
ドーモプラスがブレイク期待のアーティストを定期的に紹介!今回は、昨年度HAMMER EGGに出演を果たし、MAGIC OF LiFE等と同じステージに立った“アマリリス”、『TREASURE05X2016』に出演を果たし、未確認フェスティバル2015ファイナリストから大きな飛躍を見せた“RED DOG”のボーカル対談をお届け。2016年は同世代バンドの盟友“QoN”と共にレコ発ツアーを行い大成功をおさめた彼ら。2017年の音楽シーンを引っ張っていくことになるであろう2組の素顔に迫りました。
――両バンド共に激動の2016年だったかと思うのですが、振り返ってみていかがですか?
二本柳:そうっすねー。3月に初めてワンマンライブをやったのが大きかったですかね。今までのライブだと、対バンするバンド目当てで来るお客さんが多かったんです。でも、ワンマンってなると僕らのことを見に来るお客さんだけじゃないですか。それで箱がパンパンになったっていう事実が、めちゃくちゃ嬉しかったですね。それがいい活力になって、この1年を走ってこれたかなって思います。
――RED DOGはどうでした?
おかでぃー: RED DOGは、ツアーを回ったのが大きかったですね。昨年の2月に初めてアルバムをだして、そのツアーで初めて東京や大阪に行って視野が広がったというか。横浜のブッキングは、わりと柳(二本柳)が組んでくれたりとかしたんです。その次のツアーがアマリリス・QoNと回った3バンドレコ発ツアーですね。お風呂場で柳に電話しながら「一緒にツアーやらないか」って誘ったんですよ。そしたら「やりたい!」って言ってくれて。2バンドともQoNと仲良かったので誘うことになったんです。
そのツアーが実際に成功して、東京で仲間のバンドとツアーファイナルをやるっていうのはなんだろ…。名古屋のバンドマンじゃやってないことだから、それが自信にもなりましたね。夏には『TREASURE05X2016』ってイベントにも出させてもらって、そこからまた視野が広がって。2016年のラストツアーをいま回ってるんですけど、それのファイナルがアマリリスも大きな力になったって言ってたワンマンライブ。初めてワンマンライブをやるので、そこからまた視野が広がると思うとすごくワクワクしています。お互い200くらいのキャパの箱だよね。
二本柳:そうだね。
――若手のバンドで200のキャパを埋められたら上出来じゃないですか?
おかでぃー:そうですね。僕らのことを知ってる、好き、あるいはなんだろ…。酔いしれてるみたいなお客さんだけで、いつも対バンとかをやってるライブハウスが埋まるって考えると夢がありすぎる。
二本柳:やばいよね。
――先ほど RED DOG・アマリリス・QoNの3バンドでレコ発ツアーを行ったという話がでてきたと思うのですが、印象深い思い出などありましたか?
二本柳:印象深い思い出か…、どっからどこまでもやばいけど(笑)。全部話せそうだね。
おかでぃー:でもツアーファイナルの日が1番気持ちも入ってたし、打ち上げもすごい楽しかったなぁ。もう、本当にみんなやばかったですね。あれほど楽しい打ち上げはなかったんじゃないかな…。思い出はいっぱいありますけど。
二本柳:ホームなメンバーに囲まれた感じの RED DOGとライブするのは、このツアーの名古屋編がたぶん初めてで。前も名古屋で対バンしたことがあるけど、その時よりも「こいつらって、やっぱすげぇんだな」って思うことが多かった。
おかでぃー:いやぁー、嬉しいなぁ。
二本柳:思わず動画撮っちゃったもんね。
おかでぃー:あの日はね、本当にみんなすごかった。
二本柳:これから、お互いに名前も覚えてもらえるようになっていって、 RED DOGが名古屋で作った景色を東京でもつくれるようになったらいいよね。
おかでぃー:そうだね。
二本柳:僕たちも名古屋で、東京と同じようなことをできるようになったらいいなって思う。早く全国に向けてやっていきたいなって思いますね。楽しかっただけに。
おかでぃー:僕は楽しい思い出もたくさんあったんですけど、すごい“ライバル”っていうのも感じましたね。僕たちジャンルも本当に伝えたいことも、お客さんの乗せ方もライブのスタイルも全然違うんですよ。一緒にツアーを回る中で僕らもライブ毎に違った姿を見せれたと思うし、アマリリスとQoNの姿を見て意識を高められたというか。最終日は「東京でも名古屋のバンドやれるぜ!」みたいなの見せてやろうと思って、気合が入ったし(笑)。そういう面では、すげぇライバルなんだなって思いました。仲良しだけじゃなくてね。
――お互いに切磋琢磨しあってるんですね。
二本柳:さっき言ったように3バンドとも本当に違うから「あいつら、俺達にはないものを持ってるな」ってやっぱり意識しますね。それぞれがないものを持ってるから、お互いに羨ましく思ってるんですよ。だけど、3バンドでライブを重ねていくごとに、それでいいんじゃないかなってなりました(笑)。それぞれ全然違うけれど、それぞれいいし。僕たちも自分たちのこといいと思ってる。それぞれの魅力を一緒に出せる日があるから、めちゃめちゃいいことが起きるっていうか。違う路線だけど、こうやってこれからも一緒にやりたいなぁ、って超思います。
おかでぃー:本当だね。
―― RED DOGから見たアマリリスって、どんなバンドですか?
