
ドーモプラスが注目の男子を紹介する連載企画「レコメン図」。第5回は「六本木一丁目声優學園」メンバーとして活躍中の「滝澤 諒(たきざわ・りょう)」さんが登場! 前編では7・8月に出演される「B-PROJECT on STAGE『OVER the WAVE!』」の舞台裏エピソードや、胸に抱いた目標について、熱く語っていただきました。
――ではまず、滝澤さんは「六本木一丁目声優學園(=RIVA)」のメンバーとしてユニット活動をされていますが、活動内容について教えていただけますか。
ライブ活動が中心で、月に4、5本くらいライブハウスでやらせていただいてます。あとは、声優のレッスンや、ダンス、演技のレッスンもしていて、6人全員でスキルを高め合うという感じですね。
それから、六本木一丁目声優學園にちなんで、6のつく日を中心に、WEBで生配信もしています。そこでトークの勉強もしつつ、「応援してくださる皆さんともっと交流を深めたい」っていう気持ちでも配信させていただいてます。
生配信してるときって、リアルタイムで画面に視聴者の皆さんのコメントが流れてきて、僕たちのしゃべったことに対して反応してくれるのがすごく嬉しいし、観て頂けているってこと自体も本当に有難くて……コメントをひろいながら視聴者の皆さんと交流しつつ、自分たちのトーク力も高めていけたらいいなって思いながら配信してます。
――声優としての活躍を目指すのはもちろん、歌や踊りも磨かれてるんですね。
そうですね。個人で舞台などに出演させていただく時に、ミュージカルだったりするとやっぱり歌やダンスが大事になってくるので。そういうところでも一人一人が活躍できるように、ダンスレッスンもさせてもらってるっていう感じです。
――RIVAのオーディションを受けられた時の動画を拝見したんですが、滝澤さんのダンスがすごくキレキレでびっくりしました。
いや、うれしいですね。もう、ちょっとうろ覚えなんですけど、あの時めちゃくちゃ表情とかも固まっちゃってて……今となっては、恥ずかしくて自分の中では振り返りたくない過去みたいな感じではあります(笑)。かなり緊張してたんですよね。
――そうだったんですね。髪型なども今とは少し雰囲気がちがいましたよね。
そうなんですよ。RIVAとして活動を始めて1年くらいなんですけど、お客さんの前に立つっていう意識がどんどん強くなっていく中で、髪型なんかもどうしていこうか考えるようになりましたね。もちろんダンスなどの技術も大事なんですけど、やっぱり外見も重要だなと(笑)。それで髪型とか表情とかも勉強するようになりました。
昔からダンスはやっていて、ダンスが好きだし活かしていきたいっていう思いもあったので、練習もしっかりするんですけど、人前に立つとなると、技術だけじゃなく、もっといろんな要素が必要なんだなって教えてもらった1年になりました。
――より自分と向き合うことができたわけですね。
前までの自分はわりとお節介なところがあったというか、周りの人のことが気になっちゃうタイプだったんですけど、最近はいい意味でも悪い意味でも自分のことで精いっぱいですね(苦笑)。
ありがたいことにお仕事もいただいて頑張ってるんですけど、外の現場でお仕事をさせて頂いている時って自分に足りないものがすごく明確に見えてくるんです。それをクリアしようとすると、気付けば自分と向き合ってる時間が長くなってる感じで。
そう考えると、物事への取り組み方や姿勢も変わってきましたね。もっとやらなきゃいけないことがあるのは以前から何となく感じていたんですけど、いろんな人と接することで目標がより明確になって、やるべきことも分かってきたんだと思います。
――次に、ミュージカル『スタミュ』に暁 鏡司(あかつき・きょうじ)役で出演されていましたが、稽古中のエピソードやそれにまつわる思い出があったら、聞かせていただけますか。
『スタミュ』はチームごとに分かれて話が進んでいくことが多かったんです。大きく分けると3チームあるんですけど、僕が所属していたのは「華桜会(かおうかい)」っていう5人組で。チームごとの練習が多かったので、やっぱりそのメンバーとの交流も一番深くて思い出に残ってます。
