大学・高校・中学生3児の母であり、
キャリアコンサルタントの資格をもつキャリコンママが独自の視点で質問に応えます!


※ 質問 ※
「子どもが小学生にあがるタイミングで、パートに出たいと考えています。理由は、家計の足しになればと。でも、家事育児との両立で時間のやりくりが大変そうだし、家族の理解は得られるのか……とためらってしまいます。かたや教育費や老後の資金のことを考えると不安でたまらない。お金と仕事、どう考えたらいいの?」



ばく然としたお金の不安はみんなが持ってるもの。具体的にしていくのが◎


老後2000万円問題、覚えてますか?

金融庁による2019年の報告書が発端となったこの用語、「老後に2000万円足りなくなる」「老後2000万必要」と人によっていろいろな捉え方があったようだし、言葉だけひとり歩きしてて実際よくわかんないって人が多い。


で、調べてみたよ。報告書によると「2017年の高齢夫婦無職世帯の平均収入から平均支出を引くと毎月5.5万円足りなくなるよ〜。5.5万円×12ヶ月×30年=1980万円。老後までに2000万円は少なくとも準備したいよね!」ってこと。


でも、支出の計算はちょっと待って!実収入が20万円強、実支出が26万円強、そして平均貯蓄額として約2500万円の世帯が想定されているのだ。

そんなにみんな貯蓄してんの?平均値って極端な値も入ってくるからなぁ。金額ってところでは、世帯による差が出そうなところだね。


結局、誰にでも平等に降りかかってくるのが「お金の不安」ってことなんだろう。

じゃ、お金そのものとどう向き合うのか?ってことが重要なんじゃないかなぁと思えるね。



まずは、収支をちゃんと把握してみよう!


1円単位までケチケチと割り勘にする上司だったらドン引きするから、どんぶり勘定が悪いとは思わないよ。


でも、家計においては「いくら入ってきていくら出ていっている?」を把握するのがとっても大切。

でもね、たいていの人が「だいたいわかってる!」といって、ちゃんとやらないの。

だからね、収入増えても貯まらないし資産も増えないのよ。


まずは、現在地を把握してみるってのが何より重要。

現在地の把握をやってみるとね、、、今のままいくと足りない、足りなくなりそうっていう人が多いと思う。

でも、それは「今のまま」だったらということ。

だから、入ってくる方=収入を増やしたらいいんだよね。



収入を増やす方法も様々。“ママが働くこと”もひとつの選択肢。


どのくらいの期間で増やすのか?の観点を入れるとより具体的なビジョンが見えやすい。


例えば2年後のマイホーム購入のための資金調達なら、今すぐ収入を増やす必要がある。

老後の資金準備なら、まだ時間をかけられるので、今すぐ多額は不要。

老後も収入が得られる方法を考えてみる。

働き続けるもよし、副業やるもよし、家賃収入、配当収入などの不労収入を得る仕組みを作ってもいい。


ただ、不労収入を得るためにはまず資金が必要なことが多いので、家族の誰かが新しく働き始めるということは収入UPの近道。

でも、育児や介護で難しいという主婦もいるよね。

何がクリアされれば働くことができるのか?できない理由からやるための課題を見つけていくことに目を向けてみると、意外と道が見つかることもある。


家族の協力であったり、支援機関の利用であったり、思いつくことはみんな挙げてみるといい。

いま現在働いていないのならば、仮に「働かない」という結論だったとしても金銭的なリスクはない。気楽にシミュレーションしてみることをオススメする。

課題を考えてみるプロセス自体に、お金の不安をなくしていくヒントが詰まっていると思うよ。



お金の不安はなくならない!?けど、小さくできる。


こんな時代に「お金の不安はありません」っていう在り方は、なかなか難しいよね。

でも、小さくすることはいくらだって可能。

得体の知れない相手に対しては恐怖は膨らむばかりだけど、自分のいる位置とか相手の正体やサイズを把握できれば、不安に対する対策が打てるようになる。


で、不安も小さくなるし現実のこととして対処していけるようになる。ひとそれぞれ、性格も価値観も生き方も違うように、お金との向き合い方も正解はないんだよね。

よく言われるように「お金に使われるのではなく、お金を使う」、この視点が大切かなと思います。

お金と上手に付き合って、シアワセな人生を紡いでいきたいですね♪



2022年8月1日公開

<執筆>

かざみ侑布(かざみ・ゆう)

キャリアコンサルタント&AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)。大手金融機関で働く現役営業ママ。フルタイム→パート→主婦→パート→フルタイムと結婚&出産&育児&夫の転勤&離婚という女性のライフステージに合わせて働き方をシフトチェンジ。その経験を生かしフリーでカウンセリング中心に活動中。大学・高校・中学生3児の母。

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