「主婦として培ってきた調理スキルを活かしたい」「親の介護の経験が活きるのでは」と考えて、介護施設での調理補助に興味を持っている人もいるのではないでしょうか。
介護施設での調理補助として働くなら、具体的な仕事内容や他の調理補助との違い、向いている人の特徴を事前に確認しておくことが重要です。
この記事では介護施設での調理補助について詳しく解説するので、参考にしてみてください。
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介護施設での調理補助の仕事内容は?
まずは、介護施設での調理補助の仕事内容を解説します。
他の調理補助との違いや、調理補助として働くために必要な資格の有無についても解説するので、仕事に対する理解度を深めていきましょう。
・食材の下処理や盛り付けなど、調理のサポートをする
介護施設の調理補助では、食材の下処理や盛り付け、食器類の用意や片付け、調理場の掃除などをします。
調理をメインで担当する人は他にいるので、スムーズに調理できるようサポートすることが主な仕事です。
たとえば食材の下処理では野菜の皮を剥いたり、食材を切ったり茹でたりします。
また、調味料の計量や調理済みの料理の加熱などもするので、サポートといえども料理の出来栄えに影響する作業も仕事に含まれます。
・介護施設とその他の場所での調理補助の違い
介護施設での調理補助では、一般的な調理補助に比べて細かい作業が求められたり、食材の下処理の工程が多かったりする傾向があります。
介護施設の場合、料理を食べるのは高齢者です。
したがって、食材を通常より細かく刻んだり柔らかくなるよう煮混んだりする作業が多くなるのです。
また、入所者に合わせて流動食にしたり、塩分やカロリーを調整したりといったことにも対応します。
こうした「高齢者が食べることを考慮した調理補助」が必要になる点は、介護施設ならではといえます。
・介護施設の調理補助は無資格でも可能|主婦の経験を活かせる
介護施設の調理補助は、資格がなくてもできます。
ある程度の調理スキルは求められますが、主婦として日常的に調理しているのであれば経験を活かせます。
なお、調理補助の仕事では、調理師免許の資格取得を目指すことも可能です。
調理師免許を取得すれば、補助としてではなくメインとして調理に携われますし、収入アップも期待できます。
調理師へのステップアップを考えているなら、調理補助として「1日6時間以上、週4日以上」の実務経験を2年以上積み、調理師試験を受けましょう。
介護施設での調理補助に向いてる人の特徴
介護施設の調理補助に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
• 丁寧で正確な調理ができる
• チームワークが得意
• 相手に寄り添った対応が得意
• 段取りよく物事を進められる
それぞれについて詳しく解説します。
・丁寧で正確な調理ができる
調味料の計量や食材の下処理などを丁寧かつ正確にできる人は、介護施設の調理補助に向いています。
介護施設では塩分・カロリー制限のある入所者や固いもの・大きなものを食べられない入所者も多いです。
調味料の計量が間違っていたり食材の下処理が甘かったりすると、トラブルにつながりかねません。
したがって、細かい作業や面倒な作業でも丁寧かつ正確にできる人は、介護施設の調理補助に向いています。
・チームワークが得意
チームワークで働くことが得意な人も、介護施設での調理補助に向いています。
調理補助はメインの調理担当者や他の調理補助とチーム体制で調理を進めます。
状況を見ながら臨機応変に助け合い、スムーズに調理が進むようにしなければなりません。
したがって、他のメンバーとしっかり声をかけ合い、「チームの中で自分の役割を果たそう」「お互い様精神で助け合おう」と考えられる人は、調理補助としてもうまく立ち回りやすいのです。
・相手に寄り添った対応が得意
相手のことを考え、寄り添った対応ができる人も、介護施設の調理補助に向いています。
介護施設では健康上の理由から、入所者によってメニューや細かい調理法、調味料の分量が違うことも多いです。
そのため、調理が少し複雑だったり面倒だったりすることもあります。
しかし、相手に合わせた対応をすることが得意な人なら、こうした点も苦ではありません。
むしろそうした細かい対応がやりがいにつながることもあるので、相手に合わせた対応が得意な人も、介護施設の調理補助に向いています。
・段取りよく物事を進められる
段取りよく物事を進められることも、介護施設の調理補助に向いている人の特徴です。