稽古中は基本的には個人で台本を読み返すことが多かったんですけど、華桜会メンバーの先輩たちが「5人で読み合わせをしよう」って言ってくださって。稽古の休憩中や稽古後の自主練の時間に、机を囲んでみんなで台本の読み合わせをするんですけど、普段1人でやってる分、5人でやってる時は全然違う感覚でした。
1人だと自分のセリフばかりを追いがちなんですけど、みんなでやると会話になるのですごく楽しいですし、個人で10回くらい台本を読み直していても、その時初めて気付けることも意外とあったりして。
――なるほど。
読み合わせ中に「あれ、ここってもしかしたら2通りの意味合いがあるんじゃないか?」って気付いた時に、キャラクターの個性やどういう人生だったのかも考えながら「僕だったらこう思う」という意見をみんなで交換しあったりして。5人でそれぞれのキャラクターを作り上げているという感覚でした。
それがすごく思い出に残ってますし、そういう5人での時間があったからこそ、自分が演じた暁くんという役柄へのより深い愛情も生まれていったので、本当にこのメンバーでやらせてもらってよかったなって思いがあります。それに、プライベートでも一緒にご飯に行くくらい仲良くなれた方もいて……すごくいい出会いをさせていただきました。
――最近もご飯に行かれたと、ブログでも書かれてましたね。
ブログ見てくださったんですね(笑)。ありがとうございます! あれは韓国料理を食べに行ったんですよ。前に連れて行ってもらったのがきっかけで、僕も韓国料理が好きになりまして。あとは、稽古中に共通の趣味もできたんです。ベイブレードなんですけど。
――ベイブレード! 意外な感じがしますね。
「やろうよ」って誘われて何となく始めたら、もうめちゃくちゃはまっちゃって。今でもご飯に行く時にはベイブレードも持って集まってやってます。すごく楽しいですよ。
――共通の趣味があると、より集まりやすいですね。
そうですね。すごく大先輩なんですけど、いい意味で距離を作らない方たちなんですよ。この出会いを大事にしたいなと思います。
――すてきな出会いに感謝ですね。現在は「B-PROJECT on STAGE『OVER the WAVE!』」寺光 遙日(てらみつ・はるひ)役の稽古に励まれているかと思いますが、手応えはいかがでしょう?(※8/6まで公演中です)
少しずつ手応えを感じています。その理由の一つとして、台本を読み込むうちに、自分が演じる寺光 遙日くんと自分自身の共通点をいくつか発見できてきたことにあると思っています。
遙日くんは「KiLLER KiNG」(通称・キラキン)というグループのメンバーで、根は単純で明るくフレンドリー、ハイテンションでイケイケな感じなんですけど、落ち込む時はすごい落ち込むっていう。けっこう感情の起伏は激しいんですけど、いい意味で分かりやすい人というか。
僕自身も人見知りではありますけど明るい方だとは思ってますし、周りの雰囲気を明るくするのも好きで、そういうところとか……共通点がたくさんあるなって感じたんです。だから、役作りの面で戸惑う部分がそれほどなくて、ありのままの自分で役に入っていける感じがすごくいいんだと思います。そして今回、自分の中で意識してやりたいことがあるんですけど、『B-PROJECT』ってメンバーが全員で14人いるので、その中で、どうやって遙日くんの個性を出していこうかな。って……
――確かにどう個性を出していくかが難しそうですよね。
例えば、明るくてノリがいい! っていうだけでも、阿修くんと王茶利くんもそうなるし……
――かぶってしまう、と。
「これはやばいぞ」と。14人の中で、遙日くんだけの個性はどうやって出していけばいいのか、そこにとても苦戦してますね。台本だけじゃ分からないところは、演出家の伊藤マサミさんにアドバイスをいただいたり、演出助手の方にもいろいろ話を聞いたりと、今はみなさんに助けられながら遙日くんを作り上げているという感じです。本番までにはより役を確立させて、遙日くんを好きな方にはもっと好きになってもらって、『B-PROJECT』を初めて観る方には「遙日くんいいな」って思ってもらえるようにしたいですね。
――ちなみに、キャラクターの特徴のお話だと、遙日くんは同じユニット内に双子の兄弟・寺光 唯月(てらみつ・ゆづき)くんがいますよね。その役作りの上で、唯月役の大海 将一郎さんとはどんな工夫をされていますか?