おかでぃー:わぁ、すげぇ難しいっすわ(笑)んー、なんだろうなぁ…。楽曲もそうですし、音楽に対する気持ちも僕らとすごく違う。僕らって割と直球ストレートな感じの曲を作るんですけど、彼らの曲は芸術っぽいというか。音楽で自分を表現する楽曲が多いなって、僕は思ってて。だから全然ライブの仕方も違うし。アマリリスは曲にサックスをいれたりとかピアノが入ったりとかしますし、聞いてきた音楽も全然違うんじゃないかな。柳とは出会ってから1年半くらいになるんですけど、初めて会った時からすごい意気投合して(笑)。 RED DOGから見たアマリリスは、1番仲良しで1番尊敬しているバンドなのかもしれないですね。僕らにはないものを持ってる、自分らにはできないことをしている、っていう。だから、一緒にツアーを回ったりとかもするんだと思います。
――似てるからこそ惹かれあうというよりは、違うからこそ認め合ってるんですね。
おかでぃー:バンドは全然違います。彼とは似てますけどね、僕は(笑)
二本柳:人間としては、似てるんだけどね(笑)
おかでぃー:僕と柳は、私生活がすごい似てるんですよ。恋愛の話とかすると、本当に似てて。あとは、どうしようもないくらいバカなところですかね(笑)
二本柳:僕たちは頭悪いよね(笑)
おかでぃー:根が真面目なのは一緒なんですけど、楽しくなっちゃうと酔いしれちゃう人たちなんで。二人とも。
――アマリリスから見たRED DOGって、どういうバンドですか?
二本柳:RED DOGのライブって、おかでぃー(岡田)がいいときはめっちゃいいし、逆におかでぃーが凹んでる時は結構ダメだったりするんですよ(笑)。アマリリスは人の調子に関係ない音楽をやるバンドだから、時々自分らで伝えるってことを忘れがちになるときがあって「伝えるってなんだろう」って思うときがあるんです。だけどRED DOGはフロントマンの気持ちがまっすぐに伝わってくるバンドで、そういうバンドって全然知らないなぁって思いますね。
おかでぃーを見てると「こんなに自分のこと正直に話していいんだな」って。それをメンバーも知ってライブをしてるのが伝わってくる。シンヤ( Drums)の顔とか見てるとすごいわかりやすいよね。おかでぃーが「やんぞ!」ってこの気持ちを前に出したときのシンヤの顔は、めちゃめちゃマジだし。
おかでぃー:へぇー。そうなんだ(笑)
二本柳:そうそうそう。それに合わせてユキヤ( Guitar)もすごいギターがエモくなったりするし、ユウキ( Bass)はいつも安定して「うぉーい!」って言ってるけど(笑)そういうところも含めて最高だし、本当にいいフロントマンとそれを支えるいいメンバーっていうか。バランスがいいなぁって。
おかでぃー:ありがとうございます(笑)
二本柳:だから負けないようにしないとなぁ、って思います。
おかでぃー:本当に俺が病んでる時は、本当にライブ良くないもんね(笑)
二本柳:本当にね、まじでね(笑)
おかでぃー:「もう音楽しかない!」とか思っちゃうと、逆にいいライブになったりするんですけどね(笑)
二本柳:俺から見たRED DOGは、おかでぃーの人間味が前面に出てる感覚があるバンド。俺たちは人間性をあんまり出さないバンドだから、正直なのがかっこいいバンドだなって思います。
――では3バンドレコ発ツアーを一緒に回った”QoN”ってどんなバンドですか?
