静岡県菊川市倉沢には千框(せんがまち)という名の棚田がある。静岡県棚田等百選に選ばれているここ千框は、昔は名前の通り千枚もの棚田が広がっていた。しかし後継者不足などの問題で現在は最盛期の10分の1程度しか残っていない。
今回紹介する棚田研究会は、そんな千框の保全活動を通して今後も棚田が守られ発展していくよう活動している素敵なサークル。10代目代表の橋琳太郎さん(農学部生物資源科)にお話を伺いました。
総勢50名の棚田まもり隊
倉沢の棚田はもともと、NPO法人せんがまち棚田倶楽部さんが管理をしていて、棚田オーナー制度に取り組んでいます。私たちの主な活動は初夏の田植えや10月末の稲刈り、そして草刈りなど、オーナーさんの農作業をお手伝いすることです。
棚田には毎回十数名の部員でレンタカーを借りて行き、あとは黙々と作業をサポートする感じです。作業の役割は事前に、毎週木曜日のミーティングで決めています。
毎年恒例、手作りたい焼き
ほとんどは長靴を履いて土に埋もれて作業をしているのですが、棚田で採れた古代米をたい焼きに混ぜて、毎年11月にある静大祭で売るのも活動のひとつです。
ただ昨年は事情があって古代米を混ぜることができなかったのですが、ありがたいことに3日間で1000個以上売れました。全日晴れていたとはいえ過去最高の売上に部員自身も驚きを隠せなかったです……。
普段はおとなしく、ブログは饒舌に
名前に“研究会”とついているので「理系の農業男子が集まる取っつきにくいサークル」と思われがちですが、実は女子部員の方が多くて。棚田の景色がきれいで好きだからという理由で入ってくる人が特に多いです。
部員は大人しいタイプが多いかな。ですが、知名度向上のために書いている「しず大棚けんブログ」ではもれなく個性が爆発しています。棚田の魅力を多くの人に知ってもらい、オーナーさんが増えるよう継続的に更新しているので、良かったら覗いてみてください。
残したいマイペースで自由な雰囲気
活動する上で大切にしているのは “みんなで楽しむ”ことです。ただ田植えや稲刈り作業をするだけのサークルにならないよう、これはずっと前の代から気をつけていることです。個人的に棚けんの好きなところは、参加したいときに参加できるところ。この雰囲気もずっと無くしたくないです。代表の僕はもちろん毎回参加ですが……(笑)
千框ではいつでも棚田オーナーを募集しています。学生でも社会人でも女性でも男性でも、農業に興味のある方はぜひご連絡ください! 棚田はいつ見ても飽きませんよ。
取材を終えて
制作:静岡時代編集部
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