コロナ禍によって外での活動が制限され続けてきた就活生。エントリーシートのガクチカで何について書けば良いのか悩んでいる人も多くいるかもしれません。そのような人におすすめしたいテーマが、アルバイトの経験です。


とは言え、ありきたりな内容のアルバイトでは面接官の興味を引けないと不安を抱えている就活生も多くいるはず。そこでこの記事では、ガクチカでアルバイト経験を効果的にアピールして面接官の心をつかむコツを、例文付きで解説します。

※ガクチカとは…学生時代がんばったこと・力を入れたことの略称



ガクチカでバイトの経験をアピールするのはあり!


結論から言うと、ガクチカでアルバイトの経験をアピールするのは「あり」です。


ガクチカでアルバイトの経験についてアピールし、内定につながっている就活生はたくさんいます。重要なのは、いかに書き方や伝え方を工夫して、面接官の関心を引ける内容にできるかどうかです。



ガクチカで面接官が見ているもの



まずは、面接官がガクチカを通じて着目しているポイントについて見ていきましょう。


● 困難を自己成長の糧にできるか?
 

面接官がガクチカで重視するのは、成果よりもプロセスです。就活生がアルバイトをする中でどのような困難に直面し、どのように克服したか、結果として何を学んだかを見ます。課題への取り組み姿勢は入社後の業務態度にもつながります。


● 長く働いてくれる人材か?
 

面接官は、就活生が採用後に長く働いてくれる人材かどうかに注目します。新入社員が入社1年目で辞めてしまえば、新たな人材を探す必要があるため、損失につながってしまいます。このような事態を避けるためにも、面接官はガクチカを通して長く働いてもらえそうかどうかを見極めます。


● 自社で活躍できる人材か?
 

面接官は、将来的に活躍してくれる人材かどうかに着目します。現在のスキルやこれまでの経験はもちろん、コミュニケーション能力や協調性、創造性、論理的思考力、問題解決力など、現場で役立つ力を備えているかどうかをガクチカのエピソードで探ります。



ESでバイトの経験を書くためのステップ



ES(エントリーシート)でアルバイトの経験を書く際に役立つ3つのステップをご紹介します。これらのステップを押さえておけば、アルバイトの経験が自分の強みをアピールするガクチカエピソードに仕上がるでしょう。


① 伝えたいテーマに合うエピソードを考える
 

まずは自分がアルバイト経験を通じてアピールしたいテーマを決め、そのテーマにマッチしたエピソードを考えます。例えば、自分にリーダーシップがあることを伝えたい場合、アルバイトの現場で指導力を発揮して成果を出した時のエピソードを準備します。


具体的なエピソードが思い浮かばない場合は、とりあえずアルバイトに関係するさまざまなエピソードを簡単に書き出してみましょう。その中から伝えたいテーマにマッチしたエピソードをピックアップします。



② 5W1Hを意識しながら具体的に書く
 

面接官がガクチカの内容を理解しやすいよう、アルバイト経験の背景事情をきちんと説明することが大切です。たとえば、「指導力を発揮して現場の不満を解決しました」だけでは、面接官は具体的な状況がイメージできません。


ガクチカのエピソードは、5WH1、つまり「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:なにを」「Why:なぜ」「How:どのように」を意識することが大切です。そうすれば、論理的な流れに基づいた具体的な内容に仕上がります。



③ 経験から学んだことや自分の強みをアピールする
 

アルバイトの経験から学んだことをきちんとアピールしましょう。アルバイト経験から得た教訓が今の自分の考え方や行動にどう影響しているかが面接官に伝われば、成長の見込みがある人材だと思ってもらえる可能性があります。


また、自分の具体的な強みを書くことも大事です。例えば、「バイト仲間と協力しながら課題を乗り越えた」というエピソードなら、協調性やコミュニケーション能力が高い人材というアピールにつながります。



【職種別】ガクチカ×バイトの例文



それでは次に、ガクチカでアルバイトの経験について書く場合に役立つ例文をご紹介します。ぜひ自己PRの参考にしてみてください。



ファミレス・居酒屋などの飲食バイト
 

「大学1年の秋から2年間、居酒屋でアルバイトとして働きました。自分には居心地のよい職場でしたが、新人が次々に辞めていくため、教育係の自分にもしわ寄せが来るようになりました。