おかでぃー:QoNはエモーショナルで、普通にかっこいい。ジャンプの主人公のドラマを描いたようなバンドですね。僕ら「情熱と愛嬌をエモーショナルにライブでだす」っていうのを心がけてるんですけど、彼らも結構そういう感じが似てて。その中にもすごい暖かさがあると思いますね。ホームな感じがあるバンド。あと、わりと夢を語るようなバンドなんで、そこも僕らと似てるなと思います。似てるというか伝えたいメッセージが近いかなって。「夢を追いかけることって恥ずかしくないんだよ。俺らがここで歌えてるのは、みんなのおかげだから!」っていう気持ちが素直にメンバーみんなから出てる、すごく素敵なバンドだと思ってます。
二本柳:QoNは同じ横浜なのでRED DOGよりも若干付き合いが長いんですけど、本当に熱いバンドですね。QoNとRED DOGって似てる部分もあるんだけど、俺僕の視点だとちょっと違うなって感じるところもあって。QoNはあらゆるマイナスも、全部プラスとして放出するバンドなんですよ。マイナスなことは、あいつらからは微塵も感じられないじゃないですか。
「落ち込んでる?」みたいなことを、たぶん誰もあいつらには聞かないと思う。あいつらがどんなに凹んでる時期だったとしても、それを誰にも気づかせないレベルでプラスのエネルギーが出てて。嫌なことがあっても超ポジティブなバンドでいるっていう覚悟が、カズノリ(Vo.)を中心とした全体のオーラから出てますよね。夢とか友情とかを全面的に、そういうことを1番に伝えたいんだっていう姿勢が。それがあいつらのすげえ強みだなぁ、って思ってます。RED DOGは、マイナスはマイナスとしてちゃんと出すよね。
おかでぃー:すべてにおいて素直(笑)。やっぱ違うかもしれないね、全然。
二本柳:あいつらが正直じゃないとかじゃなくて、マイナスエネルギーをかき消すレベルのプラスエネルギーを出すからキラキラしてる。それが音にも出てるしね。キラキラしてるってところを目標にするとしたら、あいつらが1番そこに近いとこにいる存在だなって。なんというかスター。バンドだけど、スターって感じ。
おかでぃー:しますね、確かに彼らは。
――いま現在、働きつつバンド活動をしていると思うのですが、どんなアルバイトをしていますか?
二本柳:大きくない仕事だけど、ちらほらアイドルの楽曲提供を始めようとしてます。すでに1曲だけ、バラードを提供しました。音楽家だから、そういうところで勝負をしたいなぁって思ってます。
――やはり働きつつのバンド活動は大変ですか?
おかでぃー:だいぶ大変ですよ。アルバイトの勤務形態って、固定とか融通がきくがとか色々あるじゃないですか。固定だと、そこにライブが入ったりすると融通をきいてもらわなきゃいけなくかったりするから、ちょっと申し訳ない気持ちもあったり…。そういうところでもちょっと大変ですね。働く面でも「稼がなきゃいけない」っていうのもあるので大変なんですけど。
でもお客さんが応援してくれてライブに来てくれたりとかして。グッズやCDを買っていく姿を見ると「まだまだ頑張れちゃうかなぁ」みたいな(笑)正直、かっこつけてこういうことを言っているのではなくて、実際にそう感じますね。
――もしバンドをしていなかったら、何をやっていたと思いますか?
おかでぃー:僕んち実家がペンキ屋で、お父さんが塗装業をやってるんです。なので、もしバンドがなかったら、たぶん塗装業を継いでましたね。今でも仕事を手伝いに行くんですよ。昔からお父さんのそういう姿を見てきたので好きなんですよね、ペンキを塗る仕事が。手伝いに行くのも苦じゃないし、楽しくやらせてもらってるので。
――二本柳さんは何をしていたと思いますか?