当たり前なんですけど本当の双子ではないし、今回の舞台が初対面だったので、どうしていくかは悩みました。明るい遙日くんと、物静かで落ち着いている唯月くんというように、双子でもキャラは全然ちがうんですよ。で、2人のうち、どちらが話や雰囲気をリードするのかというと、やっぱり遙日くんじゃないかなって。
そうなると、プライベートでも自分が明るく元気に引っ張っていくことが必要なんじゃないかと思ったので、僕は人見知りなんですけど、頑張っていろいろ話しかけたりしてます。話しているうちに大海君の性格もずいぶん分かってきました(笑)。
どんどん仲も深まってきましたし、僕にとっては先輩なんですが、いい意味で気のおけない関係にもなれたんじゃないかと感じてます。お芝居をやっていく上でも「ここはどうしていきましょう?」みたいなアプローチは自分から積極的にやるようにしていて、できるだけ双子に近づけるように、普段でも2人の時間を大事にしたいなと思っています。
――台本の読み合わせもいっしょにされたりしますか?
しますね。それこそ『スタミュ』の時に5人でやっていたように、今は2人で読み合わせることが多いです。最初はきっかけ作りとして自分が声をかけてたんですけど、いつからか自然にやるようになって。この前も早めに稽古が終わったんですが、スタジオが閉まるまでずっといっしょに台本とにらめっこしてました。2人で相談して役作りをしてるっていう感覚がありますね。
――いい関係性が築けているようで、おふたりの舞台での演技にも期待が高まります。日々稽古に励む中でも息抜きって必要なものだと思うんですが、休憩の時にはどんなことをされていますか?
稽古では毎日KiLLER KiNG(キラキン)のメンバーとして歌ったり踊ったりしているので、やっぱりキラキンの曲を聴くことが多くなるんですよ。たまには気分転換にほかの曲を聴こうかなっていう時に、最近は同じ『B-PROJECT』でも別グループの曲をよく聴いていて、それが息抜きになってますね。
全部で4グループ『B-PROJECT』に分かれてるんですけど、キラキン以外のグループの曲にも本当に好きなものがそれぞれにあって、特にMooNsさんの曲にハマってます。MooNsさんはすごく爽やかでポップな曲調で、一番若手のキラキンとはまたちがった、大人っぽいフレッシュさがあるんですよね。
THRIVEさんはロック調でかっこいいんですよ。超イケイケです。で、キタコレさんは2人組なんですけど、バラード路線でかなりセクシーな感じ。3組ともジャンルは異なるけどいい曲ばっかりなので聴いていてとても楽しいですね。もちろん稽古場でも流れているので、休憩中に聴けたらもう最高の息抜きですよ。
――グループ毎にそれぞれ楽曲にも個性があって良いですね。それに稽古場で聴けるのも、良い息抜きになりそうですね。
そうなんですよ。全体曲では「永久パラダイス」っていう曲があるんですけど、あれは絶対ハマるのでオススメです。僕が趣味で聴く音楽は今までは洋楽が結構多かったのですが、最近はキャラクターソングのキャッチーさに惹かれて、ここのところずっと聴いてます。それこそ『スタミュ』の曲も。『スタミュ』も『B-PROJECT』も自分が舞台に出させていただく前から好きだった作品なので、思い入れもあるんですよ。
――そうだったんですね。では、今後チャレンジしていきたいお仕事について聞かせていただけますか
僕は歌やダンス、お芝居などをやっていきたいと思ってるんですけど、今出演させていただいてる2.5次元というフィールドでは、それを全部やれているんです。それってすごくありがたいことだなって実感してますし、自分がそこで必要としてもらえるなら、これからもどんどん経験していきたいなと思っています。
あとは、六本木一丁目声優學園の活動で声のお仕事もさせていただいているので、どんどん勉強して経験値を積んで、そちらでも頑張っていきたいですし。今は、舞台や歌、声優と多方面で活躍されてる方も多いので、僕も自分が持っているものをそういうマルチな形で皆さんにお届けできるようになりたいなって考えています。
――そうすると、アニメで自分が声を当てたキャラクターとして、舞台やミュージカルに出演するということも……。
うわ、もうそれ本当に夢です! 声優としてアニメに出演させて頂いた役を舞台でも演じるっていうの!! あれはやってみたいなぁ。そこを目指して、ぜひ叶えていきたいなと思います。
ひとつひとつのステージに真摯に向き合う滝澤さん。稽古中のエピソードからは、思い切り楽しみながら全力で役作りに臨んでいる様子がうかがえました。後編では、楽しかったというアルバイトにまつわるお話や、高校時代のできごとについてうかがっていますのでお楽しみに!
