企業に雇われる場合、バイトでも正社員でも、始業・終業時にタイムカードを押しているはずです。
月給制の正社員でも、残業代は「時間」単位で計算されるため、勤務開始時間がきちんと記録されている必要があります。
時間給で働く人の場合は、タイムカードの情報は特に重要だと言えるでしょう。


今回はタイムカードを押し忘れるとどんな問題になるのか、忘れないようにするにはどうすればいいのか解説します。


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タイムカードを押し忘れるとどうなる?


タイムカードは従業員にとって「この時間に働いていました」と証明するものであり、会社にとっては給与計算の元となる大切な情報です。
タイムカードを押し忘れたり、事実と異なる時間を打刻したりすることは、トラブルになり得ます。


・企業の「コンプライアンス違反」として社会的な信用問題にも

タイムカードの押し忘れが多いと、企業が従業員の労働時間数を把握できず、「長時間労働や残業時間の管理ができていない」ということで、労働基準監督署などから指導を受けることにもつながります。


企業側もタイムカード押し忘れ撲滅に対する働きかけをすると思いますが、きちんと対応できるかどうかは本人の問題です。
一社会人として、責任をもって労働時間を記録してください。


・タイムカードを押し忘れると罰則があることも…!

何度も注意を受けているのに、度々タイムカードを押し忘れたり、間違えて押したりしていると「懲戒処分」に値することがあります。
懲戒のルールは会社ごとに異なるので、就業規則を確認しておきましょう。



こんな時は要注意!タイムカードを押し忘れやすいケース


いつもはきちんとタイムカードを押せているという人でも、以下のような場合は忘れがちになるので注意してください。


・勤務中に、通院などの私用で外出した場合(一時外出・戻りの打刻が必要)
・めったにない「残業」があった日
・半日有休をとった日(有給であっても打刻が必要なケースが多い)
・終電ギリギリに仕事が終わったなど、焦っている場合


このように、「いつもとは違う動きをした時」「気持ちが焦っている時」に忘れがちになります。そういう場合は特に気を付けるようにしてください。



タイムカードを押し忘れてしまったらどうする?


タイムカードを押し忘れたら、まずはすぐに上長に報告しましょう。
タイムカードの修正を行うために、さまざまな申請が必要な企業もあります。
自分のミスで多くの人の仕事を増やしてしまうことになりますし、何度も修正申告をすると信用も失ってしまいます。


・パソコンでタイムカードを押すケース

パソコンなどで打刻するシステムが導入されている場合は、「修正申請」などの手続きを経て、直属の上長、人事部長など、責任ある人の承認を得るというケースが一般的です。


・タイムカード専用機械で打刻するケース

紙のタイムカードを機械に通すことで打刻されるシステムの場合、修正は手書きで行うことが多いでしょう。
手書き修正をする前に上司の許可をもらったり、修正後すぐに上司の印鑑をもらったりするというルールがある場合は、きちんとルールを守るようにしてください。



タイムカード押し忘れ対策3つ


タイムカードを押し忘れないように、以下のような工夫をしてみてください。


1.退勤時間に携帯アラームを設定する

退勤時間にあわせて携帯アラームを設定し、自分自身にリマインドをするとよいでしょう。
残業をする場合には、残業終了の目安時間に設定しなおすことも忘れずに。


2.同僚たちと確認し合うルールを作る

退勤時、タイムカードを押したら同僚と報告・確認し合うなどすると、チームで打刻漏れを防ぐことができます。
「打刻しました!お疲れ様です」などと、口に出して確認をするのも有効です。


3.出社・退社時に目につく場所に張り紙をする

よく目につく場所に「タイムカード打刻!」などと張り紙をしておくことも、すぐにできる対策法です。
ノートパソコンならパソコンを閉じた面に、ロッカーがある場合は目につきやすい場所などに貼っておくという手もあります。



「タイムカードを押し忘れたからタダ働き」と言われたら


もし会社から「タイムカードを押し忘れたからタダ働きだ」と言われたら、それは法律違反ですから、受け入れてはいけません。
ただし、上記の通り「減給」というペナルティが就業規則で定められている場合は、決められた範囲で罰則があることはあり得ます。


・減給額は法律で定められている

就業規則で定められているからといって、いくらでも減給できるかというとそうではありません。
労働基準法第91条には以下のように書かれています。


・1回あたりの減給は、平均賃金1日分の半額まで
・減給の総額は、1賃金支払い期における賃金総額の1/10まで
もし減給処分になった場合は、このルールの範囲であるかどうかを確かめてください。


・「1日タダ働き」は法律違反

減給できる金額が決まっているということですから、「今日1日はタダ働きね」ということは法律違反となります。
もしそのように言われたらまずは減給について就業規則に記載があるかを調べ、その上で「法律上の減給上限額」について、会社と確認し合いましょう。



意図的にタイムカードを書き換えることは「犯罪」にもなり得る


いかなる場合にも、タイムカードに正しくない情報を意図的に記録することは「詐欺」に当たり、立派な犯罪です。
退勤時に打刻せず、修正時に実際より遅い時刻を書き込んだり、遅刻したのに定時に出社したように見せかけたりすることがそれにあたります。


このようなことが発覚すると、懲戒処分として退職を命じられる他、過去にさかのぼって確認し、多く受け取った給与を払い戻すということもあり得ます。



タイムカードの押し忘れは上司や人事部の大きな負担に。


タイムカードの押し忘れは小さなことのように思うかもしれませんが、上司が部下の勤怠を管理することは重要な役目ですし、人事部は正しく給与計算をする必要があります。
人件費は企業支出の重要な部分を占めているため、きちんと給与額を計算することは、健全な経営にもつながります。


一人のタイムカード押し忘れや修正ミスを重ねると、上司が「管理不行き届き」というマイナス評価を受けることになったり、人事部や会社そのものが監査で引っかかったりすることにもなりかねません。
「タイムカードぐらい…」と軽視せず、どうすれば徹底できるか自分なり工夫してみましょう!


2024年6月20日公開


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<監修>

杉本雄二 社会保険労務士法人ローム静岡 所長
求人情報誌発行・人材派遣の会社で広告審査や管理部門の責任者を18年経験。在職中に社会保険労務士試験に合格し、2005年に社会保険労務士杉本事務所を起業。その後、2017年に社会保険労務士法人ローム(本社:浜松市)と経営統合し、現在に至る。静岡県内の中小企業を主な顧客としている。顧客企業の従業員が安心して働ける環境整備(結果的に定着率の向上)と、社長(人事担当者含む)の悩みに真摯に応えることをモットーに活動している。

<保有資格>特定社会保険労務士社会保険労務士法人ロームhttps://roum.info/


<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
外資系企業、IT企業、ベンチャー企業などにおいて、採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。現在はWEB系の会社を経営するかたわら、スペインにある学費が15万円/年~の公立大学や、1週間から留学可能な語学学校の紹介をするなど、子どもから大人までの学習支援を行っている。

WEB事業:https://dy-planning.net/
留学サポート Go Global:https://go-global.info/

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