
子育てや家事のサポートを時間制で行っている大手さん。
幼稚園教諭や寮のまかない作りなど、次々と興味のある仕事に取り組んできた、そのすべての経験を活かして立ち上げたのが「子育てサポート ちょこっと」です。
文字どおり、ちょっとだけ助けてほしいママ、パパ、じいじ、ばあばの味方。
どんなことをしているの?どんな働き方なの?どんな経験がいきているの?聞きたいことがいっぱい。大手さんにじっくり答えてもらいました。
やりたいことには、とにかく飛び込んじゃいます。
「仕事はいろいろしてきました。基本、好きなことをしてきたんですけど」と、満面の笑みの大手さん。
短大で幼稚園教諭の免許を取得し、卒業後は幼稚園に勤務。
子どもの成長を見るのは楽しかったんで、『天職だ!』と思ったんですが。
受け持った子どもたちが卒園する頃には「私には保育以外にも何かできることがあるのかも」と3年で退職。
次は療養施設で住み込みで働き、病いを持つ人や不登校の子どもなどと接する暮らしも経験。
その後も商業施設の託児所や近隣の幼稚園の延長保育を頼まれたり。
専門的なこともしっかり学びたいと通信教育で保育士の免許も取得しました。
自身の子育てと保育士の勉強が重なったことは、とても有益だったそうです。
その後のアルバイト先である造り酒屋では、「まかない作ってみない?」と、住み込みで酒づくりをしている蔵人たちの食事作りをも担当。
予算内で工夫して作るのもやりがいがあるし、居酒屋風に品書きを和紙にしたためたりと、人に作る料理の楽しさを実感したのです。
これらの経験がすべて、今の子育てや家事のサポートのベースになっています。
ママ友たちの息抜きの空間を提供、この時のネットワークも味方に。
もうひとつ、子育てママの視点も持ち合わせているのが大手さんの強み。
「自分の子育て中のこと。ママ友たちの中に、例えばドライフラワーやアクセサリー作りなど、先生級の技術を持っていたり、資格を持っていたりするのになかなか発揮する場所がない。で、うちを開放したんです。その頃(約8年前)はまだワークショップをやる場所もなかったので、ママや子どもたちがものづくりを通して楽しんでくれたのが嬉しかったです」。
集まる場所があることでママたちがほっとひといきつけるように。
サービスで出していたおにぎりと味噌汁のランチも評判になり、大手さんのお料理目当てで集まる人もいたほどでした。
悩みを聞いているうちに、サポートしてくれる人がいればいいのに!と気づき、それわたしがやっちゃおうと!
この時のママ友ネットワークが、仕事にも活きてきます。
困りごとを抱えているママ達への「ちょこっと」サポートはじめます!
自分の得意なこと・好きなことで喜んでくれる人がいる、それならそれを仕事にしちゃえ!と、持ち前の行動力を存分に発揮。
自身の子育てが一段落したのを契機に、いよいよ「ちょこっと」の始動です。
大手シッターサイトに登録して起業のためのノウハウも習得。
子育ても、家事も、安全・安心のもとに行うべきもの。
法律関係を調べ県への申請も適格に。食品衛生管理者も取得。保健所にも相談してできることとできないことを明確にしました。
フリーランス保険にも加入。仕事とするからには、命を預かる責任感と覚悟を持って臨んでいます。
家事を頼むことに罪悪感なんて持たないで!
「ちょこっと」でいちばん多いのは家事サポートの利用。
料理は2時間で7~8品程つくります。
単に料理を作るだけでなく、小学生や中学生といっしょにお話をしながら料理を作る。
ママといっしょにお弁当を作るなど、それぞれのリクエストに応じて対応します。
初めての利用者さんは、面談をして何を望んでいるのか明確にしてから。台所のどこに何があるかもきちんと把握。
事前に確認しておけばサポート当日にスムーズに作業ができ、その分ママもおうちのことや子どもたちと過ごす時間が増えるので。
「ありがとうって言ってもらえて、ありがとうって返して。いい仕事です」喜んでくれるのが本当にうれしいと大手さんは話します。
子育てママさんたちへ。「大丈夫。あなたはあなたのままでOK!」
都会と違い、『お金を払って子育てや家事を頼むってどうなの』という風潮も確かにあります。でも家事が苦手な人もいる、実家も遠くワンオペ育児で疲れきっているママもいます。
「子どもを見ているから2時間好きなことをしていいよと、ママに自由な時間をあげたい。
昨日は何もできなかったというママにも、いいよ、そういう日もあるよって言ってあげたい。
子育てしながら、家事もして、働いて。それじゃあ気持ちが張り詰めっぱなし。手を抜くことに罪悪感持たなくていいんだよ。
がんばっているんだもん、100点満点でしょ」。
大手さんのあたたかい笑顔と言葉に取材スタッフも癒されます。
人生を楽しむための働き方を目指して
保育士に復帰する、正社員で働くなど、いろんな選択肢がある中で、大手さんが自分でちょこっとを立ち上げようと思った理由のひとつに、時間が自由に使えるということもありました。
月に一度子ども食堂の運営にも関わり、この間は中学生の息子さんが友達と手伝ってくれたとうれしそうに話してくれます。
「頼まれると“やってみたい!”とワクワクするものには飛びついてしまうので、時々キャパオーバーになりそうですが」でもまだまだやりたいことがいっぱい。
シェアキッチンでの料理提供もやってみよう。テイクアウトもどうかなと、ちょこっとの可能性は無限大。
いろんな「ちょこっと」さんがでてきてほしい。
誰かの困りごとをちょっと助けてくれる「ちょこっと」さんが、増えてくれるとうれしいと大手さん。
「子育てや家事だけでなく、それぞれの得意なことでサポートする仕事っていいでしょ。働き方も多様になって、勤めるだけじゃない時代。うちもモデルケースの一つとなって広めていけたらいいな。」
最後に、これから働こうとする女性に、ママたちに。
「働いて新たな世界が広がることで学ぶことも多いので、外に出て働くのは大賛成。でも、これじゃない…ともやもやしながら働くと楽しくなくなって、家庭との両立もうまくいかなくなっちゃう。長く続けなくちゃと思うと物怖じしちゃうでしょ。合わなきゃやめればいいって、そのくらいの気持ちで。自分の人生を思いきり楽しまなくちゃ」。
素敵なエールをいただきました。
2022年10月28日公開
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