ドーモプラスがオススメするアーティストを定期的に紹介! 今回は2016年にメジャーデビューを果たした、大阪出身の4ピースギターロックバンド“ラックライフ”のたく(Bass.)さんのインタビューをお届け! 2月28日に発売されるニューシングル『僕ら』についての話や、活動の軸になっているライブの魅力や今後の夢。さらにはアルバイト経験までいろいろとお話を伺いました。
高校で出会ったかけがえのない仲間
――皆さん高校の同級生ということで、バンドの結成や、音楽を始めたきっかけについて聞かせていただけますか?
僕が音楽を始めたきっかけは、親父がずっとフォークギターを家でやってまして。それを小さい頃から見ていて、中2ぐらいの時に「ちょっと触らしてや」みたいな感じで興味を持ち始めたのがきっかけです。
そこから一人でギターを弾くようになったんですけど、ベースという楽器に興味を持ち始めたのは中3の文化祭の時で、みんなで演奏しようってなった時に友達がベースを弾いているのを見て、そこで初めてベースっていう存在を知ったんです。
それで高校では軽音部に入ろうって決めていて、高1のときに入ったんですけど。でもすごい人見知りやったんでその時はすぐバンド結成はせず、全然活動してなかったんです。それから高2の時にメンバーと出会って、「軽音部なん? ベースおらんからやろうや」って言われて「いいよ」っていうけっこう軽い感じで始まったんが今のバンドです。
――それからもうずっと今のメンバーで活動されているということで、今年は結成10周年のアニバーサリーイヤーなんですよね?
そうなんです。高校の時はメンバーは同じですけど別のバンド名でやってて。高校卒業して19歳の時からバンド名が“ラックライフ”になったんです。10年は結構あっという間でしたね。気づいたら30歳手前になってましたからね(笑)。
メジャーデビュー後の変化
――2016年にメジャーデビューされたということで、メジャーデビューしてから大きく変化したことってありますか?
やってること自体は変わらないんですよね。いいライブをしていい曲を書くっていうことだと思うんですけど。メジャーデビュー前と後で違うのは、関わってくる人の数と音楽に集中できる時間が増えたことですね。やっぱり音楽に集中できる時間が増えて幅は広がりました。
――みなさんデビュー後は東京にお住まいなんですか?
いえ、今も大阪で暮らしてます。4人共みんな大阪が好きなんですよね。制作やライブのタイミングで東京に来るんですけど、移動は今も車なんです。でも、もうデビュー前から10年ぐらい月1回は大阪と東京を行き来してるんで慣れましたし、もはや近い距離なんで。
行きはだいたいギターのikomaとドラムの大石が運転して、帰りは僕一人で。みんなは運転そんなに好きじゃないみたいですけど、僕は運転するのは好きなんです。いかにテンションを上げすぎず下げすぎず運転するかっていう感じで、平坦な気持ちで疲れないように運転するっていうのを身に付けました(笑)。
アニメ主題歌で得た信頼感とファンの広がり
――2月28日には5枚目のシングル『僕ら』が発売されますが、聴きどころについてお伺いできますか?
今回のシングルは、映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)』のエンディング主題歌に決まったっていうのがまずあって。『文豪ストレイドッグス』というアニメに曲を使ってもらうのがこの作品で3回目なので、こちらとしても凄い嬉しい気持ちで。
もちろん、映画をやるって話を聞いた時も「今回もやりたいな」っていう気持ちがあったんですよね。それで依頼していただいて、尚且つ信頼関係もこれまでの2回でできているからか、「好きにやっていいよ」っていう感じで、まかせていただけて。難しくはありましたけど、すごく嬉しかったですね。
聴きどころとしては、曲調もバラードで聴きやすいと思いますし、あとは僕ベースなんですけど、Cメロのところでスラップっていう技法をちょっとやっていて。普段は全然やらないことをちょっとイキってやっちゃってるんで、わかりにくいかもしれないですけどそこを是非聴いてほしいですね(笑)。
――『文豪ストレイドッグス』の主題歌としては3作目ということですが、今回映画の主題歌に決まった際に、かなり反響などはありましたか?
