履歴書にある扶養家族欄は、家庭の状況によって書き方が変わります。
履歴書の項目の中では小さい欄なので記入を忘れてしまいがちですが、企業側はしっかりと見ているため正しく記載しましょう。
この記事では、扶養家族の条件や数え方から、家庭状況別に扶養家族欄の書き方を解説するので参考にしてください。
扶養家族とは?数え方も解説
扶養家族とは、自分の収入で養っている家族のこと。履歴書の扶養家族欄には、税金や社会保険において、応募者本人が費用を負担して扶養している人数を書き込みます。
ただし、家族の生活費を自分の収入から出しているからといって、全ての家族が扶養家族に当てはまるとは限らない点には注意が必要です。
例えば、同居している子供がアルバイトをしていて、自分で税金や社会保険料を払っている場合には扶養家族とみなされません。
上記のようなケースを含め、扶養家族とみなされるにはいくつかの条件があります。以下では、扶養家族の条件をご紹介します。
【健康保険の扶養家族の条件】
健康保険の扶養家族として認められるためには、以下の条件を満たす必要があります。
同居していても別居していても、条件を満たせば扶養家族として認められます。
同居している場合の条件は、以下の通りです。
・被扶養者が60歳未満:被扶養者の年間収入が130万円未満で、その収入額が扶養者の年間収入の半分以下であること
・被扶養者が60歳以上もしくは59歳以下の障害厚生年金を受けられる程度の障がい者:被扶養者の年間収入が180万円未満で、その収入額が扶養者の年間収入の半分以下であること
別居している場合には、以下となります。
・被扶養者の年間収入が130万円未満(60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障がい者の場合は180万円未満)で、扶養者が、被扶養者に対して継続して仕送りを行っていること。かつ、仕送り額が被扶養者の収入より多いこと
なお、被扶養者が60歳未満の場合は、130万円未満の収入でも、106万円以上の年間収入があり、勤務先で社会保険に加入していると扶養家族として認められません。
また、上記の条件を満たしているケースでも、障がいのない75歳以上の親や、扶養者以外の人から支援を受けている人は扶養家族とはなりません。
履歴書の扶養家族欄の基本的な書き方
履歴書の扶養家族欄は、正しく記載しなければなりません。そこで、ここからは基本的な書き方をご紹介します。
・扶養家族の人数の書き方
扶養家族の人数欄には、自分が扶養している家族の人数を記入します。
家族が4人で全員を養っている場合は、自分は含めないので「3」と記入します。
「配偶者を除く」と記載がある履歴書の場合は、配偶者を扶養していても、配偶者は人数に含めません。該当する扶養家族がいない場合は、履歴書の欄には「0」を記載します。
・配偶者欄の書き方
戸籍上で婚姻関係にある夫や妻のことを、配偶者と呼びます。
配偶者欄には、配偶者がいれば「有」、いなければ「無」に〇をつけましょう。
履歴書に記載する配偶者には、内縁関係の相手や事実婚の相手も含まれます。そのため、役所に届け出をしていなくても、そのような相手がいる場合には、配偶者欄は「有」に〇を付けても問題ありません。
ただし、戸籍上で婚姻関係にない相手を配偶者とした場合、応募先企業の規定によっては家族手当などの対象外となる場合があります。
そこで、履歴書に内縁関係または事実婚であることを記載しておくか、面接時に直接伝えると良いでしょう。
・配偶者の扶養義務欄の書き方
配偶者の扶養義務欄は、配偶者の扶養義務を負っているかどうかを示す欄です。
配偶者が被扶養者であれば、「有」に〇をします。配偶者の年間収入が130万円以上ある、もしくは配偶者が勤務先の社会保険に加入していれば「無」に〇をしましょう。
ここまでご紹介してきた書き方をふまえ、ここでは「独身で仕送りをする家族がいない場合」を想定し、扶養家族欄の記入例をご紹介します。
