アルバイトデビューを前に不安を抱えている学生さんへ、心理カウンセラーの佐藤城人さんに気持ちがラクになる3つの方法をうかがいました。


どれもとてもシンプルで、すぐにできる方法ばかり。ぜひ参考にしてください。



方法は、シンプルに3つ


まずは自己紹介から。

僕は今年還暦を迎えました。

学生さんからすれば、お祖父さんと同じ世代ですね。


僕がはじめてアルバイトをしたのは、高校1年のとき。

喫茶店のホール(当時は『ウエイター』と呼んでいました)だったんだ。

40年以上も前のことだけど、今でも覚えています。

たくさんのことを学べたなって。


この記事では、僕がバイトを通して学んだことの中でも、とっておきの心得を3つお伝えするよ。

どれも、気持ちがラクになったり、いろんな場面で役に立つことばかりなんだ。


1.安心する方法を持とう

2.目指すゴールを口にしよう

3.使う敬語は1つでOK

どれもシンプルなんだ。だから、ぜひ最後まで読んでみてほしい。



1.安心する方法を持とう


アルバイトをはじめるとき、気になることはなんだろう?

職場の人間関係や言葉使い、覚えなきゃいけない業務など、いろいろあるよね。


そして、これらがプレッシャーとなって押し寄せてくるんだ。

せっかくアルバイトをするのに、不安やストレスばかりじゃイヤだよね。

じゃあ、心得の1つ目を紹介するよ。


《心得その①:書く瞑想》


ノートに、いま君の頭や胸の中にあることを書き出してほしいんだ。

できれば10分間、ひたすらに書くこと。


ポイントは、頭で考えたことを書くのではなく、思い付いたことを書くこと。

誰かが読むわけじゃないから、何を書いてもOK。

これが結果的に、胸の中にあることを全部吐き出すことになるんだ。


勉強する時間が無くなる?

大丈夫。先にこの方法に取り組んだ方が、スッキリして勉強もはかどるんだ。


「瞑想」って聞いたことはあるかな?

自分の中にあるモヤモヤを空っぽにして、気持ちを落ち着かせる方法なんだ。

今、ノートに書き出すことができた。

これも、空っぽになったと言えるよね。

ノートに書く前と書いた後を比べて、不安感が少なくなっていればOK。


もしまだ残っている場合、もう一度書き出してもいいし、誰かに今の気持ちを聞いてもらうのもいいよね。



2.目指すゴールを口にしよう


アルバイトに行く前、君は次のどちらの言葉をつぶやいているかな?


①緊張したらダメだ

②リラックスしよう



少し実験をしてみよう。

①の「緊張したらダメ」を10回つぶやいてほしい。

終わった後、君の体はどんな感じになっているかな?


確認が終わったら、今度は②の「リラックスしよう」を10回つぶやいてみよう。

今度はどんな感じになっているかな?


たぶん、「緊張したらダメ」の方が緊張したと思うんだ。

これは「緊張」という言葉が、どうしても頭の中に残るからなんだ。


例えば「動物園のパンダの親子をイメージしてはいけません」と言われたとするよ。

ほぼ全員がパンダの親子をイメージしたと思うんだ。

これも「パンダの親子」という言葉を脳が先にイメージするからだ。


他の例も挙げてみよう。

・遅刻をしてはいけない

・失敗してはいけない

・ミスしちゃダメだ

・嫌われたらどうしよう


これらの言葉も同じなんだ。

口にすればするほど、失敗やミスを誘いやすくなる。

どうしてかと言うと、私たちの脳は「遅刻、失敗、ミス」の方に、どうしても意識が向いてしまうからなんだ。


じゃあ、どうしたらいいだろう?