二本柳:そうだなぁ…。やりたいことは色々あるけど、人と話す仕事が好きかも。
おかでぃー:僕は、あんまり好きじゃないや(笑)
二本柳:今のバイト先で、接客も調理も裏方の事務仕事も一通りやってて。事務仕事も嫌いじゃないんですけど、やっぱり人と話すのは楽しいなぁって思いますね。イベントオーガナイザーとかやってみたい。たとえば、泡パーティーとか!そういう無条件に楽しいイベントをたくさん作ってみたいなぁって思います。人と話すことが楽しいっていうのを自分が知っているから、楽しい顔になってくれる人たちを集めるような仕事がいいですね。
――バンドにバイトに学校にと大忙しだと思うのですが、時間を上手く使うコツとかあったりしますか?
二本柳:時間配分的に寝れない日があると、2日を1日と見るようにしてます(笑)もう24時間じゃなくて48時間を1日と思っちゃう。
おかでぃー:すげぇ…。
二本柳:そうすればけっこう平気だったり。
おかでぃー:僕は時間を使うのがへたくそですね。1個終わったら、また次に行く!みたいな感じの人間なので、時間のうまい使い方はわかりません(笑)
二本柳:あと、人に任せられることはガンガン任せることですかね。
おかでぃー:僕はとりあえず、全部自分でやろうとするタイプだわ(笑)
二本柳:僕もそうだった(笑)それでキャパオーバーになって、失敗しちゃうんだよね。
おかでぃー:知らないうちに無理してるんですよね…。
二本柳:キャパシティーに気づかないよね(笑)
おかでぃー:よく周りに「無理しないでね!」って言われますもん。でも自分では無理してると思ってないんですよね。周りからはそう見えてるのかもしれないですけど。
二本柳:「がんばってるよね。」って言われると、は!ってなる。普通なんですよ、ライフワークだし。学生やりながら、バイトやりながらバンドやるのが、僕にとっては普通のことなので全くなんとも思わなくて。
おかでぃー:無理してるくらいが頑張ってることだなって自分では思っちゃう。
二本柳:「バンド頑張ってるよね」って地元の友達に会ったりすると言われるんですけど、僕からしたら「普通だし!」みたいな。「就活を頑張ってるほうが頑張ってるって思うんですよね。やらなきゃいけないこといっぱいありますけど、それにしたって飲食業を経営するよりは楽だと思うし。そう思うとなんか頑張れちゃう。時間の使い方は、やっぱり人に投げて。人を上手く使うことだと思います、やっぱり僕は。
――では最後に、2017年の抱負をどうぞ。
二本柳:「バンドだからライブハウスに出る」みたいな固定概念がめちゃくちゃ多いと思うんです。だけど、1番音楽が聴かれてるところってライブハウスじゃなくて日常なんですよね。テレビだったりBGMだったり。知らない間に聴いてるってことが1番多いと思うので、そういうところにいられるようにしたいなと思ってます。だから、ライブハウス以外の場所でも演奏をしたいなと。
どんなところでも必要とされるバンドでいたいですね。ライブハウスじゃなくてもライブができるのは、アマリリスならではだと思うので。そういう僕たちにしかできないことを、2017年はやっていきたいです。CDももっと出していくので楽しみにしててください。
おかでぃー:2016年のRED DOGは2015年の未確認フェスティバルを経て、全国の少しでも俺らのことを知ってもらった人に会いに行く・歌いにいくっていうことをしていました。新しいCDを出して、新しい部分を自分たちで作ったというか。2017年は形にしてアルバムにして、名古屋だけじゃなくて全国に向けてCDを出せるようにしていこうと思ってます。それで、今までよりもっと大きい規模でツアーを回って。ワンマンライブのキャパももっと広げていきたいなと思います。東京でも2017年は、企画をできるようにしていきたいですね。
二本柳:僕たちは、これからもずっと仲良く!
おかでぃー:もっとでかいところで!
――今後、レコ発ツアーをした3バンドを、もっと大きい箱で見れますかね?
おかでぃー:3バンドの前にRED DOGとアマリリスで絶対に2マンやるって話をしてるので。場所は、横浜の彼らのホーム“横浜BAY JUNGLE”。僕らの地元の名古屋でも2マンをやるって話をしてます。そこも大事かな、QoNも大事だけど(笑)。いまアマリリスとRED DOGを好きでいてくれてるお客さんは、間違いじゃないと思っていただいていいと思います。
「RED DOG」と「アマリリス」ともに今後の音楽シーンを引っ張っていくであろう2組。今からチェックしておけば間違いない彼らのライブに、ぜひ一度足を運んでみてください。
取材・文:坂井彩花
すげぇライバルなんだなって思いました。仲良しだけじゃなくてね。(おかでぃー)
――両バンド共に激動の2016年だったかと思うのですが、振り返ってみていかがですか?
