どんな職場にも、一人は苦手な人や嫌いな人がいるもので、言葉の暴力で傷つけられたり、いやな仕事を押し付けられたりと、ストレスがたまることもあるでしょう。


この記事では、嫌い・苦手な人への対処法やコミュニケーションのコツをお伝えします。少しでも、仕事がしやすくなるように試してみてください。


まず、どんなところが嫌いかを冷静に考えてみよう


「嫌い」「苦手」という漠然とした感情を具体的にし言語化することで、客観的な視点を持つことができます。
その人のどんなところが嫌い・苦手なのか、その理由を書き出してみましょう。


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例: 静岡さんはいつも、私のちょっとした細かいミスを指摘してくる。注意の仕方が嫌味だし、一日に何度も指摘されると委縮してしまい、働くモチベーションが下がってしまう。
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「静岡さんは苦手/嫌いだ」という情報の裏には、自分のミスが原因として存在する事実に気が付くかもしれません。
「確かに、私はミスが多いな」と受け止めることができると、相手の言葉が「アドバイス」にも聞こえてくるかもしれませんし、ミスがなくなれば問題が解決するかもしれません。


人を変えることは不可能ですが、自分が変わることは可能です。
自分が変わること自体、簡単なことではありませんが、もしこれができるようになれば、どんな職場でも、どんな人とでもうまくやっていけますし、仕事のみならず、人生においても大きな学びになるはずです。


苦手な人と職場でうまくやっていくための対処法


冷静になることですべてが解決すればよいですが、そううまく行かないことが現実でしょう。
以下に、いくつかの対処法をご紹介しますので、できることを試してみてください。


対処法1.罪を憎んで人を憎まず。相手を理解しようと試みる


「最初は嫌いだったけど、深く知ってみると意外といい人だと気づいた」、というケースもよくあることです。苦手・嫌いな相手は、もしかすると家族や友達がおらず、いつも孤独でイライラしているのかもしれません。
そういう背景を知ると、「あの人もつらいのかな」と、気持ちが分かることもあるでしょう。


相手と距離を取る前に、「お休みの日はどんなふうに過ごしているんですか?」などと聞いてみたり、一緒にランチ休憩をとったりしてみるのも手です。
仕事中とは違う話をすることでその人の意外な一面を知り、苦手意識が払しょくできることもありますし、事情を知ることで、相手の言動を許せることもあります。


対処法2.ポジティブなコミュニケーションを心がける


相手の嫌な態度に対して、同じテンションで返していては同じ土俵にのることになります。相手の挑発に乗らず、逆にポジティブな言動で返すことができれば立派!


「ここ、全然できてないね」などと嫌味を言われたら、「アドバイス、ありがとうございます!」と、華麗にスルーするのも一つの手です。


対処法3.苦手な人とのコミュニケーションを最低限に抑える


前段とは全く逆の方法ですが、相手とのコミュニケーションや関わりを最低限に留めることは、すぐにできることです。


仕事上、必要なコミュニケーションは仕方がないですが、仕事に関係ないプライベートな会話や話題を極力減らしてください。
仕事で伝えるべきことも、なるべく簡潔に済ませましょう。


また、コミュニケーションをとるときには「感情」を交えず、「事実」のみに注目してやりとりしてみてください。
感情というものは、隠しているつもりでも、表情や言葉に表れます。話しかける前に深呼吸し、平常心をイメージしてください。


対処法4.好きな人とのコミュニケーションを増やす


つい、「苦手な人」「嫌いな人」に意識が集中してしまいがちですが、職場には他にもたくさんの人がいるはずです。
仲の良い同僚や上司との人間関係を大切にするなど、「良い人」に意識を向けてみてください。
そうすることで、「苦手な人・嫌な人」を注目する頻度が減りストレスも軽減されますし、良い人との関係を構築しておくことで、いざという時に相談にのってもらえるかもしれません。


周りの人と話していると、他の人も自分と同じように同じ人を「苦手」と思っているかもしれません。
「苦手なのは自分だけではなかった」、とわかるだけでも、気が楽になるものです。


対処法5.どうしても苦手・嫌いな場合は上司に相談!


色々試してみてもダメだった、という場合には、上司に相談してみてください。
シフトを別にしてもらったり、席替えをしてもらったりするなど、接点を減らしてもらえるかもしれません。


職場を辞めることも一つの方法ですが、どこに行っても嫌な人はいるものです。
辞めることは最終手段とし、「練習」だと思って、苦手な人・嫌な人への対処法に取り組んでみることをお勧めします。「練習」は、先の人生でも役立つはずです。


ハラスメントにはしっかり対応!


中には「嫌味」「いじわる」というレベルを超えて、「ハラスメント」の域に入っているケースもあります。
そういう場合は我慢せずに声を上げてください。


【よくある職場でのハラスメント】

1.人格や能力を傷つける言葉で否定する
2.悪口や皮肉を言ったり、見下した態度をとったりする
3.必要な情報を一人だけに伝えない、極端にシフトを減らすなどの嫌がらせや無視をする
4.与えられた仕事量が、明らかに多すぎる/少なすぎる
5.身体を叩く、物を投げられるなどの攻撃を受ける


【ハラスメントにあった時の相談窓口】
・総合労働相談コーナー ―厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

・みんなの人権110番 ―法務省

0570-003-110

・法テラス ―日本司法支援センター
0570-078374


2024年1月11日公開


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<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
外資系企業、IT企業、ベンチャー企業などにおいて、採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。現在はWEB系の会社を経営するかたわら、スペインにある学費が15万円/年~の公立大学や、1週間から留学可能な語学学校の紹介をするなど、子どもから大人までの学習支援を行っている。

WEB事業:https://dy-planning.net/
留学サポート Go Global:https://go-global.info/

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