やかに話し始める。「あ、あの……。俺ね?」「俺ね、接客だとスイッチ入るから普通に話せるんだけど、実は女の子と話すの苦手で。それで……、可愛いと思ってる子だと、なおさら話せなくなっちゃって。」
「だから、優里香のこと、嫌いじゃないから。っていうか、むしろ可愛いと思ってるし……。って俺は何を言ってるんだ。」「え、先輩、今なんて⁉」
びっくりして目線をあげる。今までにないくらい赤面している先輩は、かっこいいよりは可愛いという感じだ。「だから、嫌いじゃないから」
先輩は恥ずかしそうにボソッと呟く。ふと気づくと、私の涙は乾いていた。
「安心した? ほら、お客さんきたよ」
先輩のスイッチが一瞬ではいった「「いらっしゃいませー!」」「はい、2時間ですね。お部屋は……」
良かった!! 嫌われてなかった! むしろ可愛いとか、夢じゃないよね? 私の口角は自然とあがってしまっていた。「なに、にやにやしてんだよ! 仕事して!」 という不器用な先輩の声に、
「はーい」 とゆるい返事をし、ふと気になった質問を投げかけた。「先輩! 先輩はなんでカラオケでバイトを始めたんですか?」
3秒くらいの間をあけて彼は口を開いた。
「カラオケって楽だって、友達に言われたから。でも、今思うと嘘だよね」
それを聞いて思わず吹き出してしまった。先輩は私と同じ理由で働きはじめ、同じ理由で嘆いていたらしい。なんだ一緒なんじゃん(笑)。
「先輩! 私、先輩と仲良くなれそうな気がします!」
満足そうな顔でそう告げると、先輩はクスッと笑った。
Text:坂井彩花
Photo:くさかべまき
前から別に仲がよかったわけではないけれど、あんなことを言われると嫌われているような気がしてしまう。
衛生のために、マイクは消毒をしっかり!
ルーティン作業が多いからなんとかなってるけど、気になって仕事に集中できないよ……。やだなぁ……。
カウンターに戻ると先輩がいる。先輩と二人のカウンター……、どんな顔したらいいんだろ?「戻りましたー」
小さな声で報告したけど、やっぱり反応はない。やっぱり嫌われてる。嫌いなら嫌いって言えよ、ばかぁ。全身でしょんぼりを表現していると、急に先輩が振り返った。「ねぇ、ここ守ってて。ちょっとオフィス行ってくる」
それだけ告げると、先輩はツカツカとカウンターを離れていった。ううう、やっぱり冷たいよう……。
1人でカウンターを守るのはまだ不安だけど、一緒にいるよりは気が楽か。あ、お客さん。
「いらっしゃいませー!」「こちらに記入してください」と、いつも通り案内をする。するとお客さんが違う言語で話し始めた。
「sdfghjkぉp;@:」
え、中国語? まったくわからない……、どうしよう。「えっと……、ナンジカン、ツカイマスカ?」
何故だか私も片言になる。お客さんも、すごくきょとんとした顔をしてる。どうしよう、やばい……。すると後ろから、男性の声で流暢な中国語がきこえてきた。先輩は普段となんら変わらないように、中国語でお客さんを部屋に案内していた。
す、すごい。何者なんだ、この人。お客さんを、いつものとびきりスマイルで送りだすと日本語を口にした。「困ったら俺のこと呼べっての」
キツイ口調で注意を受ける。あ、また嫌われた。そう思った次の瞬間には、私の感情は溢れだしてしまった。泣くつもりなんてなかったのに。なんで泣いてるんだよ、私。
「え、ちょ、え? どした? え?」
イケメンが目の前で、今まで見たことないような慌て方をしている。こんな先輩、初めて見たかも。「俺なんかした?」
という優しい声と同時に、綺麗な顔が今までにないくらい近づいてきた。
「どした?」
言うなら今しかないと思い、私は重い口を開いた。「先週、一緒にシフト入った時に、先輩に邪魔って言われて、嫌われてるんだって、思って……。今日も、迷惑を、かけちゃったから、もう、本当に、嫌われちゃったと、思って」
必死に息継ぎをしながら思ってることを伝えた。すると先輩は視線をそらした。ほら、図星なんだ。「うわ、まじか。俺そんなこと言ったっけ。ごめん」
先輩は気まずそうな顔をしていた。一息つくと、視線を私のほうに戻しゆっくり穏やかに話し始める。「あ、あの……。俺ね?」「俺ね、接客だとスイッチ入るから普通に話せるんだけど、実は女の子と話すの苦手で。それで……、可愛いと思ってる子だと、なおさら話せなくなっちゃって。」
「だから、優里香のこと、嫌いじゃないから。っていうか、むしろ可愛いと思ってるし……。って俺は何を言ってるんだ。」「え、先輩、今なんて⁉」
びっくりして目線をあげる。今までにないくらい赤面している先輩は、かっこいいよりは可愛いという感じだ。「だから、嫌いじゃないから」
先輩は恥ずかしそうにボソッと呟く。ふと気づくと、私の涙は乾いていた。
「安心した? ほら、お客さんきたよ」
先輩のスイッチが一瞬ではいった「「いらっしゃいませー!」」「はい、2時間ですね。お部屋は……」
良かった!! 嫌われてなかった! むしろ可愛いとか、夢じゃないよね? 私の口角は自然とあがってしまっていた。「なに、にやにやしてんだよ! 仕事して!」 という不器用な先輩の声に、
「はーい」 とゆるい返事をし、ふと気になった質問を投げかけた。「先輩! 先輩はなんでカラオケでバイトを始めたんですか?」
3秒くらいの間をあけて彼は口を開いた。
「カラオケって楽だって、友達に言われたから。でも、今思うと嘘だよね」
それを聞いて思わず吹き出してしまった。先輩は私と同じ理由で働きはじめ、同じ理由で嘆いていたらしい。なんだ一緒なんじゃん(笑)。
「先輩! 私、先輩と仲良くなれそうな気がします!」
満足そうな顔でそう告げると、先輩はクスッと笑った。
Text:坂井彩花
Photo:くさかべまき
モデル紹介
優里香
- Q1.異性にされたらきゅんとする行動は?
- さり気なく持ってる荷物を持ってくれたとき
- Q2.好きになる人の共通点は?
- 細身、色白
- Q3.理想とするバイト先での胸キュン妄想シーンは?
- バイト中、皆にバレないようにこっそり会話したり、一緒に帰ったり……したい
- Q4.バイト内恋愛してみたい?するなら先輩?後輩?同期どれがいい?
- 先輩がいいです! しっかりしてそう
- Q5.やってみたいアルバイトは?
- おしゃれなカフェや焼肉屋さん
SHALF(BUZZ-ER.)
- Q1.異性にされたらきゅんとする行動は?
- 髪をポニーテールに束ねるしぐさ
- Q2.好きになる人の共通点は?
- 明るい人
- Q3.理想とするバイト先での胸キュン妄想シーンは?
- グラスを洗ってて手が触れたり
- Q4.バイト内恋愛してみたい?するなら先輩?後輩?同期どれがいい?
- 絶対に後輩
- Q5.やってみたいアルバイトは?
- カフェ