求人広告などを見ていると、「パート急募」「アルバイト募集」「契約社員求ム!」などといった言葉が並んでいます。「パート」「アルバイト」などと呼称は違いますが、仕事内容や待遇にも違いはあるのでしょうか?また、「1年間の契約社員」はパートになるのでしょうか?


この記事ではパート・アルバイトの違いや、正社員との待遇格差について、知っておきたい法律などを解説します。



実は法律上では区別されていない!



結論から述べると、実は法律上ではパートとアルバイトは区別されていません。


パートタイム労働法では、「1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定められているだけで、パートとアルバイトそれぞれに定義はありません。


一方、世間一般ではパートとアルバイトを大まかに区別して使っている企業が多数あります。では、具体的にどのように使い分けられているのでしょうか?



アルバイトもパートも「パートタイム労働者」



パートは「パートタイム」の略で、その企業の所定労働時間とは異なる短時間の勤務制度のことであり、短時間で働く人のことをパートタイム労働者と呼びます。多くの企業では、短時間労働の主婦を「パート」と呼んでいます。


一方「アルバイト」はドイツ語の「Arbeit(仕事、働きの意味)」からきており、もともとは学生が学業の合間に行う仕事という意味で長く使われていました。現在でもアルバイト=学生やフリーターの仕事として広く認識されています。


ただし、上記の分け方が全ての企業に当てはまるわけではなく、中には「短期=アルバイト、長期=パート」など、独自の定義をしている企業もあります。


仕事内容に関しても、本来二者に隔たりはありませんが、ある一定期間で辞めてしまう学生アルバイトより、長期で働く人が多い主婦パートの方が業務に精通し、正社員の仕事に近い傾向があるかもしれません。

契約期間に関しては、特に定められていないことが多いでしょう。



有期雇用労働者について


雇用契約を結ぶ際に、「1年契約」などというように、雇用期間に期限がある場合は「有期雇用労働者」と呼んでいます。

契約が1年ごとに更新されるという条件でも、有期雇用労働者。契約期間に定めがあるかないかがポイントです。



「働き方改革」でパートやアルバイト、有期雇用労働者の労働条件改善へ



これまでは、「同じ仕事をしているのに、正社員というだけでパート・アルバイト・契約社員の自分より待遇がいい」、というようなことがまかり通っていました。しかし政府はこうした格差をなくしていこうと、様々な取り組みをしています。


その一環として2020年4月に制定されたのが「パートタイム・有期雇用労働法」。1週間の所定労働時間が短い方や、期間の定めがある有期雇用の方などが対象で、大企業のみならず、中小企業にも適用されます。


「パートタイム・有期雇用労働法」は2021年4月から全面施行され、中小企業にも適用され、同一労働同一賃金であるべきことや、待遇格差について質問を受けた場合の説明責任などが盛り込まれました。


この法律は、パート、アルバイト、有期雇用者すべての方に適用されるものです。
詳しくは厚生労働省の「パートタイム・有期雇用労働法の概要」をご覧ください。



社会保険や扶養控除などの条件も同じ



労働条件によっては、パートとアルバイト、有期雇用労働者も社会保険(厚生年金保険・健康保険)の加入が可能です。社会保険は、以下の【1】または【2】の条件を満たしている方なら加入できます。


【1】 所定労働時間が週30時間以上であること

または

【2】・所定労働時間が週20時間以上で、以下の条件に全て当てはまること
  ・月額賃金が8.8万円以上
  ・勤務期間が2か月を超える見込みがある
  ・従業員101人以上の企業(2022年10月より)
  ※従業員数が100人以下の企業の場合、社会保険に加入することについて労使で合意がなされていれば適用
  ※ただし、学生は除外

社会保険に加入すれば、将来受け取る年金が増えたり、医療保険の給付が充実したりするなど、手厚い保障を受けられます。また、各保険料を会社が一部負担してくれるため、労働者の負担が軽いというメリットもあります。


扶養控除に関しても同様で、パートもアルバイトも条件は一緒です。

詳しくは国税庁の公式サイトをご覧ください。



まとめ


その他、パート・アルバイトでも6か月以上継続して働いていること、全労働日の8割以上出勤していることなどを条件に、有給休暇も付与されます。


「責任も仕事内容もすべて正社員と同じなのに給与格差がある」「条件を満たしているのに有給休暇がない」などという不利益な条件で働いている方は、会社に説明を求めてみてください。

改善が見られない場合は、労働基準監督署などに相談をしたり、より良い条件の職場を探したりするということも検討するとよいでしょう。


2017年1月17日公開/2022年12月14日更新


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<監修>

杉本雄二 社会保険労務士法人ローム静岡 所長

求人情報誌発行・人材派遣の会社で広告審査や管理部門の責任者を18年経験。在職中に社会保険労務士試験に合格し、2005年に社会保険労務士杉本事務所を起業。その後、2017年に社会保険労務士法人ローム(本社:浜松市)と経営統合し、現在に至る。静岡県内の中小企業を主な顧客としている。顧客企業の従業員が安心して働ける環境整備(結果的に定着率の向上)と、社長(人事担当者含む)の悩みに真摯に応えることをモットーに活動している。
<保有資格>特定社会保険労務士
社会保険労務士法人ローム https://roum.info/


<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
外資系企業、IT企業、ベンチャー企業などにおいて、採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。現在はWEB系の会社を経営するかたわら、スペインにある学費が15万円/年~の公立大学や、1週間から留学可能な語学学校の紹介をするなど、子どもから大人までの学習支援を行っている。

WEB事業 :https://dy-planning.net/
留学サポート Go Global:https://go-global.info/


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