・扶養家族数:0
・配偶者:無に〇
・配偶者の扶養義務:無に〇
【ケース別】履歴書の扶養家族欄の書き方
家庭状況に応じて、扶養家族欄の書き方は異なり、必ずしも基本の書き方通りになるとは限りません。ここでは、家庭状況別に扶養家族欄の書き方を細かく解説します。
・配偶者(夫)の扶養に入っている場合
配偶者(夫)の収入メインで生活していて、自分が扶養に入っている場合の扶養家族欄は、下記のようになります。
・扶養家族数:0
・配偶者:有に〇
・配偶者の扶養義務:無に〇
自分の収入で扶養している家族は誰もいないため、子供がいてもいなくても、扶養家族数は「0」になります。
・夫婦共働きで子供がいない場合
夫婦それぞれが働いていて子供がおらず、誰も扶養していない場合の書き方は下記です。
・扶養家族数:0
・配偶者:有に〇
・配偶者の扶養義務:無に〇
・自分の収入メインで配偶者(夫)と子供がいる場合
自分の収入メインで生活していて、配偶者(夫)と子供がいる場合です。夫が専業主夫であるケースや、夫が病気や怪我などで一時的に収入が130万円未満となり、勤務先の社会保険の加入対象になっていないケースも同様に下記の通りとなります。
・扶養家族数:子供の人数
・配偶者:有に〇
・配偶者の扶養義務:有に〇
扶養家族数は配偶者を除き、年収130万円未満の子供の人数を記入します。
・夫婦共働きで子供がいる場合
夫婦共働きで子供がいる家庭なら、扶養家族欄は下記のようになります。
・扶養家族数:子供の人数
・配偶者:有に〇
・配偶者の扶養義務:無に〇
上記は、年収130万円未満の子供がいる場合です。アルバイトをしているなどで年収130万円以上を得ている子供は、扶養家族数に含みません。
・別居中の親族に仕送りをしている場合
配偶者や子供、兄弟姉妹、父母などの直系親族が別居していて、自身が継続的に仕送りして生計を支えている場合です。ここでは、共働きで夫と年収130万円未満の子供と同居していて、別居中の父と母両方に仕送りを毎月送っているケースでの書き方をご紹介します。
・扶養家族数:子供の人数+2(別居中の父と母)
・配偶者:有に〇
・配偶者の扶養義務:無に〇
・母子家庭の場合
配偶者がいない状態で子供を扶養している、母子家庭のケースです。
・扶養家族数:子供の人数
・配偶者:無に〇
・配偶者の扶養義務:無に〇
死別や離婚などで配偶者がいない場合には、子供がいても配偶者欄は「無」に〇をつけることになります。
応募先は扶養家族欄で何を見ている?
採用担当者は扶養家族欄の記載を見て、応募者家族の大まかな人数や子供の数、介護の状況などを推測します。
「子供が小さければ、急な発熱などで仕事を休むこともあるかな」「扶養の範囲で働きたいのかな」など、仕事への影響を事前に把握しておきたいという意図で、扶養家族欄を確認しているケースが多いでしょう。
面接では扶養家族欄をふまえて家庭状況を聞かれることもあるため、働き始めてから職場に迷惑がかからないよう、事前に状況をしっかり伝えることが大切です。
ただし、従業員が扶養している家族の数が多くても、会社が負担する費用はそこまで大きくは変わらないため、扶養家族数が採用可否に直接影響を及ぼすことはほとんどありません。
職場の理解を得るためにも扶養家族欄はしっかり記入しよう!
小さい子供がいたり介護が必要な親族がいたりすると、何かトラブルが起こった際には急遽仕事を休む可能性があります。
そうなると少なからず職場に迷惑がかかってしまうため、面接の際には家庭の状況を正直に伝えておくことが周りの理解を得ることにも繋がります。
扶養家族欄は履歴書の端にあるからと安易に考えず、家庭の状況を伝えるために抜け漏れのないようしっかりと記入することが大切です。
2023年5月19日公開
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