
中国出身の石さんは12歳のときに日本へ。
ご自身がシングルマザーになったことをきっかけに、ひとり親が働きやすい仕組みを作るべく2019年にVarios株式会社を起業(静岡県静岡市)。
13歳、11歳、1歳になる3児の母でもある石さんに、起業までの経緯や思い、現在の取り組みについてうかがいました。
人脈ゼロ、スキルゼロ、お金ゼロからの出発
「私自身が離婚してシングルマザーになったとき、まず働きにくさを感じました。
育児と、自分が望む働き方の両立ができなかったのです。
『シングルマザーにもっと理解ある会社があってもいいはず。よし、ないなら自分がやろう!』と一念発起。2019年にすべてゼロの状況から起業しました。
起業してしばらくは順風満帆だったわけではなく、大変なことの連続でした。
あまりに大変だったので、周囲から起業の相談を受けても『勧められない』と話すほど(笑)
それでも諦めずに走り続けたことで、3年目にしてやっとシングルマザーの就業・収入を支援する『ままよろ』というサービスをスタートさせることができました。」
がんばりたいけどその方法と場所がない、そんなひとり親をサポート
「断片的なサポートではなく、シングルマザーやその子どもたちが持続的に幸せでいられることを念頭に置いています。
しっかり稼げるようにさせてあげたい、そうしないと私たちの手を離れたら困ってしまうから。
そのために『ままoneアカデミー』というママのための研修・トレーニングのコミュニティもスタートさせています。
昨今、にわかにチャットGPTの話題で持ち切りになっていますよね。そのチャットGPTの活用法をはじめ、AIの時代になっても生き残れる人材になるためのカリキュラムを豊富にラインナップさせています。
だって、『ままよろさんがいないと困る』と言われる人になってほしいのです。
『自分のポジションを築こう、そして成長を止めないで』と繰り返し伝えています。
スキルと自信がつけば、この先どこでも生きていけると私は思います。」
自分の“好き”や“得意”が仕事になるんだ…とよく言われます
「私の秘書である本間は、ここを訪ねてきたころ不安を抱えて泣いてばかりでした。
そんな彼女が今では心から頼れる存在に。
彼女はもともとお菓子作りや動画制作が好きなので、秘書業務に加えて仕事につなげてもらっています。
(取材時、隣席にいた本間さん談)『好きなこと、得意なことが仕事になるんだと気づかせてもらいました。人生明るくなりましたよ』
ママさんスタッフからも、同じように言ってもらえることがあります。
自分では気づけなかったけれど思わぬところが仕事につながる、そんな視点も持って接しています。『自分なんて』ではなく、誰しも自信を持ってほしいですね。」
ここまで来られたのは、温かいスタッフのおかげ
「起業から3年半共に走り続けているスタッフをはじめ、誰一人欠けてはならないチームに成長しました。
みんな大事、そんなスタッフありきの会社です。
昨日、私の誕生日だったんです。朝出社すると、プレゼントや手紙が置いてあって感激してしまいました。そんなお互いの「感謝」を大事にしています。」
取材後記
秘書の本間さんからは「こんなに予定入れちゃっていいんですかという位、毎日ぎっしりなんです」と石さんの多忙ぶりを話してくれました。
歩みを止めることのない石さんの行動力には頭が下がります。
シングルマザーやその子どもたちへの思いはもちろんのこと、一緒に働くスタッフへの感謝をひしひしと感じた取材となりました。
2023年5月29日公開
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