パート勤務の方は夫の扶養に入っているケースが多く、「税金がかからないように、扶養の範囲で収入を103万円以下におさえて働きたいんです」というセリフをよく聞きます。


確かに所得税はそのとおりなのですが、103万円の収入では「住民税」がかかることを知っておきましょう。



住民税ってなに? 所得税とはどう違う?



「住民税」は市町村、道府県など、住んでいる地域に支払う税金ですが、「所得税」は国に収める税金のことで、まず納める先が違います。


住民税の正式名称は「個人住民税」といい、東京都のホームページを見てみると、個人住民税は以下のように説明されていました。


『個人の都民税と区市町村民税はあわせて、一般に「個人住民税」と呼ばれています。都や区市町村が行う住民に身近な行政サービスに必要な経費を、住民にその能力(担税力)に応じて広く分担してもらうものです。』


「所得税」は国が管轄しているので、一つのルールにのっとって計算されますが、住民税は地域で管轄しているため、地域の事情によって計算方法が異なります。額に大きな差はありませんが、地域によって上乗せされる部分がありますので「住む場所によって若干税金が異なる」という特徴が住民税にはあります。



パートも知っておきたい住民税計算の基本



住民税は前年度の所得に基づいて計算され、以下のようなルールがあります。


・前述の通り、住む場所によって税率が異なる場合がある
・毎年6月から徴収開始、翌年納税
⇒住民税は前年度の所得に基づいて計算され、1/1に住んでいた場所に6月から納税します。2018年は仕事をしていなくても、2017年に入った給与を基に計算された税金を2018年に収めます。


・住民税計算の基礎
給与のみの場合、以下の税率・税額の住民税がかかります。(住む場所により多少異なることがあります)
・所得割:10% (市町村民税6%+道府県民税4%)
・均等割:4,000円 (市町村民税3,000円+道府県民税1,000円)
※所得割とは…前年の所得に対して税を課す方法。所得の多いほどが多く税金を払う
※均等割りとは…所得に関係なく、定額で払う方法
※詳細な計算方法は省きます。
なお、株の売却益・配当金・預金利子などは住民税が5%かかります。


「2018年6月以降は仕事を辞めて収入がないから、2019年は税金も払わなくてよいだろう」と安心していると、前年度分の住民税支払いで困ることになりかねません。細かく計算せずとも、税金用に少し蓄えておくと安心です。



パートで住民税が非課税になる基準



では非課税になる収入とは、どれぐらいまでなのでしょうか。
住民税は地域によって異なりますので、「東京都で働くパート」という前提で住民税を計算してみました。※社会保険料、医療費、生命保険料などの基礎控除以外は何も控除額がないものとします。


年収70万円の場合(月額にして約6万円弱)
所得税:0円
住民税:0円

年収103万円の場合(月額にして約8万円強)
所得税:0円
住民税:7,500円

年収180万円の場合(月額にして約15万円)
所得税:35,700円
住民税:77,500円


いかがでしょうか。年収103万円の場合、確かに所得税はかかりませんが、住民税は7,500円がかかることがわかります。上記を大体の目安として、どれぐらい働くのが自分にとってよいかを考えてみるとよいでしょう。



住民税の細かい計算方法



東京都主税局ホームページを参考に、具体的な計算方法を解説します。



① 所得割・均等割ともに非課税のケース

控除対象配偶者又は扶養親族がいる場合で前年中の総所得金額等が、下記の金額の方は非課税
35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計人数)+21万円以下

例:夫と10歳の子どもがいる主婦(パート勤務103万円未満)の場合
夫:35万円✕3人(本人+主婦+子供)+21万=126万
⇒年間の所得が126万円(給与205万円)以下
妻:次の控除対象配偶者及び扶養親族がいない場合に該当
⇒35万円以下(給与100万円)
※子供は夫の扶養親族としている


控除対象配偶者及び扶養親族がいない場合、35万円以下の方は非課税
例:独身、一人暮らしの人で年間の所得が35万円以下の場合も、所得割・均等割ともにかかりません。年間35万円と言えば、月にすると3万円弱の所得ということです。


なお、一定条件の元で働くパート勤務のほか、未成年者、障害のある人および寡婦(寡夫)に該当する人で、前年の所得が125万円以下の場合や、生活保護を受けている人も非課税になります。


② 所得割が非課税(=均等割りは納税)のケース
・控除対象配偶者又は扶養親族がいる場合、下記金額の方は均等割りのみ納税
35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計人数)+32万円以下



パートも知っておこう!「収入」と「所得」の違い



税金の説明になると「収入」「所得」という単語が出てきますが、この2つは別のものですから、気をつける必要があります。給与から各種控除を引いたものが「所得」ですから、例えば「所得125万円以下」は給与でいうと「204万4,000円未満」となります。



全部理解できなくても「知る努力」が大切!



計算方法は難しく見えますが、自分が納めている税金がどんなふうに計算されるのか、大まかにでも把握しておくことは大切。一から十まで自分で計算できる必要はありませんが、住民税と所得税の違いや所得割・均等割という考え方など、基本的な概要は知っておきたいものですね。


税理士監修

<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
1週間45000円からできる留学サポートGo Globalを運営。採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。特に大学生やフリーターの方には留学後の就活相談に乗ることも多く、自己分析などのお手伝いも行っている。

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