
静岡県静岡市、用宗海岸を見下ろす一軒家の2階が、鎌田さんのヨガスタジオMy Yoga 。ここで、ヨガと筋膜リリースのクラスを運営、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶりです。
鎌田さんとヨガとの出会いは30代半ばを越えてから。自分のやりたいことにたどり着くまでのお話をたっぷりお聞きしてきました。
忙しい毎日に疲れた“自分”を取り戻す、ヨガとの出会い
結婚、出産を経て、手に職をつけようと医療事務の資格を取得し、かつては総合病院に勤務していた鎌田さん。家事・育児・仕事と常にフル稼働!
病院では苦情対応などもあって心身ともに疲労することが多く、同時に親の介護もはじまり自分の時間がなくなっていったといいます。
そんな時、友人に勧められヨガを体験。
「日常を忘れて身体を動かして、呼吸するってこんなに気持ちいいんだ!」とすっかりほれこんでしまいました。
何も考えずに自分自身と向き合う時間が心地よく、休日にヨガでリフレッシュすることで、毎日の生活をがんばれたのだそうです。
「好きなことを仕事に」と子どもに。では、自分はどうなんだろう?
きつい面はあるけれど充実感もあり、仲間にも恵まれた医療事務の仕事。
転機は、子どもたちと進路について話している時に訪れました。
40歳を迎える頃、高校・大学受験を控えている2人の子どもに、「好きなことを仕事にするのがしあわせだよね」と話した自分自身。
その言葉が鎌田さんに跳ね返ってきました。
「子どもに言っておきながら、自分はこのままでいいの?」
はたと考えた時に、ポンと浮かんだのがヨガ。
「気持ちも身体もリフレッシュさせてくれるヨガを、もっと多くの人に広めたい!まだ数回しか行ってないのに、ね」と、笑いながら当時のことを回想してくれました。
ヨガを仕事にするにはどうすればいいの?からスタート
資格はどうすればとれるの?どう勉強したらいいの?
「当時42歳。今から新しいこと始めるのって難しいかなとも思ったけれど、知りたいことは学ばなきゃ!」
平日は病院の仕事、週末にヨガの勉強。
ヨガインストラクター養成学校に通い、解剖学や栄養学も学びテストを受け、約半年でインストラクターの資格を取得しました。
「家族には全部、事後報告!夫は最初『え?ヨガ?』と驚いていましたが、反対はされませんでした。好きにすればいいよと認めてくれ、子どもたちも応援してくれました。仕事も半年後に辞めますと予告してきちんと整理してから辞めました」。
スタジオを開くのに資格が必須というわけではないのだそう。
でも鎌田さんは自分自身がヨガをもっと知りたい、しっかり学びたいとの思いが強く、資格取得の勉強がとてもためになったとのこと。
「学べば学ぶほど深いなあって。身体を単に動かすだけでなくて、呼吸を深めてメンタルにも働きかける。体と気持ちが繋がっている。
身体も心もやわらかくなってくるんですね。すっきりしてストレスも減って、前向きになる。自分がこんなに楽になったんだから、みんなに知ってほしい」。
いよいよヨガインストラクターに!公民館から一軒家に。
2016年4月。最初は近くの公民館から教室をスタート。
手作りのチラシを近所に配ったり。友人たちに声をかけたり。
口コミで参加する人が順調に増えていきます。
しかし、公民館はさまざまな集会やイベントが行われるため毎週同じ時間が取れなくて開催日がバラバラ。
困っていると、「義父の知人が空き家になっている一軒家を紹介してくれ、2016年8月から現在の場所に。2階をヨガのスタジオに、1階は私にヨガをすすめてくれた友人がリンパマッサージのサロンを開いています」。
「コロナ前は定員8名で行っていましたが、今は6名で、女性限定。異性がいることで刺激を受けてしまっては、リラックスができない方もいるかもしれませんし、何より、生活に忙殺されている女性やママを助けたいという気持ちも強かったので、今は女性限定にさせてもらっています」。
90分1000円。「来たい時だけ来てくれればいいんです」
月曜以外、1日3回。筋膜リリースまたはヨガのクラスを運営。どちらも1回90分を1000円の料金で行っています。
安くないですか?と、お聞きしたくなる料金です。
「言われますね。とにかくヨガの良さをみなさんに知ってもらいたい、これでいいんです。教えているというより、一緒に学ばせてもらっている感覚ですね。月謝や会費制だと行かないのにお金だけ払うことになったりもして、そんな風にモヤモヤしてほしくない。行きたい時に気軽に行こう!って思ってもらえるのがいちばん」。
この金額でも、収入面では前職よりも多いそう。「だから安心してください」とユーモアたっぷりに話してくれました。
SNSなどで告知をしているわけではないけれど、口コミで来てくれる方が多いそう。なんと10代から70代の方まで幅広く。
「姿勢良くなったけどなんで? ヨガ行ってるの? 私も行きたい!」と始めた人から次の人へ、ヨガのポジティブなパワーが広がっています。「ヨガを通してのこのご縁に、感謝の気持ちでいっぱいなんです」と充実した表情で話してくれました。
比べたり、競ったりしない。自分と向き合ってひとりひとりのヨガを
癒されたい。ダイエットしたい。日常を忘れたい。肩こりを治したい。来ている方がヨガに求めるものはさまざま。
それでいいと鎌田さん。
「自分を見つめて、自分を感じる。周りに合わせるのではなく、人と競うのではなく、自分の身体が気持ちいいと思うことをしてあげて」。
「ヨガと出会ってよかった」。鎌田さんの声が明るく響きます。
仕事との向き合い方でアドバイスを…
「私は遠回りしながらも、好きなことを仕事にできましたけど、そうならない場合もありますよね。それなら、仕事とは別に、全力で好きになれるものを見つけること。そうすると、暮らしがかわってきます」。
鎌田さん自身、まだまだ勉強していきたい。ヨガに関心がある男性が増えているのにその受け皿が少ないから、そういう場もつくっていけたらとも考え中。
ヨガを広めることへの意欲は増すばかりです。
何かを変えたい、一歩踏み出したいと思っている方、ヨガで自分と向き合う時間をつくってみるのはいかがでしょうか。
2022年12月14日公開
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