二本柳:そうっすねー。3月に初めてワンマンライブをやったのが大きかったですかね。今までのライブだと、対バンするバンド目当てで来るお客さんが多かったんです。でも、ワンマンってなると僕らのことを見に来るお客さんだけじゃないですか。それで箱がパンパンになったっていう事実が、めちゃくちゃ嬉しかったですね。それがいい活力になって、この1年を走ってこれたかなって思います。
――RED DOGはどうでした?
おかでぃー: RED DOGは、ツアーを回ったのが大きかったですね。昨年の2月に初めてアルバムをだして、そのツアーで初めて東京や大阪に行って視野が広がったというか。横浜のブッキングは、わりと柳(二本柳)が組んでくれたりとかしたんです。その次のツアーがアマリリス・QoNと回った3バンドレコ発ツアーですね。お風呂場で柳に電話しながら「一緒にツアーやらないか」って誘ったんですよ。そしたら「やりたい!」って言ってくれて。2バンドともQoNと仲良かったので誘うことになったんです。
そのツアーが実際に成功して、東京で仲間のバンドとツアーファイナルをやるっていうのはなんだろ…。名古屋のバンドマンじゃやってないことだから、それが自信にもなりましたね。夏には『TREASURE05X2016』ってイベントにも出させてもらって、そこからまた視野が広がって。2016年のラストツアーをいま回ってるんですけど、それのファイナルがアマリリスも大きな力になったって言ってたワンマンライブ。初めてワンマンライブをやるので、そこからまた視野が広がると思うとすごくワクワクしています。お互い200くらいのキャパの箱だよね。
二本柳:そうだね。
――若手のバンドで200のキャパを埋められたら上出来じゃないですか?
おかでぃー:そうですね。僕らのことを知ってる、好き、あるいはなんだろ…。酔いしれてるみたいなお客さんだけで、いつも対バンとかをやってるライブハウスが埋まるって考えると夢がありすぎる。
二本柳:やばいよね。
――先ほど RED DOG・アマリリス・QoNの3バンドでレコ発ツアーを行ったという話がでてきたと思うのですが、印象深い思い出などありましたか?
二本柳:印象深い思い出か…、どっからどこまでもやばいけど(笑)。全部話せそうだね。
おかでぃー:でもツアーファイナルの日が1番気持ちも入ってたし、打ち上げもすごい楽しかったなぁ。もう、本当にみんなやばかったですね。あれほど楽しい打ち上げはなかったんじゃないかな…。思い出はいっぱいありますけど。
二本柳:ホームなメンバーに囲まれた感じの RED DOGとライブするのは、このツアーの名古屋編がたぶん初めてで。前も名古屋で対バンしたことがあるけど、その時よりも「こいつらって、やっぱすげぇんだな」って思うことが多かった。
おかでぃー:いやぁー、嬉しいなぁ。
二本柳:思わず動画撮っちゃったもんね。
おかでぃー:あの日はね、本当にみんなすごかった。
二本柳:これから、お互いに名前も覚えてもらえるようになっていって、 RED DOGが名古屋で作った景色を東京でもつくれるようになったらいいよね。
おかでぃー:そうだね。
二本柳:僕たちも名古屋で、東京と同じようなことをできるようになったらいいなって思う。早く全国に向けてやっていきたいなって思いますね。楽しかっただけに。
おかでぃー:僕は楽しい思い出もたくさんあったんですけど、すごい“ライバル”っていうのも感じましたね。僕たちジャンルも本当に伝えたいことも、お客さんの乗せ方もライブのスタイルも全然違うんですよ。一緒にツアーを回る中で僕らもライブ毎に違った姿を見せれたと思うし、アマリリスとQoNの姿を見て意識を高められたというか。最終日は「東京でも名古屋のバンドやれるぜ!」みたいなの見せてやろうと思って、気合が入ったし(笑)。そういう面では、すげぇライバルなんだなって思いました。仲良しだけじゃなくてね。
――お互いに切磋琢磨しあってるんですね。
二本柳:さっき言ったように3バンドとも本当に違うから「あいつら、俺達にはないものを持ってるな」ってやっぱり意識しますね。それぞれがないものを持ってるから、お互いに羨ましく思ってるんですよ。だけど、3バンドでライブを重ねていくごとに、それでいいんじゃないかなってなりました(笑)。それぞれ全然違うけれど、それぞれいいし。僕たちも自分たちのこといいと思ってる。それぞれの魅力を一緒に出せる日があるから、めちゃめちゃいいことが起きるっていうか。違う路線だけど、こうやってこれからも一緒にやりたいなぁ、って超思います。
おかでぃー:本当だね。
1番仲良しで1番尊敬しているバンドなのかもしれない(おかでぃー)
―― RED DOGから見たアマリリスって、どんなバンドですか?
