静岡県藤枝市岡部町は朝比奈茶の産地として知られています。

塚﨑さんが働く薮崎園は13代続く老舗の茶園です。

自園での茶栽培のほか、茶商として地域の茶農家とともに朝比奈のお茶を広め、美味しく飲んでもらえるよう新しいスタイルのお茶製品を企画する取り組みも行っています。


塚﨑さんは、転職してちょうど1年。

そこで、朝比奈のお茶については薮崎園社長の薮崎正幸さんに、商品開発を進める部署に新たに加わった塚﨑さんにはご自身の仕事についてお聞きしました。



岡部町「朝比奈」は、室町時代から続く歴史ある茶産地



茶どころとして知られる静岡県。牧之原、川根、掛川、本山など、たくさんの産地が点在しています。

安倍川、大井川、天竜川流域の山間地でも、それぞれの気候を生かした茶葉を栽培しており、薮崎園のある藤枝市岡部町「朝比奈」もそのひとつ。

まずは、朝比奈のお茶について藪崎社長にお伺いしてみました。


「朝比奈は日本三大玉露の産地として知られ、ここでつくられる上質なお茶は品評会でも多くの賞をとっています。

玉露というと宇治を思い浮かべるかもしれません。川流域の山間地で川霧が茶畑を覆う気候など宇治と朝比奈はよく似ていて、玉露に適した土地だとわかります」。

江戸期には将軍家へも献上していた記録が残るなど、当時から朝比奈のお茶の名声は高かったようです。

「朝比奈は山のお茶。寒暖差があり、霧が出る。適度な水分が繊細で美味しいお茶を育むんです。



手間も愛情もたっぷりかけてつくる「朝比奈玉露」は、極上の味わい



中でも玉露の栽培には細心の注意と技術が必要になるといいます。


「特徴的なのは『こもがけ』。茶摘み前の1ヶ月ほど、茶畑に藁で編んだむしろや寒冷紗をかけて日光を遮って育てます。

そうすると茶葉がやわらかいまま色が濃くなる。タンニンが抑えられて苦味が少なく、アミノ酸が強いうまみの濃いお茶になるんです。玉露にするのは手摘みの一番茶だけ、特別なお茶です」。


貴重な玉露は、お値段もお安くありません。出汁を飲んでいるような芳醇でまろやかな味、鼻に抜ける香りもふわりと繊細なさわやかさ。これがお茶?と驚く味わいです。


「例えば普通の煎茶が食事と一緒に飲むワインだとすると、玉露は貴腐ワイン。それだけをじっくり味わって楽しむ。なかなか毎日飲むお茶ではありませんけどね。

この微妙な味がわかるのは、出汁の文化で育った日本人ならでは感覚のようです」。



新しい茶文化を発信。薮崎園の抹茶ラテの人気のヒミツ



薮崎園では玉露以外のお茶も栽培製造。茶葉だけでなく、ボトリングティーや粉末飲料なども幅広く展開しています。

なかでも「抹茶ラテ」は、お湯を注ぐだけで本格的な味も香りも楽しめると人気商品に。


「うちの抹茶ラテは、一番茶摘みのオーガニック抹茶を使用していて、抹茶含有量は17%。お茶屋だからできる贅沢な商品ですね。

いわゆるお抹茶は茶葉を細かく砕いただけですから、お湯に溶けない。

一度、液体のお茶にしてから、顆粒状に戻しています。だから、お家で簡単にとけておいしい抹茶ラテになるんです」。

お茶のおいしさを広めるための商品開発は、薮崎園でも重要な仕事です。



営業職、主婦、コンビニバイトを経て、選んだ職場はお茶の仕事



薮崎園で、その商品開発に奮闘しているのが入社1年目の塚﨑さん。

お茶の仕事や商品開発に関わるのは初めてという塚﨑さんの、これまでと、これから。お仕事に向き合う気持ちをお聞きしてみましょう。


「新卒で水産系の食品会社に入社し営業として働いていましたが結婚後専業主婦に。

3人の男の子の子育てでてんやわんやでしたが、下の子が幼稚園に行き始めるとちょっとゆとりができてそろそろ働きたいなと。

新商品をチェックするのが好きだったので(笑)コンビニで。

スタッフは、外国籍の人、高齢者など、多様性あふれる職場でした。コンビニを辞めて転職する時にはお家に招待してくれる人もいて、ほんとうによくしてもらっていました。


ただ、子どもたちが成長すると教育費がかかる、コンビニでは扶養内でしか働けなかったので、収入を増やしたいと思ったのが転職のきっかけです」。

そのコンビニで7年つとめた後に薮崎園へ。



事務の仕事のハズが…商品開発?私でいいのという戸惑いから楽しさへ



職探しはハローワークで。「やはり食に関わる仕事をしたかったから、お茶屋さんもいいかも」と、薮崎園へ応募。

「仕事は事務職からスタート。注文が来たら出荷の手配、指示書を出して、それから請求書の作成をしたり」。

いわゆる事務を担当していたところが、突然「商品開発やってみたら?」と社長から言われて。


人気商品の抹茶ラテをシリーズ化しようと、まずはほうじ茶のラテをつくろうと、もう一人のスタッフと2人であれこれと試行錯誤中です。

これだ!という味、香りを決めるために配合を変えては社長にプレゼンしていますが、なかなかOKがでません(笑)

現場の人にも飲んでもらってアドバイスをもらったり。商品化は楽しくもあり難しくもあり。そろそろ商品として完成させたいところです」。


パッケージのデザイン決めで行き詰まった時は、デパ地下に行って、食べたり見たり、市場調査も行っています。

人気のインスタからも情報をインプットするなど、新商品好きの塚﨑さんの得意分野が仕事につながっています。



何でもやってみる。そこから広がる世界を楽しむ。全部自分の経験になります


4~5月は本格的な新茶シーズン。静岡県内のお茶屋さんはどこも大忙しの季節です。

塚﨑さんもこの時期は事務の業務を最優先に。


「事務担当の同僚が産休に入ったこともあり、新茶注文が増える時期を迎え、気を引き締めているところです。

少数精鋭の会社ですからみんなの顔もわかるし、仲良くしてもらっています。長く勤めたいですね。


入社の時に、社長から小さい会社だから何でもやってもらうよと言われていましたが、いろんな経験ができるほうが楽しいですよね。

商品開発という好奇心が高まる仕事をまかせてもらえて、うれしく思っています。社長とも直接話ができ、自分の意見もどんどん言わせてもらえています」。


好きなことを仕事に活かして、自分らしく楽しく仕事ができる環境へ。

新しい自分に出会うことができた塚﨑さんのように。未知の業界であっても、興味があれば飛び込んでみると、思わぬ道が拓けていくこともあります。

やってみなくちゃわからない。ちょっとでも気になったら、チャレンジしてみるのがいいかもしれません。


2023年5月29日公開




朝比奈玉露専門店 como

静岡県藤枝市岡部町内谷964-36

tel 054-667-3633

薮崎園ウェブサイト
 

朝比奈玉露のおいしさを広めるために2018年にオープンした藪崎園の公式ショップ。名前の「コモ」は、玉露にかけるこもの意味も込めて名付けられています。朝比奈玉露だけでなく、抹茶や、普段使いの煎茶、ほうじ茶なども販売。人気の抹茶ラテもここで購入することができます。さらに味も香りも濃厚な上質な抹茶ラテ〜翡翠〜も販売中。一度、その味と香りをお試しください。



<執筆>

DOMO+編集部

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