60代で採用面接を受ける方は、長く勤めていた職場を辞めて新しい職場にチャレンジするケースもあり、「面接なんて久しぶり」という方も多いですよね。


シニアの面接には、シニアならではの注意点があります。
この記事では、面接前に知っておきたい注意点と、面接でよく聞かれる質問と回答例をご紹介します。


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企業が60代以上のシニアを採用する背景と課題



少子高齢化などで人手不足の企業では、60代以上の経験あるシニアを採用し、即戦力となってもらいたいという狙いがあります。
また、経験豊富なシニア社員に若手社員育成を期待する声もあります。


シニア採用によってこのようなメリットがある一方、シニアならではの懸念点や課題があることも事実。
以下のような企業側の懸念点を理解して面接に臨むことをお勧めします。


懸念1.年下上司との関係性

採用後は現場の上司が30代、40代の若い人たちであるケースも多々あります。
場合によっては、20代の人が上司になるということがあるかもしれません。


中には「年下の人から指示や注意をされると、プライドが傷ついてうまくやっていけない」という人もいて、職場での人間関係に問題を抱える人も多いもの。
採用担当者は「この人は現場の若いスタッフたちとうまくやれるだろうか」という視点で面接をしています。


これまでに、年下上司のもとで働いた経験や、仕事以外ででも、異なる年代の人と接している経験があれば、積極的にエピソードを話すとよいでしょう。
「年代が違っても仲良くできる」「若い人たちを陰で支え、より良い成果をあげていくことができる」ということを伝えられると、採用担当者を安心させることができます。


懸念2.過去の経験に縛られていないか

ベテランスタッフにありがちなのが、「前の会社ではこうでした」と、ことあるごとに自分の経験談を持ち出すことです。


経験を生かして良い方向に改善する分にはよいのですが、会社によってさまざまな事情があり、同じことがどの会社でも通用するとは限りません。
前職の話は「聞かれたら話す」程度におさえておいたほうが無難です。
もちろん、過去の実績や努力したことを聞かれているときには、十二分にアピールしてください!


60代の面接の回答・発言で好印象を与えるポイント


60代の方が面接を受けるときには、以下のようなポイントに留意しましょう。


1.面接官が年下でも終始、敬語で話す
2.フレンドリーな面接官でも態度を崩しすぎない
3.ネガティブな話はなるべくポジティブに変換する
4.素直に耳を傾け、学び続ける姿勢を見せる
5.知らない単語が出てきたらごまかさずに質問する。知ったかぶりはNG!
6.話は簡潔に、結論から伝える。話が長くなりすぎないこと
7.待遇に関する質問をしすぎない

特に敬語やフォーマルな態度・姿勢については注意が必要です。


60代の面接でよくある質問とその回答例


以下に、実際の回答例をご紹介します。


【自己紹介の仕方】

自己紹介では名前を名乗った後、ごく簡単に職歴をまとめ、今後の抱負や意気込みで締めるとよいでしょう。
趣味やプライベートなことを話すときは、最後に付け足す程度に留めてください。
部下を持った経験がある人は、何人の部下を持ったことがあるか具体的に伝えてください。


例文:

「静岡花子と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
大学卒業後は出版会社に編集の仕事に就き、新人採用面接や入社後の研修を担当することもありました。
約15年間勤務し、最大10名の部下をマネジメントした経験もあります。


結婚・出産後、新しい仕事にチャレンジしたいと思い、採用の経験を活かしてIT企業の人事部に転職しました。
採用以外にも、給与計算や制度設計などにも携わりました。


細部を確認する編集の仕事と、人とのコミュニケーションが重要な人事の仕事から得たことを生かし、御社でもお役に立ちたいと考えております。
趣味は山登りです。御社で同じ趣味の方がおられたら、登山をご一緒し、仲良くなれればうれしいです。」


【これまでの経験について】

「これまでの経験をお聞かせください」と聞かれたら、できるだけ具体的な数字を交えて職務経験を話します。
また、成功体験や得意なこと、大変だったことなどを含めながら伝えるとよいでしょう。


例文:

「高校卒業後はスポーツ用品を販売する企業に就職し、3年間、事務の仕事に就きました。
子供の中学校進学を機に再就職を決意し、従業員100名ほどの建材会社にて、資材の発注管理の仕事に就きました。


釘一本をとっても500種類以上あり、正確さが求められる仕事でした。
正確さや細かなチェック作業は得意で、他の人よりミスが少ないことが評価され、チームリーダーにも抜擢されました。


大変だったことはクレーム対応です。
クレームの電話を受けた時は、相手の話をよく聞くように努め、再発防止案を会社に提案したり、同僚にクレーム内容の情報共有をしたりすることで、クレーム率を8%から4%にまで抑えることができました。」


【退職・転職理由や志望動機】

退職・転職理由を伝える時は、ネガティブな表現を使わないように注意しましょう。
人間関係や給与の安さなどが退職理由であったとしても、正直に伝える必要はありません。
「面接先企業への志望動機が高まったため、転職を決めた」という伝え方のほうが、ポジティブなイメージを与えられます。


例文:

「生命保険の外回り営業を長く続けている中で、各業界の様々なニーズを知り、どうすればお客様の役に立てるかという視点で物事を考えられるようになりました。
一方で、企業ではなく、個人のお客様の要望に応えられるような仕事がしたいという気持ちも芽生えてきました。


御社の求人情報を拝見した時に、これまでの営業経験を生かしながら、誰かの人生を助けられる素晴らしい仕事だと思い、思い切って退職し、御社に応募させていただいた次第です。」


例文:

「前職の介護施設では、人の役に立ちたいという気持ちで働く人が多く、尊敬できる先輩・後輩に恵まれました。
中には厳しい先輩もいましたが、仕事に対する真剣な思いや、正義感の強さも学ばせていただきました。
周りの方々から刺激を受け、この2年間は看護師の勉強も独学で行ってきました。


60歳を目前に、より大きな組織で自分の経験を生かしてみたいと考え、御社の求人に挑戦したいと、応募させていただきました。」


【強みと弱み】

強みを伝える時は、実績や裏付けとなる根拠を添えて伝えます。
また、弱みは強みの裏返しです。弱みを最小限に留める努力や、弱みをカバーする工夫などの実例を紹介しながら伝えてみてください。


例文:

「私の強みは、みんなが嫌がるような細かな作業を正確にこなし、数値にまとめる力です。
商品の検品などは少しでも傷があると返品されるのですが、通常の返品率が10%であるところ、私がチェックするようになってからは3%まで改善することができました。


反面、人に任せる事が苦手な所は弱みとも言えます。
自分の目で確かめなければ気が済まないことがあるのですが、周りの人に自分のやり方を伝達したり、チェックシートを作ったりして、誰もが正確にこなせるような工夫もしてきました。」


話し方も大切


面接の質問にどう答えるかはもちろん重要ですが、ハキハキと、目を見て話すことや、笑顔を忘れないことなど、「話し方」も重要です。面接を受ける前に、鏡を見たりスマートフォンで録画をしたりしながら面接練習をしてみてください。


2023年12月19日公開


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<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
外資系企業、IT企業、ベンチャー企業などにおいて、採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。現在はWEB系の会社を経営するかたわら、スペインにある学費が15万円/年~の公立大学や、1週間から留学可能な語学学校の紹介をするなど、子どもから大人までの学習支援を行っている。

WEB事業:https://dy-planning.net/
留学サポート Go Global:https://go-global.info/

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