「履歴書の本人希望欄に、何を書けばよいのか分からない」? という方も多いのではないでしょうか。正確には、「希望はあるけれど、どこまで書いてよいのか?」というところかもしれません。そんな方のためにポイントをまとめてみたので参考にしてください。


1.「本人希望欄」には「どうしても外せない条件」と「連絡がつく時間」を書く。本人希望が企業側にプラスになればベスト!




本人希望欄の項目ですので、希望する内容を書きたいところですが、思うがままに希望する内容を書き連ねるのはNGです。まずは面接までスムーズに話を進めるためのポイントを確認してください。

①どうしても伝えておく必要がある内容は伝えたほうがよい。

就業上、どうしても働けない条件がある場合は書いておきましょう。例えば、

「学校での活動があるため、水曜日のみ出勤不可」

「保育園への迎えが必要なため、19時以降の出勤不可」

などです。ここで書く内容は、長い文章で書かずに簡潔に箇条書きで書くこと。本人希望欄に長文が書いてあると、それだけで採用担当者のイメージはよくありません。また、簡潔に箇条書きだとしても、会社側にネガティブなイメージを与える内容は、出来る限り書かないことが基本です。

簡潔に書くことは重要ですが、ただ出勤不可と書くよりは、出勤不可の理由を明確にしたほうが、採用する側もネガティブなイメージには受け取りません。ちょっとした書き方、伝え方一つで、相手に伝わるニュアンスは変わってきますので、注意して書いてみましょう。

②連絡が取れる時間、連絡が取れない時間を書いておく。

学生の場合や、他のアルバイトを掛け持ちしている場合には、連絡がつかない時間帯もあるでしょう。そのときは、この本人希望欄に

「現在、専門学校に通っています。平日の14時以降のご連絡をお願い致します。」

のように、確実に連絡が取れる時間帯を記入しておくとよいです。ここで注意しておくべきことは、会社の営業時間に合っているかどうか? という点です。

月曜から金曜の9時から18時までが営業時間なのに、

「平日の19時以降のご連絡をお願い致します。」

「土曜日、日曜日は終日、連絡が取れます。」

と、このように書くのは失礼に当たる可能性があります。営業時間は事前に調べておきましょう。また、連絡が取れる時間が不規則で異なる状況の場合には、分かる範囲で連絡が取れない時間帯を書いておくとよいでしょう。

原則としては、自分の希望を書く内容としては上記2つの内容です。時給の相談や休暇の希望日数など、自分に都合のよい内容は控えましょう。

2.本人希望欄も自己PRにつながります!



どうしても、自分の希望を書くと相手にマイナスイメージを与えてしまわないか? と思ってしまう方が多いかと思います。でも、この本人希望欄も、書き方次第で自己PRにつながります。

例えば、

「週3日、4時間以上働ける人募集」という募集内容に対して、

「週に5日以上、勤務することも可能です。」
「一日6時間以上の勤務も可能です。」

のように、募集内容の日数や時間より多めに働ける場合には、その内容を書いておきましょう。実際の採用状況によっては、求人で出した内容よりも多めの日数や時間で採用するということも起こり得ます。なにより、働くことへの前向きな姿勢は採用する側にとって、好印象を与えます。

本人希望欄に自分の希望、自分の都合だけを書くのではなく、相手の都合や状況も考えた内容を書いておくと、(この人は配慮ができる人だな……)ということも伝えられます。

3.伝えておくべき内容は、最初に伝えるのがルール!



最後に、どうしても書いておく必要がある希望内容はきちんと書いておきましょう。

実際に募集内容に沿ったシフトで採用となってから、

「月曜日と火曜日しか出勤できないんです……」

「16時までしか働けないんです……」

というようなことになると、思わぬトラブルに発展します。

これは、お互いにとってハッピーな結果にはなりませんので、採用されやすいように……とウソはつかずに、絶対に伝えておく必要がある内容は、最初に必ず伝えておきましょう。

また、本人希望欄で書いた内容は、面接時に確認されることが多いです。質問されたときに、きちんと答えられるようにしておきましょう。

実際には、この項目が空欄な履歴書をよく目にします。他の項目でも同じですが、履歴書に空欄があることは好ましくありません。面接の現場では、「本人希望欄が空欄の方でも、『ご本人の希望はありませんか?」と聞くといくつか出てくることがあるんですよ」という話を耳にします。内容によっては「なぜそれを書いておかなかったのか?」「何事にも準備がおろそかな人なのではないか?」とマイナスの印象を与えてしまう可能性もあります。

履歴書を準備するときは、どの項目もしっかり考えてから書くようにし、本当に自分が希望する内容が無い場合には、「特に希望する内容はありませんので、よろしくお願いします」「貴社規定に従います」のように一言を書いておくとよいでしょう。

<こちらも合わせてチェック>
履歴書:「学歴・職歴」欄の書き方
履歴書:「志望動機」欄の書き方
履歴書:「自己PR」欄の書き方
履歴書:「免許・資格」欄の書き方
履歴書:「趣味・特技」欄の書き方

<取材協力>

日下 章子(くさか あやこ)
株式会社 はたらこらぼ 代表取締役。http://www.hatacolla.jp/ 
幼少期から独立を夢見て過ごし、高校(建築家)在学中にプチ起業。商売に目覚める。高校卒業後は、いつか自分の店を持つことを目標に掲げ、接客業でアルバイトを行う。様々な店舗で多くの常連のお客様を作り高い評価を得る。独立前の修行の場として株式会社リクルートへ入社。求人媒体の営業を行う中で人材の大切さを痛感。全国展開する企業での採用担当の経験を経て、2013年1月に「はたらこらぼ」設立。地元企業から全国展開する企業まで、幅広い企業の採用や育成に携わる。




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