取材・文:古原孝子
Photo:比留川義一
「応援してくださる皆さんともっと交流を深めたい」
――ではまず、滝澤さんは「六本木一丁目声優學園(=RIVA)」のメンバーとしてユニット活動をされていますが、活動内容について教えていただけますか。
ライブ活動が中心で、月に4、5本くらいライブハウスでやらせていただいてます。あとは、声優のレッスンや、ダンス、演技のレッスンもしていて、6人全員でスキルを高め合うという感じですね。
それから、六本木一丁目声優學園にちなんで、6のつく日を中心に、WEBで生配信もしています。そこでトークの勉強もしつつ、「応援してくださる皆さんともっと交流を深めたい」っていう気持ちでも配信させていただいてます。
生配信してるときって、リアルタイムで画面に視聴者の皆さんのコメントが流れてきて、僕たちのしゃべったことに対して反応してくれるのがすごく嬉しいし、観て頂けているってこと自体も本当に有難くて……コメントをひろいながら視聴者の皆さんと交流しつつ、自分たちのトーク力も高めていけたらいいなって思いながら配信してます。
――声優としての活躍を目指すのはもちろん、歌や踊りも磨かれてるんですね。
そうですね。個人で舞台などに出演させていただく時に、ミュージカルだったりするとやっぱり歌やダンスが大事になってくるので。そういうところでも一人一人が活躍できるように、ダンスレッスンもさせてもらってるっていう感じです。
――RIVAのオーディションを受けられた時の動画を拝見したんですが、滝澤さんのダンスがすごくキレキレでびっくりしました。
いや、うれしいですね。もう、ちょっとうろ覚えなんですけど、あの時めちゃくちゃ表情とかも固まっちゃってて……今となっては、恥ずかしくて自分の中では振り返りたくない過去みたいな感じではあります(笑)。かなり緊張してたんですよね。
髪型とか表情とかも勉強するようになりました。
――そうだったんですね。髪型なども今とは少し雰囲気がちがいましたよね。
そうなんですよ。RIVAとして活動を始めて1年くらいなんですけど、お客さんの前に立つっていう意識がどんどん強くなっていく中で、髪型なんかもどうしていこうか考えるようになりましたね。もちろんダンスなどの技術も大事なんですけど、やっぱり外見も重要だなと(笑)。それで髪型とか表情とかも勉強するようになりました。
昔からダンスはやっていて、ダンスが好きだし活かしていきたいっていう思いもあったので、練習もしっかりするんですけど、人前に立つとなると、技術だけじゃなく、もっといろんな要素が必要なんだなって教えてもらった1年になりました。
――より自分と向き合うことができたわけですね。
前までの自分はわりとお節介なところがあったというか、周りの人のことが気になっちゃうタイプだったんですけど、最近はいい意味でも悪い意味でも自分のことで精いっぱいですね(苦笑)。
ありがたいことにお仕事もいただいて頑張ってるんですけど、外の現場でお仕事をさせて頂いている時って自分に足りないものがすごく明確に見えてくるんです。それをクリアしようとすると、気付けば自分と向き合ってる時間が長くなってる感じで。
そう考えると、物事への取り組み方や姿勢も変わってきましたね。もっとやらなきゃいけないことがあるのは以前から何となく感じていたんですけど、いろんな人と接することで目標がより明確になって、やるべきことも分かってきたんだと思います。
『スタミュ』は、5人でそれぞれのキャラクターを作り上げているという感覚でした。
――次に、ミュージカル『スタミュ』に暁 鏡司(あかつき・きょうじ)役で出演されていましたが、稽古中のエピソードやそれにまつわる思い出があったら、聞かせていただけますか。
『スタミュ』はチームごとに分かれて話が進んでいくことが多かったんです。大きく分けると3チームあるんですけど、僕が所属していたのは「華桜会(かおうかい)」っていう5人組で。チームごとの練習が多かったので、やっぱりそのメンバーとの交流も一番深くて思い出に残ってます。
稽古中は基本的には個人で台本を読み返すことが多かったんですけど、華桜会メンバーの先輩たちが「5人で読み合わせをしよう」って言ってくださって。稽古の休憩中や稽古後の自主練の時間に、机を囲んでみんなで台本の読み合わせをするんですけど、普段1人でやってる分、5人でやってる時は全然違う感覚でした。
