
バイト面接はただでさえ緊張するうえに、普段なかなか使わない敬語を使う場面もあります。
最低限の敬語が使えないと、面接官の印象が下がってしまう可能性も…。
この記事では、面接でよく使う言葉遣いや使い方の例を紹介します。
バイトの面接を機に、社会人として恥ずかしくない言葉遣いをマスターしておきましょう!
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バイト面接の言葉遣い基本のマナー
日頃使い慣れない敬語は、とっさには出てこないものです。
面接の場でうっかり友達感覚の言葉が出てしまわないよう、まずは基本的なマナーについてご紹介します。
・自分のことは「わたし」「わたくし」と言う
普段、自分自身のことを「僕」「俺」「自分」などと呼ぶことがあると思いますが、これからはカジュアルな表現なので面接ではNG!
男女問わず「わたし」「わたくし」と表現するようにしてください。「わたくし」のほうがさらに丁寧な印象を与えられます。
・応募先のことは「御社」と言う
応募先のお店や企業のことは「御社(おんしゃ)」と言います。
「こちら」「そちら」や、「ドーモ様」のように「企業名+様」を組み合わせるのも間違いです。
また、面接などの対面の場では「御社」ですが、履歴書やメールなど対面でない場合は「貴社」となることも覚えておいてください。
相手が銀行ならば「御行」、郵便局なら「御局」というように言葉が変わります。
・語尾の発音に注意!
語尾を伸ばしたり、「~みたいな」などという、くだけた表現を使ったりすることは避け、語尾は「です」「ます」と短くはっきり区切ります。
語尾を伸ばして話すクセがある人は要注意です!
・「あの」「えっと」「うーんと」は多用しない
面接官から質問されて考えている時や、言葉に詰まった時に、「あの」「えっと」「うーんと」などのつなぎ言葉をなるべく使わないようにしましょう。
多用しすぎると、自信がない印象を与えてしまいます。
・あいづちで「なるほど」「たしかに」は使わない
面接官が言ったことに対してあいづちを打つ時は、「はい」「おっしゃるとおりです」などと、はっきり答えてください。
日常会話でよく使いがちな「なるほど」「確かに」などは敬語ではなく、目上の相手に使うのは失礼にあたります。
特に「なるほど」には「相手の言ったことを評価する」というニュアンスがあるので、無意識に出てしまう人は特に注意しましょう。
・ 若者言葉に要注意!
以下のような言葉はつい会話の中で出てしまいがちです。なれなれしく、礼儀に欠ける印象を与えてしまいますので、十分注意してください。
・「ていうか」→「むしろ」
・「~みたいな」「~的な」→「のような」
・「めっちゃ」「すごい」「まじ」→「とても」「非常に」
・「でかい」→「大きい」
・「ぶっちゃけ」→「正直に申し上げますと」
あいまいな表現はなるべく避ける
日常的に使う「大丈夫」は、承諾と否定のどちらの意味にも取れるため、面接では使わないほうがよい表現の一つです。
例えば「週末はシフトに入れますか?」と聞かれた時は、「大丈夫です」ではなく、「はい、入れます」というように、明確に伝えるようにしましょう。
また、「そういったところで…」などの「こそあど言葉」も、不必要に使わないように気をつけましょう。
基本をチェック!間違いやすい「敬語」について
敬語には以下3つの種類があります。
尊敬語と謙譲語は覚えておかないと使えない言葉がありますので、以下の一覧表にある言葉を何度も音読し、使い慣れておくとよいでしょう。
1. 尊敬語: 動作をする「相手」を高めて、尊敬を表す敬語
例:部長が職場にいらっしゃった。/部長が「よい」とおっしゃった。
2. 謙譲語: 自分の側がへりくだり、自身を下げ、相手を立てる言葉
例:私が職場に伺った。/私が「よい」と申し上げた。
3. 丁寧語: 文末の「です・ます」や、名詞の前に「お・ご」をつける丁寧な言葉
例:私がバイト先に行きます。/私はそれでよいです。
基本の形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
行く・来る | いらっしゃる おいでになる | 参る・伺う | 行きます |
帰る | お帰りになる・帰られる | おいとまする | 帰ります |
する | される・なさる | いたす させていただく | します |
言う | おっしゃる・言われる | 申す・申し上げる | 言います |
聞く | お聴きになる | 伺う・拝聴する | 聞きます |
見る | ご覧になる | 拝見する | 見ます |
会う | お会いになる・会われる | お目にかかる | 会います |
食べる | 召し上がる | いただく・頂戴する | 食べます |
