ボイストレーニングは歌唱やスピーチなど、声を使った表現力を向上させるために必要です。

中でも「舌のトレーニング」は、声のクオリティや発声の明瞭さに大きな影響を与えるため、不可欠なものになっています。


実際、「舌を鍛えるだけでこんなにも変わるだ!」と驚く方も多いです。

年を重ねることで舌の筋肉も衰えてくるので、定期的なストレッチをして舌の動きをスムーズにしておきましょう。



舌も、意識を向けて「鍛える」ことが大切



さて、普段あなたの舌はどの位置にありますか?


口の中でダランと下に落ちていませんか?

正しい位置は、硬口蓋(図参照)に舌がついた状態です。

下に落ちたままだと、筋力が落ち滑舌に影響が出てきてしまいます。日ごろから、舌の位置に意識を向けてみてください。


舌は筋肉であり、柔軟性が大切です。

舌足らず、子供っぽい話し方、はっきり聞こえないなどの指摘を受けたことがある方は、是非、舌のトレーニングに注目してみてください。

トレーニング法はこの後解説します。



舌のトレーニング方法①


舌を使う「か」「さ」「た」「な」「や」「ら」行の発声を、行ってみてください。

一度ではなく何度か行うと良いでしょう。


実際にこれらの行を発声すると、舌が動いているのが分かると思います。

舌の動きを細かくコントロールし、舌の位置を意識することで、発声が明瞭になり、聞き取りやすい発声になっていきます。

 

舌のトレーニング方法②


舌は小さな筋肉で構成されています。

これらの筋肉を鍛えることで、声の力強さやコントロール力を向上させることができます。


特に、舌の根本から先端までの動きを含む練習をすると、高音域や低音域での声の安定感が増します。

練習方法としては、舌を口の中でグルグルと回したり、アッカンベーをして舌を思い切り外にだしたりしてみるのが良いでしょう。



舌のトレーニング方法③


日本語の「らりるれろ」は、特殊音と呼ばれ舌が複雑に動きます。

実際に発声してみると、舌の先が硬口蓋の後方から前方に向かって滑るような動きになっているのが分かるでしょうか。


この動きは細かな舌の筋肉を使用します。

これにより、「ら行」以外の発声で使用する舌の筋肉も鍛えられます。

「ら」を一息で「ららららら…」と早口で発声してみてください。

途中で声がもつれたり、均等に発声できなかったら、できるようになるまで練習してみてください。

「り」「る」「れ」「ろ」も同じように行ってみましょう。

なかなか難しいですが、舌トレにはとても良い練習方法です。



魅力的な声のため、定期的にトレーニングを


舌のトレーニングは、ボイストレーニングに欠かせない要素です。

定期的な練習と普段の意識の向け方によって、柔軟性を向上させ、より魅力的で表現豊かな声を手に入れることができます。


柔軟性のない緊張した舌は声の品質に悪影響を与えます。

ぜひ、リラックスできる環境を整えたうえで、実施してみてください。


2023年12月19日公開



<おうたむボイストレーニング主宰>

榊亜紀子(さかき・あきこ)
静岡県藤枝市出身、静岡市在住。発声に必要な筋肉トレーニング、基礎発声練習をメインとし、目標達成に対してのレッスン内容に定評あり。現在は、静岡朝日テレビカルチャーにて「声の悩み解決講座」の講師を13年間継続中。ストアカやモチベーション&コミュニケーションスクールにて講師経験あり。
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<所持認定証>
日本ボイストレーナー連盟ボイストレーナー認定証
はなしことば検定免許
USボーカル講師免許
VMTA公認ボイストレーナー認定証


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