1人だと自分のセリフばかりを追いがちなんですけど、みんなでやると会話になるのですごく楽しいですし、個人で10回くらい台本を読み直していても、その時初めて気付けることも意外とあったりして。
――なるほど。
読み合わせ中に「あれ、ここってもしかしたら2通りの意味合いがあるんじゃないか?」って気付いた時に、キャラクターの個性やどういう人生だったのかも考えながら「僕だったらこう思う」という意見をみんなで交換しあったりして。5人でそれぞれのキャラクターを作り上げているという感覚でした。
それがすごく思い出に残ってますし、そういう5人での時間があったからこそ、自分が演じた暁くんという役柄へのより深い愛情も生まれていったので、本当にこのメンバーでやらせてもらってよかったなって思いがあります。それに、プライベートでも一緒にご飯に行くくらい仲良くなれた方もいて……すごくいい出会いをさせていただきました。
――最近もご飯に行かれたと、ブログでも書かれてましたね。
ブログ見てくださったんですね(笑)。ありがとうございます! あれは韓国料理を食べに行ったんですよ。前に連れて行ってもらったのがきっかけで、僕も韓国料理が好きになりまして。あとは、稽古中に共通の趣味もできたんです。ベイブレードなんですけど。
――ベイブレード! 意外な感じがしますね。
「やろうよ」って誘われて何となく始めたら、もうめちゃくちゃはまっちゃって。今でもご飯に行く時にはベイブレードも持って集まってやってます。すごく楽しいですよ。
――共通の趣味があると、より集まりやすいですね。
そうですね。すごく大先輩なんですけど、いい意味で距離を作らない方たちなんですよ。この出会いを大事にしたいなと思います。
ありのままの自分で役に入っていける感じ
――すてきな出会いに感謝ですね。現在は「B-PROJECT on STAGE『OVER the WAVE!』」寺光 遙日(てらみつ・はるひ)役の稽古に励まれているかと思いますが、手応えはいかがでしょう?(※8/6まで公演中です)
少しずつ手応えを感じています。その理由の一つとして、台本を読み込むうちに、自分が演じる寺光 遙日くんと自分自身の共通点をいくつか発見できてきたことにあると思っています。
遙日くんは「KiLLER KiNG」(通称・キラキン)というグループのメンバーで、根は単純で明るくフレンドリー、ハイテンションでイケイケな感じなんですけど、落ち込む時はすごい落ち込むっていう。けっこう感情の起伏は激しいんですけど、いい意味で分かりやすい人というか。
僕自身も人見知りではありますけど明るい方だとは思ってますし、周りの雰囲気を明るくするのも好きで、そういうところとか……共通点がたくさんあるなって感じたんです。だから、役作りの面で戸惑う部分がそれほどなくて、ありのままの自分で役に入っていける感じがすごくいいんだと思います。そして今回、自分の中で意識してやりたいことがあるんですけど、『B-PROJECT』ってメンバーが全員で14人いるので、その中で、どうやって遙日くんの個性を出していこうかな。って……
――確かにどう個性を出していくかが難しそうですよね。
例えば、明るくてノリがいい! っていうだけでも、阿修くんと王茶利くんもそうなるし……
――かぶってしまう、と。
「これはやばいぞ」と。14人の中で、遙日くんだけの個性はどうやって出していけばいいのか、そこにとても苦戦してますね。台本だけじゃ分からないところは、演出家の伊藤マサミさんにアドバイスをいただいたり、演出助手の方にもいろいろ話を聞いたりと、今はみなさんに助けられながら遙日くんを作り上げているという感じです。本番までにはより役を確立させて、遙日くんを好きな方にはもっと好きになってもらって、『B-PROJECT』を初めて観る方には「遙日くんいいな」って思ってもらえるようにしたいですね。
できるだけ双子に近づけるように、普段でも2人の時間を大事にしたい。
――ちなみに、キャラクターの特徴のお話だと、遙日くんは同じユニット内に双子の兄弟・寺光 唯月(てらみつ・ゆづき)くんがいますよね。その役作りの上で、唯月役の大海 将一郎さんとはどんな工夫をされていますか?
