静岡の大学生1人1人にスポットを当て、彼らの人生・学生生活を紹介する学生図鑑in静岡! 身近にいるのに意外と知らない、静岡の大学生の活動をご紹介します。

6年間続けているテニスで日焼けした、いかにも「スポーツマン」な佐々木くん。彼を導いたのは過去、世界を股にかけて活躍した人々でした。

世界の行動に魅せられて


静岡県立大学国際関係学部国際言語文化学科3年の佐々木航です。出身地は難しいけど、生まれたのは静岡の島田です。その後すぐに引っ越して藤枝に2年、大阪に5年、藤枝に8年、湘南に3年暮らしていました。  

英語と世界史が好きで、特に20世紀の現代史や社会学系に興味を持って国際系の学部を探していました。入学時は国際関係学科で、統計の取り方やフィールドワークの行い方など社会学や行動学の勉強をしていましたが、スペインを専門に扱っている先生がいること、留学を生かしたい気持ちからゼミは国際言語文化学科にコース替えをしました。


スペイン留学中の様子1

約束の地、西へ


国際系の学部に進むならいずれは留学をすることを親と約束をしていました。将来使えそうと考えて第二言語はスペイン語を取っていたので昨年1年休学してスペインへ留学していました。サラマンカ大学とサラマンカの言語学校へ通い、文法や会話などスペイン語の使い方をメインに学びました。  

何度かあった引っ越しの経験から新しい環境に身を置くことは慣れていましたが、言葉がまったく通じないのは初めてでした。聞き取るのが大変だったので反応も遅れてしまって。最悪、英語があればなんとかなるだろうと思っていたのですが、マドリードでも通じないくらい英語は全然使えませんでした。  

20~30人くらいと寮で暮らしていたのですが、一緒に暮らしていたスペイン人から教わったり、他の国から来た人たちとは教えあったりして何度も聞いては話し、聞いては話しを繰り返してスペイン語を身につけました。  

言語の壁を乗り越えることで、適応力やコミュニケーション能力が身についたと思います。以前は知らない人と話すときはおっかなびっくり話していましたが、今ではスムーズな会話が行えるようになりました。友人関係も、今が一番充実していて人間的に成長できたのではないかと感じています。


スペイン留学中の様子2

モチベーションは趣味に注ぐ


将来やりたいことは2つあって、国際関係の研究者になりたいです。でも現実的ではないので、新聞で読んで自給率に興味を持ったから食料品の貿易をする仕事をしたい。最初は家族のことがあるから日本で働きたいです。でも家族の近くでなくても良いと思っているので静岡に残って、ある程度土台をつくってから海外に渡りたいです。  

とは言っても未来のビジョンは少なめなんです。モチベーションがあればある程、うまくいかなかったときがツラいから。燃えるよりは淡々と、冷静にやっていきたいと考えています。

取材を終えて


ゼミに入るにあたり、コースを替えた佐々木くんですが国際関係への興味は決して今も失われていません。世界史を好きになったきっかけが、「現在の国際問題に繋がっているから」と「各国の複雑に絡み合った行動から人の狡猾さや生々しさを感じて面白いと思ったから」。日本を含め世界で様々な国際問題が起きている今、過去の書物から繋がりを探る時間を作りたいと思いました。


<取材・執筆>

加部里穂子(静岡県立大学4年※取材当時)
2か月ごとにやってくる大相撲が楽しみでしょうがない。お気に入りの力士は紺のまわしの人と黒いまわしの人。

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