おかでぃー:わぁ、すげぇ難しいっすわ(笑)んー、なんだろうなぁ…。楽曲もそうですし、音楽に対する気持ちも僕らとすごく違う。僕らって割と直球ストレートな感じの曲を作るんですけど、彼らの曲は芸術っぽいというか。音楽で自分を表現する楽曲が多いなって、僕は思ってて。だから全然ライブの仕方も違うし。アマリリスは曲にサックスをいれたりとかピアノが入ったりとかしますし、聞いてきた音楽も全然違うんじゃないかな。柳とは出会ってから1年半くらいになるんですけど、初めて会った時からすごい意気投合して(笑)。 RED DOGから見たアマリリスは、1番仲良しで1番尊敬しているバンドなのかもしれないですね。僕らにはないものを持ってる、自分らにはできないことをしている、っていう。だから、一緒にツアーを回ったりとかもするんだと思います。
――似てるからこそ惹かれあうというよりは、違うからこそ認め合ってるんですね。
おかでぃー:バンドは全然違います。彼とは似てますけどね、僕は(笑)
二本柳:人間としては、似てるんだけどね(笑)
おかでぃー:僕と柳は、私生活がすごい似てるんですよ。恋愛の話とかすると、本当に似てて。あとは、どうしようもないくらいバカなところですかね(笑)
二本柳:僕たちは頭悪いよね(笑)
おかでぃー:根が真面目なのは一緒なんですけど、楽しくなっちゃうと酔いしれちゃう人たちなんで。二人とも。
正直なのがかっこいいバンドだなって(二本柳)
――アマリリスから見たRED DOGって、どういうバンドですか?
二本柳:RED DOGのライブって、おかでぃー(岡田)がいいときはめっちゃいいし、逆におかでぃーが凹んでる時は結構ダメだったりするんですよ(笑)。アマリリスは人の調子に関係ない音楽をやるバンドだから、時々自分らで伝えるってことを忘れがちになるときがあって「伝えるってなんだろう」って思うときがあるんです。だけどRED DOGはフロントマンの気持ちがまっすぐに伝わってくるバンドで、そういうバンドって全然知らないなぁって思いますね。
おかでぃーを見てると「こんなに自分のこと正直に話していいんだな」って。それをメンバーも知ってライブをしてるのが伝わってくる。シンヤ( Drums)の顔とか見てるとすごいわかりやすいよね。おかでぃーが「やんぞ!」ってこの気持ちを前に出したときのシンヤの顔は、めちゃめちゃマジだし。
おかでぃー:へぇー。そうなんだ(笑)
二本柳:そうそうそう。それに合わせてユキヤ( Guitar)もすごいギターがエモくなったりするし、ユウキ( Bass)はいつも安定して「うぉーい!」って言ってるけど(笑)そういうところも含めて最高だし、本当にいいフロントマンとそれを支えるいいメンバーっていうか。バランスがいいなぁって。
おかでぃー:ありがとうございます(笑)
二本柳:だから負けないようにしないとなぁ、って思います。
おかでぃー:本当に俺が病んでる時は、本当にライブ良くないもんね(笑)
二本柳:本当にね、まじでね(笑)
おかでぃー:「もう音楽しかない!」とか思っちゃうと、逆にいいライブになったりするんですけどね(笑)
二本柳:俺から見たRED DOGは、おかでぃーの人間味が前面に出てる感覚があるバンド。俺たちは人間性をあんまり出さないバンドだから、正直なのがかっこいいバンドだなって思います。
なんというかスター。バンドだけど、スターって感じ(二本柳)
――では3バンドレコ発ツアーを一緒に回った”QoN”ってどんなバンドですか?