《心得その2:目的志向の言葉》


「緊張したらダメだ」の言葉の使い方を、「問題回避」の使い方というんだ。

どうしてかと言うと、緊張という問題点を挙げて、ダメと否定(回避)する言い方だから。

二重否定のような言い方だから、結果的に肯定することになる。

ただ、先にみたように、緊張感が取れることにはならない。


だったら、「リラックスしよう」のように、目指すゴールを口にした方がいいよね。

ゴールを目指す言い方を「目的志向」の言葉使いという。


じゃあ、先に挙げた例文を目的志向に言い換えてみよう。


・遅刻をしてはいけない ⇒時間を守ろう

・失敗してはいけない ⇒成功させよう

・ミスしちゃダメだ ⇒上手にやろう

・嫌われたらどうしよう ⇒好かれるにはどうすればいいかな

少し補足をするよ。

問題回避の言葉を使ってはいけない、と考えないこと。「××してはいけない」の発想そのものが、問題回避になっているよね。

ダメと捉えずに、「目的志向を心掛けよう」この考え方を意識したらどうだろう。


アルバイト先のマナー・ルールなど、守らなきゃいけないことは、たくさんあるよね。

これらも「××をしてはいけない」ではなく、「○○をしよう」と考えるといいと思うんだ。



3.使う敬語は1つでOK


敬語の使い方に悩むことはないかな?


尊敬語や謙譲語、丁寧語、この3つの使い分け、これだけでも結構大変だよね。

苦手意識を持つ人も多いようだ。

そこで、とってもシンプルな言葉を一つ紹介するよ。

とりあえず、これだけでOKという心得の敬語なんだ。


《心得その3:恐れ入ります》


「恐れ入ります」これだけでOK。

アルバイトでは、先輩や店長など目上の人から褒められたり、注意されたり、説明や指示を受けたり、また君から何かを頼みたいときなど、いろいろな場面があるよね。

そのどの場面でも使えるんだ。


「恐れ入ります」と、ひと言伝えてから会話をスタートさせよう。

グッと君の好感度も上がるからね。


この言葉は、感謝やお詫び、質問、依頼するときなどに使うんだ。

例文をいくつか挙げてみるよ。


・(褒めてもらった場面)恐れ入ります。嬉しいです。

・(注意をされた場面)恐れ入ります。気をつけます。

・(君から頼み事をしたい場面)恐れ入ります。お願いがあるのですが。

まず、「恐れ入ります」この言葉をマスターして、自信がついたら、他の敬語にもチャレンジしてはどうだろう?



【最後に】気になる、文末の「。(読点)」の捉え方


これでラストだよ。

LINEのやり取りなどで文の最後に「。」が付くと、怖い感じを持つ人はいるかな?

確かにLINEやショートメールが「。」で終わると、ブツッと切られた感じがするよね。


僕たちは、自分の価値観で物事を判断しがちだ。

そして、相手と自分の価値観が異なるとき、どうしても不安を感じる。

その不安がさらなる不安を生み、苦手意識や嫌悪感に繋がりやすい。


ただ、落ち着いて、立ち止まって冷静に考えてほしい。

なぜ「。」に対して自分は怖いと感じるのか?

相手はどういう価値観を持っているのだろう?


古代ギリシャの哲学者・アリストテレスは次の言葉を残している。

「垣根は相手が作っているのではなく、自分が作っている」


君たちのお父さんやお母さん、そして僕のようなお祖父さんたちにとっては、「。」で終えるのが自然なんだ。

年代によっても、人によっても、いろいろな価値観があるということだね。


ある短歌を紹介するよ。

「優しさにひとつ気がつく ×ではなく〇で必ず終わる日本語」

日本語は、英語と異なり「〇」で終わるよね。決して「×」ではないんだ。


恐いなと感じたときは、ぜひこの短歌を思い出してほしい。

そして、今回お伝えした《3つの心得》も実践してほしい。

僕は君たちの未来と成功を信じているよ。


2024年2月21日公開




<執筆>

佐藤城人(しろと) ホームページ

心理カウンセラー 
2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。心理セラピスト、カラーアートセラピスト等各種資格を保有する。かつてアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で再度大学に入学し、心理学と出会う。現在はカウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。

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