「もっとお金がほしい」「将来のためにいろんな経験をしたい」とバイトを掛け持ちする人もいます。収入面や経験では大きなメリットがありますが、良いことばかりではありません。メリットの裏に潜むデメリットを考えてみましょう。



バイトの掛け持ち、そもそも本当に必要?



「友達と遊ぶお金がもっとほしい!」という理由でバイトを掛け持ちしはじめたのに、ほぼ毎日をバイトに費やし、当初の目的であった「友達と遊ぶ時間」がなくなっている、というようなことは珍しくありません。


どれだけお金があれば足りるのか、そもそも本当にバイトを掛け持ちしてまで働く必要があるのかどうか。まずは冷静に考えてみましょう。



バイトの掛け持ちでシフトを埋める! でも時間管理は大丈夫?



メリット:時間の有効活用
学校が15時に終わり、19時からの居酒屋バイトがあるとします。2時間ですむポスティングのバイトを居酒屋の前にこなせば、時間をうまく使って掛け持ちでき、効率的に稼ぐことが可能です。


また、1つのバイトで週3日しかシフトに入れてもらえなくても、もう一つバイトがあれば詰めて働くことができるので、予定を上手に組んで目標金額を稼ぐことが可能になります。



デメリット:複雑な時間管理
しかし、思わぬ事故や交通渋滞に巻き込まれ、次のバイトに間に合わなかったり、時間的な余裕がないせいで気持ちが焦り、普段ならありえないミスをしてしまったりすることもあります。


同じ日に複数バイトを掛け持ちする場合、ダブルブッキングを避けることはもちろん、前後の時間に余裕をもって予定を組むようにしましょう。



バイト掛け持ちでスキルアップ! でも頑張りすぎは体調不良のもと



リット:経験が増えてキャリアアップ
「キャリアアップのためにあえてバイトを掛け持ちする」というのは素晴らしい心がけです。世の中には色々な仕事があり、そこで出会う人々もまた個性がありますから、複数の職場を経験することは将来大いに役立つことが考えられます。


デメリット:心身ともに疲れがたまり体調不良に
半面、こういう真面目な方は「頑張りすぎ」にも注意が必要。心身ともに無理をして体調を崩したのでは、元も子もありません。パフォーマンスの低下はもちろん、病気でバイトを休んだり病院にかかったりすることで、お財布事情が苦しくなることもあります。


1週間に1日は必ず休日を設けるなど、自分の体を労わることも大切。「体を休ませるのも仕事のうち」です。



働きすぎで税金が増える? 「扶養」に入っている人は要チェック



メリット:たくさん働いて収入アップ!
効率よく時間を使い、たくさん働けばそれだけ収入も上がります。収入が上がればずっとほしかったものを買い、行きたかった場所に行くこともできるので、経験値や満足度が上がります。


デメリット:思わぬ額の税金を支払うことに
バイトで一定額以上稼ぐと、親の扶養から外れて自分で税金等を支払うことになります。扶養から外れることで親の税金にも影響が出たり、各種手当がもらえなくなったりする可能性も。ただし学生の場合は「勤労学生控除」の対象となりますので、以下国税庁のページをよく読んでおくといいでしょう。


『勤労学生とは、その年の12月31日の現況で、次の三つの要件の全てに当てはまる人です。


(1) 給与所得などの勤労による所得があること
(2) 合計所得金額が65万円以下で、しかも(1)の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
例えば、給与所得だけの人の場合は、給与の収入金額が130万円以下であれば給与所得控除65万円を差し引くと所得金額が65万円以下となります。
(3) 特定の学校の学生、生徒であること
この場合の特定の学校とは、次のいずれかの学校です。
イ 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
ロ 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
ハ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの


以上のいずれかの学校に当てはまるかどうか分からないときは、通学している学校の窓口で確認してください。 』


勤労学生控除の手続きは自分で行う必要があります。また、バイトを掛け持ちしている場合は確定申告の必要もあるので、不安のある場合は会社や役所に相談してみてください。



空いた時間に働ける! 掛け持ちしやすいバイト3選



1.在宅バイト
その名のとおり、自宅でできるバイトです。シール貼りや梱包、組み立てなどの作業やアンケートモニターなど、出来高制のバイトが多く、自宅にいても空いた時間に作業ができます。
スマホやパソコンを使う作業もあるため、通勤や通学の時間を利用すれば、効率的に稼げる可能性があります。


2.単発バイト
日給制のものが多く、中には1日で1万円以上稼げるバイトも。即日・翌日支払いの場合もあるため、「今すぐお金が欲しい!」という人にオススメです。1週間や1ヶ月という短期バイトでは、集中して働くことでまとまった報酬が得られることもあるでしょう。


3.フードデリバリー
近年注目の、アプリなどで近くのレストランメニューなどを簡単に注文することができる飲食店専門のデリバリーサービス。車やバイクの免許がなくても、「自転車でOK」というバイトも。指定された時間に商品を受け取りに行き、配達をするという簡単な業務内容。工夫次第では時給1,500円以上稼ぐことができるのだとか。
出来高制のため、天候に左右されたり依頼が無ければ無報酬だったりと、デメリットにも注意が必要ですが、近年注目のバイトです。



そもそもバイト掛け持ち禁止かも? 就業規則を確認



正社員として働く場合は「就業規則」という会社のルールがあり、この規則を破ると罰則や、最悪の場合はクビになることもあり得ます。


バイトの場合はそれほど厳しいルールがないことが多いのですが、バイト先によっては「バイトの掛け持ち禁止」という職場もあります。特に同業他社のバイトを禁じるケースがありますので、掛け持ちをする場合、面接時に確認しておくとトラブルを避けられます。



バイトの掛け持ちは優先順位と目的をしっかり考える


バイトの掛け持ちは「お金が稼げる」というメリットはあるものの、時間や体調管理など、デメリットをカバーする工夫も必要です。


仕事をしてお金を得る以外にも、大切なことはたくさんあります。優先順位と目的をきちんと考えて、上手にバランスをとってください。



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<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
1週間45000円からできる留学サポートGo Globalを運営。採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。特に大学生やフリーターの方には留学後の就活相談に乗ることも多く、自己分析などのお手伝いも行っている。

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