おかでぃー:QoNはエモーショナルで、普通にかっこいい。ジャンプの主人公のドラマを描いたようなバンドですね。僕ら「情熱と愛嬌をエモーショナルにライブでだす」っていうのを心がけてるんですけど、彼らも結構そういう感じが似てて。その中にもすごい暖かさがあると思いますね。ホームな感じがあるバンド。あと、わりと夢を語るようなバンドなんで、そこも僕らと似てるなと思います。似てるというか伝えたいメッセージが近いかなって。「夢を追いかけることって恥ずかしくないんだよ。俺らがここで歌えてるのは、みんなのおかげだから!」っていう気持ちが素直にメンバーみんなから出てる、すごく素敵なバンドだと思ってます。
二本柳:QoNは同じ横浜なのでRED DOGよりも若干付き合いが長いんですけど、本当に熱いバンドですね。QoNとRED DOGって似てる部分もあるんだけど、俺僕の視点だとちょっと違うなって感じるところもあって。QoNはあらゆるマイナスも、全部プラスとして放出するバンドなんですよ。マイナスなことは、あいつらからは微塵も感じられないじゃないですか。
「落ち込んでる?」みたいなことを、たぶん誰もあいつらには聞かないと思う。あいつらがどんなに凹んでる時期だったとしても、それを誰にも気づかせないレベルでプラスのエネルギーが出てて。嫌なことがあっても超ポジティブなバンドでいるっていう覚悟が、カズノリ(Vo.)を中心とした全体のオーラから出てますよね。夢とか友情とかを全面的に、そういうことを1番に伝えたいんだっていう姿勢が。それがあいつらのすげえ強みだなぁ、って思ってます。RED DOGは、マイナスはマイナスとしてちゃんと出すよね。
おかでぃー:すべてにおいて素直(笑)。やっぱ違うかもしれないね、全然。
二本柳:あいつらが正直じゃないとかじゃなくて、マイナスエネルギーをかき消すレベルのプラスエネルギーを出すからキラキラしてる。それが音にも出てるしね。キラキラしてるってところを目標にするとしたら、あいつらが1番そこに近いとこにいる存在だなって。なんというかスター。バンドだけど、スターって感じ。
おかでぃー:しますね、確かに彼らは。
グッズやCDを買っていく姿を見ると「まだまだ頑張れちゃうかなぁ」みたいな(おかでぃー)
――いま現在、働きつつバンド活動をしていると思うのですが、どんなアルバイトをしていますか?
二本柳:大きくない仕事だけど、ちらほらアイドルの楽曲提供を始めようとしてます。すでに1曲だけ、バラードを提供しました。音楽家だから、そういうところで勝負をしたいなぁって思ってます。
――やはり働きつつのバンド活動は大変ですか?
おかでぃー:だいぶ大変ですよ。アルバイトの勤務形態って、固定とか融通がきくがとか色々あるじゃないですか。固定だと、そこにライブが入ったりすると融通をきいてもらわなきゃいけなくかったりするから、ちょっと申し訳ない気持ちもあったり…。そういうところでもちょっと大変ですね。働く面でも「稼がなきゃいけない」っていうのもあるので大変なんですけど。
でもお客さんが応援してくれてライブに来てくれたりとかして。グッズやCDを買っていく姿を見ると「まだまだ頑張れちゃうかなぁ」みたいな(笑)正直、かっこつけてこういうことを言っているのではなくて、実際にそう感じますね。
――もしバンドをしていなかったら、何をやっていたと思いますか?
おかでぃー:僕んち実家がペンキ屋で、お父さんが塗装業をやってるんです。なので、もしバンドがなかったら、たぶん塗装業を継いでましたね。今でも仕事を手伝いに行くんですよ。昔からお父さんのそういう姿を見てきたので好きなんですよね、ペンキを塗る仕事が。手伝いに行くのも苦じゃないし、楽しくやらせてもらってるので。
――二本柳さんは何をしていたと思いますか?
二本柳:そうだなぁ…。やりたいことは色々あるけど、人と話す仕事が好きかも。
おかでぃー:僕は、あんまり好きじゃないや(笑)
二本柳:今のバイト先で、接客も調理も裏方の事務仕事も一通りやってて。事務仕事も嫌いじゃないんですけど、やっぱり人と話すのは楽しいなぁって思いますね。イベントオーガナイザーとかやってみたい。たとえば、泡パーティーとか!そういう無条件に楽しいイベントをたくさん作ってみたいなぁって思います。人と話すことが楽しいっていうのを自分が知っているから、楽しい顔になってくれる人たちを集めるような仕事がいいですね。
人に投げて。人を上手く使うことだと思います(二本柳)
――バンドにバイトに学校にと大忙しだと思うのですが、時間を上手く使うコツとかあったりしますか?