そこで、新人が入りたての時期などは特に積極的に声をかけるなどして不安や不満に耳を傾けました。新人には自分なりにアドバイスを行ってサポートに回るとともに、改善に向けた意見も添えて先輩や店長に状況を相談しました。


結果、一部の新人は辞めずに定着したので、離職率低下につながりました。この経験を通じてチームワークにおける信頼関係構築の大切さを学びました。」



コンビニ・スーパーなど販売バイト
 

「私は大学1年の春から2年間、スーパーマーケットで陳列のアルバイトを経験しました。その店舗では、少量ではあるものの、値引きしても売れ残って廃棄される商品が常に出ていました。


そこで、夕方から夜にかけて利用する客層の来店時間をもとに、値引きの時間を早めることを提案したところ、試験的に実践すると売れ残る商品数が減りました。さらに、値引き商品の陳列方法も工夫し、ほぼ売れ残りがゼロになりました。


この経験から、アイデアがあれば積極的に提案して問題解決につなげる力が身に付きました。」



工場・軽作業バイト
 

「私は大学1年の秋からの2年間、惣菜工場でアルバイトをしました。お寿司製造の部門に配属されましたが元々手先が器用ではないため、教えられた通りにやっても作業スピードが遅く、頻繁に注意されていました。


そこで、昔からいるスタッフや先輩に休憩時間に話しかけるなどをして関係を構築し、『どうしたらあなたのように上手くなれるのか』と教えを請い、コツを伝授してもらいました。やがてミスも減り、作業にも慣れ、数か月後には新人教育も任されるようになりました。


技を盗むといえば大袈裟かもしれませんが、できないことは他者から謙虚に学んで成長することが大切と考えています。」



イベントスタッフ
 

「裏方の仕事に興味があり、大学1年の夏からイベントのスタッフとして働いています。当初は分刻みのスケジュールで目の前の仕事をこなすので精一杯で、ミスも頻発していました。しかし回を重ねるうちに、次に何が来るかを予測しつつ落ち着いて対応できるようになり、今では30名ほどのメンバーをまとめるチーフも任されています。


この仕事で大切にしているのは、迅速な状況把握とメンバーとの情報共有です。その日初めて一緒に働く人も多いため、オープンな雰囲気作りで早めに打ち解けてもらうなどの工夫により密なコミュニケーションを促進し、ミスやトラブルのリスクを減らす運営を心がけています。


この経験を通じて、不測の事態にも臨機応変に対応できる柔軟性と協調性が身に付きました。」



塾講師・家庭教師
 

「私は大学1年のころから家庭教師のアルバイトをしています。以前担当して志望校に合格した中学生向けに編み出した学習計画や勉強方法を、新たに担当した生徒で実践したことがあります。ところが、それらの内容はこの生徒には全く合わず、むしろ本人を追い詰めてしまいました。


そこで、改めて本人と保護者を交えて相談し、新たな学習計画を立てました。保護者には小テストの実施による弱点の洗い出しやSNSでの学習進捗の共有などの協力を仰ぎ、私の指導は弱点克服に向けた知識の定着に集中しました。三者連携で取り組んだ結果、生徒の成績が上がり、無事志望校に合格しました。


この経験で私が得た教訓は、自分の主観を押し付けるよりも、相手の気持ちや立場に立って物事を見ることの大切さです。」



まとめ


アルバイトの体験は、ガクチカのエピソードとしてはよくある内容ですが、書き方・伝え方次第でポテンシャルや強みをアピールするエピソードとなり得ます。有意義なガクチカを書くには有意義な体験が必要です。アルバイトで得られる経験は、何もガクチカを書くためだけでなく、この先の人生にも大きな意味があります。


残りの学生生活でぜひ有意義なアルバイトを経験し、就活、そして人生の糧としてください。



2022年7月4日



DOMO+編集部
アルバイト・パートに関するお役立ち情報を収集・配信しています。現在就業中の方にはお仕事ライフがもっと充実したものになるように、これからシゴト探しをする方には自分にぴったりのお仕事に出会えるよう情報提供でサポートします。

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