武道というと「剛と剛の戦い」というイメージを持たれがちかもしれません、でもそんなイメージとは正反対の、「力技ではない武道」がこの日本にはあります。それが「合気道」。今回は静岡大学・合気道部堀田美友さんに合気道の魅力を聞きました。
練習風景を見ていると、なんと外国の方の姿も! 一対一の組み練習では大柄な稽古相手のからだがひらりひらりと美しい物理軌道で舞っていて、なんだか優美な舞踏を見ているような感じ。技によって相手を理解し、和合する。時に「動く禅」などと呼ばれ、世界的にも評価が高まっているこの武道の不思議、一緒に覗いてみましょう。
いざ、静大合気道部の門を叩け!
合気道というのは、力がない人がやりやすい武道でもあるんです。柔道や空手などと違って、人の動きや体・関節のつくりを利用して、相手を崩す武道ですから。なので、武道というと痛いというイメージを持たれる方が多いですが、合気道は痛くないんです。でも、最後に関節を決められたときだけはちょっと痛いかな(笑)。
現在、静岡キャンパスが6名、浜松キャンパス6名で活動をしています。月に1回合同練習をしていて、いろんな人とやることで技のかけ方に磨きをかけています。活動の披露の場として、静岡大学の春フェスと秋の静大祭と、春の浅間神社での奉納演武があり、演武に向けて自分の技を磨いています。
練習には外国人の方も参加されている
超至近距離の中で起こる密接なコミュニケーション
練習に取り組む上で、どこを動かしたら相手が崩れるかということを考えつつ、うまくいかなかったら、他のやり方を模索して試行錯誤することを意識することを大切にしています。
合気道はひとりでするものではありませんから、相手の体、関節がどう動いているかということを常に考えて感じながらやっています。それでも自分のイメージ通りに技が「決まった」と感じる瞬間は時々ですね。掴みにきた相手の勢いをそのままにスパッと往なす感じを目指しているんですけれど、難しい。だから、自分の力だけじゃどうにもならなくて……。
相手の動きを往なす駆け引きが対話っぽいですね。
問答の先にある自分だけの答え
一年生の頃は技を教えてもらっても、決まっている感じがわからない、崩れているかどうかもわからないというような状態が続きました。型を覚えたけれど、決まっていないということの連続で、正解がわからなくて大変でした。
それが合気道をはじめて一年ほどたったとき、「あれ、こういうことか」とちょっとわかるようになったことがあったんです。その時は感動しましたね。漠然とした正解の中から、自分なりの答えを見つけていくんです。
人によって技のかかりかたが違うので、かける相手によっても答えが違うし、技をかける私も常に同じじゃないので、答えは常に一定ではないんです。
からだの大きな相手を美しい動きでひらりと。すごい!
ふとした瞬間にも、「気」が宿る
合気道は関節の構造を利用するので、この関節がこう曲がる、ここまで曲がるっていうのがなんとなくわかってきて面白いんです。ここで学んだ体の使い方を日常のふとした時に気にしていきたいなと思っています。
やればやるほどにその深みにハマる競技です。是非あなたも合気道部の門を叩いてみてはどうでしょうか?
取材を終えて
制作:静岡時代編集部
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