子育てが落ち着いて時間的な余裕が出てくると、収入アップを狙ってパートから正社員への転職を考える方は少なくありません。

しかし、ブランクがあったり、活かせる経験が少なかったりと、志望動機で何を伝えていいかわからない方もいるでしょう。

この記事では、パートから正社員へステップアップする際の志望動機について解説します。

志望動機の書き方の基本

志望動機では、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

まずは、数ある求人の中でなぜその企業に応募したのかを伝えましょう。

商品・サービスが好き、自分のやりたいことが実現できそうなど、自分なりの理由があるはずです。

次に、パートでの接客経験や持っている資格など、活かせる経験やスキルを棚卸ししましょう。

経験してきた仕事や所持資格だけでなく、普段の家事や育児などの経験を通して備わったスキル（例えば複数のタスクを効率的にこなせるなど）をアピールする手もあります。

経験やスキルをアピールする際は、より具体的なエピソードを添えることで説得力が増します。

最後に、「お客様から信頼される一流の営業になりたい」「仲間から頼られる縁の下の力持ちになりたい」など、入社後に何をしたいか・どうなりたいかを付け加えるとベストです。

志望動機を作成する際のポイント

面接官に好印象を持ってもらうためには、根拠をもとにしたわかりやすい内容にまとめることが重要です。ここでは、志望動機を作成する際の具体的なポイントを紹介します。

志望動機は簡潔に伝えることがポイントです。長々とした文章はNG。

人事担当者は応募者の履歴書を複数見る必要があるため、長くてわかりづらい文章だと最後まで見てもらなかったり、書類選考で落とされてしまったりする可能性もあります。

基本的には先述した基本的な構成に沿って文章を組み立て、長くても300字以内にまとめるようにしましょう。

まずは結論から述べて、そう思った理由やきっかけとなった具体的なエピソードを根拠として後から解説します。

履歴書は自身の経歴や保有資格、スキルなどをアピールする正式なビジネス文書です。

誤字脱字があると「仕事が雑な人」「注意力が足りない人」と思われてしまうため注意が必要です。

誤字脱字が多いことが影響して落ちてしまったなんてことを避けるため、最後まで履歴書を記載したら、必ず読み直してチェックしましょう。

面接では、履歴書に書ききれなかった具体的なエピソードを聞かれる可能性もあります。

「社会貢献をしたい」「パートでの仕事をきっかけに〇〇の仕事に興味を持った」などの情報をもとに、面接官は「なぜそう思ったのか？」を質問してくるかもしれません。

そのため、なるべく具体的なエピソードと、そのときに自身がどう思ったのかを準備しておきましょう。

具体的なエピソードがあると根拠も増すため、結果的に応募先への熱意をアピールできます。

パートから正社員になるための志望動機の例文

ここでは、仕事の経験がある場合とない場合に分け、パートから正社員転職の際の志望動機の例文を紹介します。

「もともとは御社の商品を使用する一顧客でしたが、いつからか商品をお客様へお届けする側に立ちたいと思うようになりました。

以前、アパレルの会社で売上管理や在庫管理などを行う事務として働いた経験があります。コツコツと取り組む仕事が得意なため、書類作成のスキルやコミュニケーションスキルを活かし、業務が円滑に進むようサポートできたらと思っています。正社員として責任ある仕事を任せていただけるよう努めます。」

「飲食店での接客を通じて、出来上がった商品をお客様に届けるだけではなく、自身で新たな商品を企画したいと思うようになりました。

現在は飲食店でパート勤務をしておりますが、店長から新メニューの考案について相談されることがあります。

普段の接客を通じて得た、お客様の要望を叶えられるようなメニューを考案していくうちに、企画に興味を持つようになりました。

御社の募集職種とは業務内容が異なる点もありますが、パートで培ったお客様を観察する力や、それを形にする企画力を活かしたいと思います。」

パートから正社員への志望動機における注意点

パートから正社員へ転職したい方の中には「子育てが落ち着いたからフルタイムで働きたい」という方もいるかもしれません。しかしながら、志望動機ではあえて触れなくてもOK。子育てが落ち着いたという事実は、転職のきっかけであり志望動機ではありません。

それよりも、企業へのアピールにつながる経験やスキルについて触れましょう。

また、給与や残業時間などの条件面をもとにした内容のみの志望動機もNGです。条件が良ければどこでもいいのかと思われてしまうため注意が必要です。

パートでの経験をしっかりとアピールしよう！

ブランクがある方や長くパートで働いてきた方は、志望動機でアピールできる経験やスキルが少ないと思うかもしれませんがそんなことはありません。

接客を通じて得たお客様の立場に立って考える力や、忙しい時間帯に複数の業務を同時並行して効率よく回す力、細かい部分も抜け漏れなくこなす家事経験など、他の仕事で活きるものは必ずあるはずです。応募先の仕事では自分自身の何が活かせるのかをしっかりと棚卸ししてみましょう。

2023年5月18日公開