
あまり知られていないようですが、週に1日しか働かないバイトにも、有給休暇(以下有休とします)をとる権利があります。
この記事では、バイトがもらえる有休の条件の他、退職時に有休が残っている場合の対処法について解説します。
バイトを辞めることが決まったら有休の残日数を確認!
有休とは、文字通り給料をもらいながらとれる休暇のことです。
しかし、退職するとその権利は消滅してしまいます。
働いている間になかなか有休が取得できず、何日も残っているという方は、退職日までの期間を有休消化にあてるとよいでしょう。
・残っている有給休暇の日数は常にチェック
有休は入社日から数えて、半年後、1年半後と新しく付与されます。(会社によっては、毎年一定の日に一斉に付与されることもあります)
いつ、何日間付与されたか、何日間消化したかなどを自分でチェックしておくとよいでしょう。
自分の残日数が不明な人は、人事部や上司に問い合わせてみてください。
・退職日の前に有給休暇を消化するように計画する
退職を申し出る際は、「3月31日をもって退職します」というように、こちらから希望日を伝えるケースが多いでしょう。
3月1日時点で有休残日数が10日ある場合、3月15日頃まではバイトに出て、3月16日~31日の所定労働日(休日を除く、勤務すべき日)に10日間の有休を取得し、バイト代をもらいながら休むということになります。
有休残日数によって希望退職日が変わってくるので、退職の意思を示す前に確認しておきましょう。
バイトを辞める時に有休を100%消化するためのステップ
退職を考え始めたら、以下のようなステップで準備を始めます。
Step1. 有休残日数を確認する
Step2. 有休を全て消化したとすると、退職日はいつが良いかを考える
Step3. 退職を申し出る際に、有休残日数や有休の取得方法について希望を伝える
例:「3月15日~31日まで、残っている有休10日間を消化し、3月31日に退職したい」など
Step4. 計画的に有休を消化する
・会社は労働者の有休取得希望を基本的には拒めない
労働者からの希望があれば、会社は基本的に有休を取らせなければなりません。
退職時に「有休を消化したい」と伝えて、会社から「No」と言われたら、それは法律違反となります。
ただし、「事業の正常な運営を妨げる場合」においては、有休取得日の変更を会社が求めることができます。
・繁忙期で希望通りに有休を消化できない場合の対処法
「事業の正常な運営」を妨げて、有給休暇が消化できない場合は、以下のような対処法が考えられます。
① 退職日をずらす
有休を10日間消化して、3月31日で退職予定の場合で考えてみましょう。
有休が取れずに退職日まで勤務した場合、退職日を4月10日とし、4月1日~10日を有休消化に充てるということが可能です。
退職日は末日でなくても構いませんし、4月1日から次のバイトが始っていても問題ありません。2つのバイト先から給与を受け取ることは可能です。
② 残日数分の有休を買い取る
何かしらの理由で退職日をずらせず、有休を使いきれない場合、お金に換算して受け取ることが可能です。
「有休の買い取りを制度化すること」は違法ですが、「退職時に消化できない時にお金で買い取ること」はその限りではありません。(会社は、有休を買取る義務はありません。あくまで、会社が応じてくれた場合に限ります)
有休が消えるタイミング
有休が消えてしまうタイミングは2種類あります。
1つ目は「退職した時点」、もう1つは「付与された日から2年後」です。
例えば、有休を大事に3年間貯めたとしても、初年度に付与された有休は2年で失効しますので、3年目には使えなくなります。
有休の日数は「1年間のバイト日数」で変わる
年次有給休暇の付与日数は、働く日数によって法律で定められています。労働日を数える際、2時間でも働けば「1日」とカウントされます。
週に1日、2時間のみのバイトでも有給休暇が付与されるのです。
・週5日または週30時間以上働く場合
入社から半年後に10日間、1年半後に新たに11日間というように付与されます。
雇用形態によって差はありません。
・1週間のバイト日数が4日以下&週30時間未満の場合
付与日数は、以下の表から確認できます。1週間に働く日数によって付与日数が異なります。
図版:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています – 厚生労働省
例えば、週に2日バイトに出る場合は、半年後には有休が3日間、1年半後には新たに4日間付与されます。
有休にまつわる基礎知識
有休についてよくある質問をまとめます。
・有休が与えられる条件
有休がもらえるのは、以下の条件にあてはまる場合です。
・雇い入れの日から6か月以上継続して勤務している
・全労働日の8割以上出勤している
上記の条件を満たすことで、有休が付与されます。
・「全労働日」とは
正社員は就業規則で「年間の労働日数」が定められていますが、バイトの場合は「シフトで勤務と定められた出勤日」を指します。
例えば月に10日間の勤務すべき日がある場合、1日休んだとしても「8割以上」働いたことになるので、有給付与の対象です。この場合、3日休むと全労働日の7割となり、権利がなくなります。
・「有給消化はできない」と言われた場合はどうする?
有休をとることは労働者の権利であり、それを会社が拒否することは原則、できません。
繁忙期などでどうしても難しいと言われた場合は、退職日を後ろ倒しにすることや有休の買い取りを提案してみましょう。
納得できる回答が得られない場合は、「労働基準監督署で聞いてみます」と伝えてみると、人事部が改めて調べてくれるかもしれません。
・他の人に迷惑をかけないように有休をとるには?
労働者の権利とはいえ、忙しい職場だと有休が取りづらいものです。その場合は、以下のようなことに留意してみるとよいでしょう。
・有休をとりたいと、事前に話題にしておく
・休暇中に自分の仕事を誰かにお願いしておく
・不在の間に仕事が滞らないよう、申し送り事項をまとめておく
有休をとる理由を会社に伝える義務はありませんが、「久しぶりに家族そろっての旅行だから」などと伝えることで、周りの理解と協力が得やすくなるということもあります。
・有休はあるけれど、誰もとっていなくて取りづらい
あなたが勇気を出して取得することで、周りの人も休みやすくなるかもしれません。
ぜひ上司やリーダーに相談してみてください。
風邪などでお休みをする時に有休を使う、というのも取りやすい方法です。
・自己都合退職でも有休消化できる?
有休は自己都合退職の時でも消化できすし、会社によってはお金に換えて受け取ることもできます。
バイト先との話が難航したら労働基準監督署へGO!
企業が「有休は消化させない」「有休は与えない」などと主張する場合、うまく説明できずに泣き寝入りしてしまう人もいるかもしれません。
そういうときは、各地域にある労働基準監督署に相談してみてください。適切なアドバイスがもらえるはずです。
2022年12月22日公開/2023年5月26日更新
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