介護施設をはじめ、さまざまな施設では食事の時間が決まっていることが多いです。
したがって、時間に間に合うよう効率的に調理を進めたり、トラブルがあっても冷静かつスムーズに対応したりしなければなりません。
残り時間ややるべき作業を踏まえ、何をどのような順番でやると効率が良いのか考えられる人は、こうした状況にうまく対応できます。
介護施設での調理補助のやりがい
介護施設で調理補助として働くと、入所者に喜んでもらえたり、入所者の生きがいにつながったりします。
また、社会的な需要の点でもやりがいを感じられるので、介護施設での調理補助のやりがいを詳しく見ていきましょう。
・入所者に美味しかったと言ってもらえる
介護施設では、入所者から直接「美味しかった」と言ってもらえる場面があります。
直接言葉を聞く機会がなかったとしても、美味しそうに食事している姿を見たり、完食した食器が戻ってきたりすると「喜んでもらえた」と実感する人も多いです。
このように、主婦業などで培ってきたスキルを活かして調理に携わり、入所者に美味しいと言ってもらえたり喜んでもらえたりすると、家族に美味しいと言ってもらうのとはまた違ったやりがいが感じられます。
・入所者の日々の楽しみや生きがいに貢献できる
介護施設では、食事が日々の楽しみや生きがいになっている人も多いです。
また、介護施設では、クリスマスやひな祭りなどの季節に合わせた行事食も提供します。こうした行事食も、介護施設での生活を彩る重要なものです。
こうした日々の食事や行事食の調理に携わり、入所者の人生を彩っていると実感できると「頑張って良かった」と感じられますし、「明日からもまた頑張ろう」と思えます。
・今後さらに需要の高まる仕事ができる
介護施設の調理補助は、需要の面でもやりがいのある仕事です。
介護施設の入所者は、高齢化の影響もあり今後さらに増えていくと考えられます。そのため、介護施設で調理に携わる仕事も需要が高まっていきます。
こうした点から、「社会に貢献できている」「社会的に必要とされている仕事をしている」と感じられ、やりがいにつながるのです。
介護施設での調理補助の大変な点
介護施設での調理補助には、やりがいがある一方で大変な点もあります。
どのような仕事でも大変な点はありますが、事前に把握しておけばうまく対応したり、働き始めてから感じるギャップを防いだりできます。
ここでは介護施設の調理補助における大変な点を3つ確認していきましょう。
・通常の調理補助より細かい作業が求められる
介護施設では、通常の調理補助よりも細かい作業が求められます。
入所者に合わせて調理方法や調味料の分量を変えなければならず、同じ料理を作るのでも、一般的な調理補助よりやることが多くなりがちなのです。
それでいて、決められた食事の時間までにすべての調理を完了させなければならないため、作業量的にも時間的にも、プレッシャーがかかることがあります。
・調理ミスや衛生管理が大きな問題につながりかねない
介護施設の調理補助では、調理ミスや衛生管理の甘さが大きな問題につながりやすいです。
仕事として調理に携わる以上、介護施設でなくても調理ミスや衛星管理には注意すべきです。
しかし、介護施設では特に健康問題を抱える入所者や、免疫力が低下している入所者も多くいます。
そのため、少しのミスでも大きな問題につながりやすいのです。この点でも、仕事をする際には慎重さが求められ、緊張感があります。
・自分自身の健康管理も入念にしなければならない
介護施設の調理補助として働くなら、日頃からの健康管理も徹底する必要があります。
たとえばインフルエンザの潜伏期間中に介護施設での調理に携わると、食事を通して高齢者にもインフルエンザを移してしまうかもしれません。
したがって、感染症が流行る時期は特に、休日の外出や日々の手洗いうがい、生活習慣などについて、家族も含めた体調管理の徹底が必要です。
まとめ
介護施設の調理補助では、高齢者でも食べやすいよう食材を細かく刻んだり柔らかくしたり、調味料の分量を調整したりしながら調理のサポートをします。
入所者それぞれの健康事情に対応するため細やかな作業が多くなる点は大変ですが、入所者の反応を間近で見られる点や、社会的にも需要の高まる仕事ができる点はやりがいです。
調理補助であれば資格は必要なく、主婦としてのスキルを活かせるので、「誰かのために自分のスキルを役立てたい」という気持ちがあるならぜひチャレンジしてみましょう。
2024年9月11日公開
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