当たり前なんですけど本当の双子ではないし、今回の舞台が初対面だったので、どうしていくかは悩みました。明るい遙日くんと、物静かで落ち着いている唯月くんというように、双子でもキャラは全然ちがうんですよ。で、2人のうち、どちらが話や雰囲気をリードするのかというと、やっぱり遙日くんじゃないかなって。
そうなると、プライベートでも自分が明るく元気に引っ張っていくことが必要なんじゃないかと思ったので、僕は人見知りなんですけど、頑張っていろいろ話しかけたりしてます。話しているうちに大海君の性格もずいぶん分かってきました(笑)。
どんどん仲も深まってきましたし、僕にとっては先輩なんですが、いい意味で気のおけない関係にもなれたんじゃないかと感じてます。お芝居をやっていく上でも「ここはどうしていきましょう?」みたいなアプローチは自分から積極的にやるようにしていて、できるだけ双子に近づけるように、普段でも2人の時間を大事にしたいなと思っています。
――台本の読み合わせもいっしょにされたりしますか?
しますね。それこそ『スタミュ』の時に5人でやっていたように、今は2人で読み合わせることが多いです。最初はきっかけ作りとして自分が声をかけてたんですけど、いつからか自然にやるようになって。この前も早めに稽古が終わったんですが、スタジオが閉まるまでずっといっしょに台本とにらめっこしてました。2人で相談して役作りをしてるっていう感覚がありますね。
同じ『B-PROJECT』でも、別グループの曲を聴くことが息抜きになってます。
――いい関係性が築けているようで、おふたりの舞台での演技にも期待が高まります。日々稽古に励む中でも息抜きって必要なものだと思うんですが、休憩の時にはどんなことをされていますか?
稽古では毎日KiLLER KiNG(キラキン)のメンバーとして歌ったり踊ったりしているので、やっぱりキラキンの曲を聴くことが多くなるんですよ。たまには気分転換にほかの曲を聴こうかなっていう時に、最近は同じ『B-PROJECT』でも別グループの曲をよく聴いていて、それが息抜きになってますね。
全部で4グループ『B-PROJECT』に分かれてるんですけど、キラキン以外のグループの曲にも本当に好きなものがそれぞれにあって、特にMooNsさんの曲にハマってます。MooNsさんはすごく爽やかでポップな曲調で、一番若手のキラキンとはまたちがった、大人っぽいフレッシュさがあるんですよね。
THRIVEさんはロック調でかっこいいんですよ。超イケイケです。で、キタコレさんは2人組なんですけど、バラード路線でかなりセクシーな感じ。3組ともジャンルは異なるけどいい曲ばっかりなので聴いていてとても楽しいですね。もちろん稽古場でも流れているので、休憩中に聴けたらもう最高の息抜きですよ。
――グループ毎にそれぞれ楽曲にも個性があって良いですね。それに稽古場で聴けるのも、良い息抜きになりそうですね。
そうなんですよ。全体曲では「永久パラダイス」っていう曲があるんですけど、あれは絶対ハマるのでオススメです。僕が趣味で聴く音楽は今までは洋楽が結構多かったのですが、最近はキャラクターソングのキャッチーさに惹かれて、ここのところずっと聴いてます。それこそ『スタミュ』の曲も。『スタミュ』も『B-PROJECT』も自分が舞台に出させていただく前から好きだった作品なので、思い入れもあるんですよ。
声優としてアニメに出演させて頂いた役を舞台でも演じてみたい。
――そうだったんですね。では、今後チャレンジしていきたいお仕事について聞かせていただけますか
僕は歌やダンス、お芝居などをやっていきたいと思ってるんですけど、今出演させていただいてる2.5次元というフィールドでは、それを全部やれているんです。それってすごくありがたいことだなって実感してますし、自分がそこで必要としてもらえるなら、これからもどんどん経験していきたいなと思っています。
あとは、六本木一丁目声優學園の活動で声のお仕事もさせていただいているので、どんどん勉強して経験値を積んで、そちらでも頑張っていきたいですし。今は、舞台や歌、声優と多方面で活躍されてる方も多いので、僕も自分が持っているものをそういうマルチな形で皆さんにお届けできるようになりたいなって考えています。
――そうすると、アニメで自分が声を当てたキャラクターとして、舞台やミュージカルに出演するということも……。
うわ、もうそれ本当に夢です! 声優としてアニメに出演させて頂いた役を舞台でも演じるっていうの!! あれはやってみたいなぁ。そこを目指して、ぜひ叶えていきたいなと思います。
ひとつひとつのステージに真摯に向き合う滝澤さん。稽古中のエピソードからは、思い切り楽しみながら全力で役作りに臨んでいる様子がうかがえました。後編では、楽しかったというアルバイトにまつわるお話や、高校時代のできごとについてうかがっていますのでお楽しみに!
取材・文:古原孝子
Photo:比留川義一
