
クラウドソーシングの普及により、「ライター」という仕事を身近に感じている人も多いのではないでしょうか?特別な文章力がなくてもできる仕事もあり、副業にする人も増えています。この記事ではライターの仕事内容や働き方、必要なスキルなどを紹介します。
ライターってどんな仕事?
雑誌やWebサイト、広告などに掲載される記事の「文章を作成する」のがライターの仕事です。クライアントや編集者が作成した構成に沿って執筆するのが一般的ですが、自分で構成を考えるケースもあります。
ライターは基本的には文章作成がメインですが、中には編集の一部を行うケースもあります。ここでは、編集者との違いやライターの働き方について具体的に紹介します。
■ ライターと編集者の違い
編集者の主な仕事は次の通りで、基本的には記事の執筆は行いません。
・クライアントからの企画やテーマをもとに記事の構成を作る
・ライターの選定と執筆依頼
・ライターのスケジュール管理
・提出された記事のチェックと修正依頼
なお、フリーランスの編集者の場合、上記に加えてクライアントとのやりとりも行います。
■ 働き方(雇用形態)はさまざま
ライターの働き方は、大きく分けると直雇用とフリーランスの2種類です。企業に雇用される場合、正社員、アルバイトやパート、派遣社員など雇用形態はさまざまで、自社の雑誌・教材・Webサイトなどの記事制作を担当します。
フリーランスの場合は、専業で働くケースと副業にするケースがあります。いずれもさまざまなクライアントからの依頼を受けますが、自分で仕事を見つけるのが基本です。そのため、執筆活動に加えて営業=自分を売り込む必要があります。
ライターの仕事内容
ライターの仕事内容は、媒体(メディア)・記事テーマによって異なります。ここでは、記事の主な種類を紹介します。
【Webサイトのライティング】
一般的には「Webライティング」と呼ばれ、企業のWebサイトや個人のブログなどでSEOを意識した記事を執筆します。また、インタビューの文字起こし、取材記事などを担当することもあります。
ちなみに、SEO(Search Engine Optimization)とは、Webサイトを検索結果の上位に表示させる仕組みのことで、日本語では「検索エンジン最適化」といいます。
Googleなどの検索エンジンでは入力したキーワードに関連が深いサイトが上位に表示されるため、検索意図に沿った質の高い記事を書く技術が求められます。もちろん、ベースとなるSEOの知識習得も欠かせません。
【紙媒体のライティング】
雑誌や書籍、フリーペーパーなど紙媒体のライターは、出版社に雇用されるケースもあります。執筆すべきテーマは媒体ごと決まっているため、編集者からの依頼を受けてコンセプトに合わせた文章を書きます。
紙媒体はSEOを意識する必要はありません。読み物として面白みのある文章や、日本語として正しい文章を書くスキルが求められます。
なお、企業パンフレットや製品の取扱説明書などを担当するライターは「テクニカルライター」と呼ばれます。テクニカルライターは専門的な内容を理解して、わかりやすい文章に置き換える技術が必要です。
【SNSライティング】
TwitterやInstagramなどのSNSで、企業アカウントの投稿内容を書くのもライターの仕事です。文字数に制限があるため、短い文章でもしっかり伝わるよう表現を工夫しなくてはなりません。
また、SNSは拡散力があることが強みです。ターゲットとコミュニケーションを意識した親しみやすい文章を心掛けると同時に、誤りや不適切な内容で炎上しないよう注意する必要があります。また、多数の投稿の中で興味をひくような画像を選定・編集する作業も発生します。
【Web広告のライティング】
GoogleやSNSに表示される広告、ポスターのキャッチコピー、求人広告などもライターが作成します。基本的には20文字程度の短い文章で見る人の心を惹きつける「コピーライティング」と呼ばれるジャンルです。
さらに、購入や利用申込みにつなげるために、商品やサービスの魅力を具体的に伝える表現力が求められます。また、ターゲットの行動や心理を理解するために、マーケティングの知識も必要です。
ライターのメリット・デメリット
ライターという仕事にはどのような面白さや苦労があるのでしょうか。ここでは、そのメリット・デメリットについて解説します。
■ ライターのメリット・仕事の面白み
テレワークが浸透した今、フリーランスはもちろん直雇用のライターも場所にとらわれずに働けるケースが増えています。そのため、自分のペースで執筆に集中できるのがメリットです。
フリーランスの場合は場所だけでなく、時間も自由に選べます。家事や育児の空き時間を活用したり、副業として休日に執筆したりすることも可能。努力次第では報酬アップも期待できます。
そして、何よりもWeb上であれ紙面であれ、自分の手掛けた文章がカタチになって多くの人の目に触れるのは嬉しいものです。自分の記事が誰かの心を動かすきっかけになっているかもしれない、そんな喜びを感じられるでしょう。
■ ライターのデメリット・つらい点
デスクワークとはいえ、文章を考えて書き続けるのは簡単ではありません。企業によっては上司や法務、カスタマーサービス部などに記事チェックを頼むこともあるため、思いのほかコミュニケーションが多くストレスを感じることも。
また、フリーランスは、執筆以前に自分で営業をしなくてはなりません。初めのうちは仕事を獲得することが難しく、収入が不安定になりがちです。単価が低かったり、執筆に時間がかかったりした場合、時給換算すると驚くほど安くなってしまったなんてことも考えられます。
あまり得意ではないジャンルの記事を依頼されたときなど、情報収集だけで多くの時間を費やしてしまうことも。ライターとしての幅を広げるためには、偏らずにさまざまなジャンルのインプットが欠かせません。
■ ライターに必要なスキル・向いている人とは?
ライターに必要なスキルは、主に次の3つです。
・文章能力
・コミュニケーション能力
・責任感・誠実さ
文章能力といっても、小説家ではないのでオリジナリティやインパクトは不要です。必要なのは、論理的で正しい文章が書けること。加えて、構成力もあると重宝されます。
また、どんな記事が求められているかを構成から読み取る能力や、クライアントからうまくイメージを引き出すヒアリング能力も必要です。編集者とはこまめに連絡を取り合う必要があるため、「報告・連絡・相談」といった基本的なビジネスマナーを心掛けることも求められます。
当たり前ですが納期を守ることや、依頼された仕事を最後までやり遂げる責任感や誠実な姿勢は特に重要!信頼を失うと仕事の依頼がなくなる可能性があるため、フリーランスは十分注意すべきでしょう。
■ ライターの将来性・キャリアパス
クラウドソーシングやWebサイトの普及により、比較的気軽に就けるWebライターは急激に増加しました。しかしながら、納期をしっかり守って、クライアントが求めるレベルの執筆ができるライターはまだ不足しています。そのため、誠実に仕事ができて、質の高い記事を執筆できるライターは今後も需要が高いでしょう。
コツコツと執筆を続け、将来的にはライターとしての知名度を上げて単価アップを狙うもよし。興味があれば、編集者や校閲者になるのもおすすめです。
まとめ 向いている人には天職の仕事!
ライターは、向いている人にはやりがいが大きく夢のような仕事!正しい日本語が使えて、締切を守るなどの基本的なビジネスマナーを心得ていれば基本問題ありません。フリーランスになれば、時間や場所にとらわれず自分のペースで働けます。興味のある方は、さまざまなライターの仕事をチェックしてみてください。
2022年10月12日公開