二本柳:時間配分的に寝れない日があると、2日を1日と見るようにしてます(笑)もう24時間じゃなくて48時間を1日と思っちゃう。
おかでぃー:すげぇ…。
二本柳:そうすればけっこう平気だったり。
おかでぃー:僕は時間を使うのがへたくそですね。1個終わったら、また次に行く!みたいな感じの人間なので、時間のうまい使い方はわかりません(笑)
二本柳:あと、人に任せられることはガンガン任せることですかね。
おかでぃー:僕はとりあえず、全部自分でやろうとするタイプだわ(笑)
二本柳:僕もそうだった(笑)それでキャパオーバーになって、失敗しちゃうんだよね。
おかでぃー:知らないうちに無理してるんですよね…。
二本柳:キャパシティーに気づかないよね(笑)
おかでぃー:よく周りに「無理しないでね!」って言われますもん。でも自分では無理してると思ってないんですよね。周りからはそう見えてるのかもしれないですけど。
二本柳:「がんばってるよね。」って言われると、は!ってなる。普通なんですよ、ライフワークだし。学生やりながら、バイトやりながらバンドやるのが、僕にとっては普通のことなので全くなんとも思わなくて。
おかでぃー:無理してるくらいが頑張ってることだなって自分では思っちゃう。
二本柳:「バンド頑張ってるよね」って地元の友達に会ったりすると言われるんですけど、僕からしたら「普通だし!」みたいな。「就活を頑張ってるほうが頑張ってるって思うんですよね。やらなきゃいけないこといっぱいありますけど、それにしたって飲食業を経営するよりは楽だと思うし。そう思うとなんか頑張れちゃう。時間の使い方は、やっぱり人に投げて。人を上手く使うことだと思います、やっぱり僕は。
いまアマリリスとRED DOGを好きでいてくれてるお客さんは、間違いじゃない(おかでぃー)
――では最後に、2017年の抱負をどうぞ。
二本柳:「バンドだからライブハウスに出る」みたいな固定概念がめちゃくちゃ多いと思うんです。だけど、1番音楽が聴かれてるところってライブハウスじゃなくて日常なんですよね。テレビだったりBGMだったり。知らない間に聴いてるってことが1番多いと思うので、そういうところにいられるようにしたいなと思ってます。だから、ライブハウス以外の場所でも演奏をしたいなと。
どんなところでも必要とされるバンドでいたいですね。ライブハウスじゃなくてもライブができるのは、アマリリスならではだと思うので。そういう僕たちにしかできないことを、2017年はやっていきたいです。CDももっと出していくので楽しみにしててください。
おかでぃー:2016年のRED DOGは2015年の未確認フェスティバルを経て、全国の少しでも俺らのことを知ってもらった人に会いに行く・歌いにいくっていうことをしていました。新しいCDを出して、新しい部分を自分たちで作ったというか。2017年は形にしてアルバムにして、名古屋だけじゃなくて全国に向けてCDを出せるようにしていこうと思ってます。それで、今までよりもっと大きい規模でツアーを回って。ワンマンライブのキャパももっと広げていきたいなと思います。東京でも2017年は、企画をできるようにしていきたいですね。
二本柳:僕たちは、これからもずっと仲良く!
おかでぃー:もっとでかいところで!
――今後、レコ発ツアーをした3バンドを、もっと大きい箱で見れますかね?
おかでぃー:3バンドの前にRED DOGとアマリリスで絶対に2マンやるって話をしてるので。場所は、横浜の彼らのホーム“横浜BAY JUNGLE”。僕らの地元の名古屋でも2マンをやるって話をしてます。そこも大事かな、QoNも大事だけど(笑)。いまアマリリスとRED DOGを好きでいてくれてるお客さんは、間違いじゃないと思っていただいていいと思います。
「RED DOG」と「アマリリス」ともに今後の音楽シーンを引っ張っていくであろう2組。今からチェックしておけば間違いない彼らのライブに、ぜひ一度足を運んでみてください。
取材・文:坂井彩花