大学生・高校生・中学生3児の母であり、
キャリアコンサルタントの資格をもつママが独自の視点で質問に応えます!


※ 質問 ※
「この春末っ子が中学生になるので、一念発起して15年ぶりに働きに出ようと思っています。でも、履歴書の自己PR欄に何を書けばいいんでしょう。20代の頃の前職の話を書くはしっくりこないし…」



資格や経験を「ドヤっ!」て書けばいいってもんではないのダ


子育て、お疲れサマ〜。15年、子育てと家事に専念してきたんだもんね、ホント大変だったと思う。

で、春からは子どもが新生活スタートなら、自分も「働く」という新しい選択をしようとしているんだね。素晴らしい〜〜〜っっ!!!応援しますっ。


お悩みは、履歴書の自己PRかぁ。

そうね、仕事の成果とか資格とか「ドヤっ!」ってできることを書かなくちゃいけないイメージあるよね。わたしもそう思ってた。

だけどね、レアな資格を持っていたとしても、それだけでは採用する側の心にはそれほど響かないみたい。

てか、15年のブランク期間を経て応募してくれた方は、どんなふうに生きてきた人なんだろう?ってことの方が、よっぽど気になるものらしいよ。



むしろ、何でも書ける!それをどう表現するかが大事


「15年間、毎日夫と子どものお弁当を作りました」これ、どう感じる?


個人的には、この継続できるタフさってスゴイことだと思うの。日常の家事のひとつとしてフツーにやっていたことで、就職の場面でPRできることじゃないと思うかもしれないけど、この事実、強みをどう表現するかだけなんじゃないかな。


「15年間、毎日夫と子どものお弁当を作りました、以上!」はさすがに言葉が足りないよね。

わたしが採用担当者なら「で?」って、突っ込むわよ。


じゃあ、どうするかっていうとこの手順で整理してみて。
1. その事実を思い返しながら、一つ一つ言葉にしてみる。
  ~時間軸、行動量、その瞬間の気持ち、気持ちの変化など~
2. 1であがった言葉やエピソードを、自分の長所にヒモづけてみる。
3. 最後に、それらをひとまとまりのイメージにしていく。



振り返りながら「言葉」に置き換えてみよう


たとえば、こんな感じかな。

◎家族は6:30に起きるところを、毎朝5:00に起きていた。
◎ 前夜バタバタして睡眠時間がとれずに眠い日も、"家族の食生活は自分が守るんだ!"という気持ちで頑張れた。
◎ 長男が思春期でほとんど話さなくなった時も、お弁当を通して会話が成立して嬉しかった。
◎ 気づいたら15年続けていたので、あまり自分の中にスゴイという感覚はない。
◎ 日々、特別に感謝されることはなかったけど日常の営みとして普通にやってきた。

これ、読んでみてどう感じる?

わたしが浮かべたのはこんな人。

「責任感という重い鎖を課すのではなく『日常の営み』という括りで、軽やかにこの大変な家事を15年もやってのけた、精神的にタフでおおらかな女性」というイメージ。

仕事って特別なことの繰り返しじゃなくて、日常の繰り返し=ルーティンがほとんど。


だから、日常生活を丁寧に暮らしてる人っていうのは、仕事においても信頼できるって感じるんだよね。



平凡な日常の中にこそ自己PRのヒントがいっぱい!


実際に言葉にして全体を眺めてみると、

「家族のお弁当を15年間5時起きで休まず毎日作ることで、継続力や精神的なタフさを培うことができました。このことが、意図せず家族との絆につながった面もありました。日常を丁寧に生きることの意味を体感できたことは、仕事に向き合う際にも役に立つと感じています。」こんな感じになるかな。


あなたが頑張ってきたことや、続けてきたことの中に自己PRの種はたくさんあるはず。

自分にとっては当たり前で、自然体でやっていることの中にこそ、他者には真似できないあなたならではの資質や長所が詰まっているものなんですよ。


わたしってどんないいところある?って家族や友達に聞いてみてもいいね^^

母親が何かにチャレンジしている姿というのは、子どもたちにとって、とっても勇気付けられるものなんだって。復職を通して「自己PR」に書けることが増えていく充実感が得られると思うよ。

がんばって!!


2023年3月23日公開


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<執筆>

かざみ侑布(かざみ・ゆう)

キャリアコンサルタント&AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)。大手金融機関で働く現役営業ママ。フルタイム→パート→主婦→パート→フルタイムと結婚&出産&育児&夫の転勤&離婚という女性のライフステージに合わせて働き方をシフトチェンジ。その経験を生かしフリーでカウンセリング中心に活動中。大学・高校・中学生3児の母。

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