会社 | 御社(おんしゃ・話し言葉) 貴社(きしゃ・書き言葉) | 弊社 | |
銀行 | 御行(おんこう・話し言葉) 貴校(きこう・書き言葉) | 弊行 |
・バイトで間違いやすい表現一覧
間違った表現の形 | 正しい表現 |
---|---|
了解です。 | 承知しました。 かしこまりました。 |
ご苦労様です。 ※ご苦労様、は目上の人が目下の人にかける言葉 | お疲れ様です。 |
どちら様ですか。 | お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。 |
おつりになります。 | おつりでございます。 |
1万円からお預かりします。 | 1万円をお預かりいたします。 |
すみません。 | 申し訳ありません。 失礼いたしました。 |
注意すべき日本語1.「~させていただきます」
一見、丁寧に聞こえる表現ですが、「~させていただきます」は敬語を重ねる二重敬語。
正しくは「~しております」もしくは「~いたします」となります。
間違いやすい二重敬語はたくさんあるので、調べておくことをおすすめします。
(例)
誤:大学ではサッカー部のキャプテンをさせていただいております。
正:大学ではサッカー部のキャプテンをしております。
注意すべき日本語2.「よろしかったでしょうか」
「よろしかったでしょうか」は、現在の出来事にもかかわらず、過去形を使用している典型的なNG例!
日本語として不自然なため、面接の場では避けましょう。
(例)
誤:提出書類はこちらでよろしかったでしょうか?
正:提出書類はこちらでよろしいでしょうか?
注意すべき日本語3.「~になります」
「~になります」は、物事の変化を表すときに使う表現です。
変化しないものや場所などに対して使うのは間違いですので、「~です」を使いましょう。
(例)
誤:「こちらが履歴書になります」
正:「こちらが履歴書です」
誤:「大学の最寄り駅は〇〇になります」
正:「大学の最寄駅は〇〇です」
注意すべき日本語4.「参考になります」
「参考になります」という言葉は、「参考程度に聞いておく」「(相手の意見を)足しにする」というニュアンスがあるので、目上に方に使わないほうが良いでしょう。
(例)
誤:「貴重なご意見、参考になりました」
正:「貴重なご意見、勉強になりました」
注意すべき日本語5.「了解しました」「わかりました」
面接中、仕事内容やシフトなどについて提案をされた時、それに対して承諾する場面もありますね。
そのような時には「承知しました」「かしこまりました」を使います。
一見、丁寧な言葉に聞こえますが、「了解しました」「わかりました」は使わないようにしましょう。
特に「了解」という言葉は、目上の人が目下の人に対して使う表現なので要注意です。
(例)「次の面接の日程ですが、今月の○日でよろしいですか?」と聞かれた時
誤:「はい、了解しました」
正:「はい、承知しました」
コミュニケーションを円滑にしてくれる「クッション言葉」
何かをお願いする時や相手の依頼を断るときなど、言いづらい言葉を発する時ほど、相手の受け取り方に配慮をし、トゲのない表現を心がけたいものです。
そこで役に立つのが「クッション言葉」。
会話の中にクッション言葉をはさむことで、相手への配慮を表現することができます。
以下に使いやすいクッション言葉を紹介しますので、機会を見つけて使ってみてください。
クッション言葉1.「恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」
(例)恐れ入りますが/申し訳ございませんが、もう一度ご説明いただけますか。
クッション言葉2.「差し支えなければ」
(例)差し支えなければ、具体的な例を教えていただけますか。
クッション言葉3.「あいにくですが」
(例)あいにくですが、午前中はシフトに入ることができません。
クッション言葉4.「ご迷惑をおかけしますが」「お手数をおかけしますが」
(例)ご迷惑をおかけしますが/お手数をおかけしますが、メールを再送いただけますでしょうか。
言葉遣いは慣れも必要。基本的には「大きな声でゆっくり話す」ことが大切
敬語は実にたくさんあるので、すべてをスラスラと使うのは難しいものです。
正しい日本語を理解するだけでなく、口に出して何度か練習しておくと、必要な時にすっと出てくるようになります。
言葉遣いに気をとられすぎて、声が小さくなってはもったいないので、「ゆっくり、はっきり話すことが基本」と覚えておいてください。
2022年9月16日公開/2023年10月24日更新
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