うちのボーカル(PON)が言ってたんですけど、SNSで「ラックライフに決まって嬉しい」って声があったり、発表する前も「映画もラックライフにやってほしい」と言ってくれてた人もいたみたいで。その話をボーカルから聞いた時は、やっぱりこれまで2回エンディング主題歌をやらせてもらったおかげで、曲を聴いてくれている人達との信頼関係ができてたんやなっていうのを改めて思って。これはもうやるしかないと。
――昔から応援してくれてるファンの方に加えて、メジャーデビューしてからの新しいファンの方もいたりと、今はファン層がどんどん広がっているような感じですか?
だいぶ広がりましたね。もともと女性の方が多かったんですけど、アニメのおかげなのかわからないんですが男性の方も凄い増えていて。あとは年齢層の幅がグッと広がりましたね。僕らのお母さん世代の人から、小学生ぐらいの子もいてます。
お母さんの影響で好きになったっていう子も、家族で一緒にライブに来てくれたりするんですよ。その子は男の子なんですけど、お母さんと前に少し喋ったことがあって「最近ベース始めたんですよ」って言われて、これはめっちゃ嬉しかったですね。「え、マジで?」それ絶対俺の影響やんって(笑)。以前に比べてファンの方たちと関われる時間は短くはなったんですけど、やっぱりそういう話を聞けると凄い嬉しいですね。
――以前は居なかったようなファン層の広がりというか、年配の方からお子さんまで広がっているんですね。
そこがいいですよね。老若男女関係なく楽しめる環境でありたいと思うし。前に1回だけポルノグラフィティさんのライブを観に行った時にまさにそうやったんですよ。その時にこういうバンドになりたいって凄く思ったんで、ちょっとは近づけたんじゃないかなって思います。
ライブの魅力と自主企画への思い
――今現在も継続して行っている自主企画の『GOOD LUCK』をはじめ、年間を通してライブを沢山されている印象なんですが、自分たちのライブではここを見て欲しいという部分や、ライブをしていて嬉しくなる瞬間などあれば教えていただけますか。
ここを見て欲しいっていうのは、僕たちの“嘘偽りない姿”ですね。ボーカルPONのMCだったり、僕らがやる曲や歌詞もそうですし、そのままの自分たちを出せていると思うので、そのまま真っ直ぐに受け取って欲しいです。
ライブをしていて嬉しくなる瞬間は、観に来てくれたお客さんが、めっちゃ笑ってたりとか泣いてたり、そういうわかりやすい反応が見えた時はやっぱり凄く嬉しく思いますね。
――やっぱりライブをしているとファンの皆さんの表情っていうのは結構目に入ってくる感じですか?
やっぱりライブだからこその距離感ってあるじゃないですか? だからこそ思うことはありますね。言うたら会話ですよねライブって。それがいいなって思うしライブならではの魅力だと思います。
だからライブに来たことが無いっていう人も、ライブハウスは怖くないから一回遊びに来て欲しいなって思いますね。初めての人はやっぱり行きにくいと思うんですよ。僕らも行ったことが無い時とかは、もう不良の溜まり場のイメージがやっぱり強かったですからね。でも実際はそんなことないし、迷ってるなら一度踏み出してみたらいいんじゃないかなと思います。
――今後バンドとしてやってみたいことや、夢や目標はありますか?
僕らのやってる『GOOD LUCK』というイベントが少しずつ規模を拡大していて、2014年からは大阪のライブハウスなんばHatchでやっているんですけど、今回は10周年ということで渋谷のO-EASTでもやらせてもらうんです。
少しずつ大きな会場で開催できるようになってきてるんで、今後は野外フェスみたいな感じにまで大きくできたらいいなっていうのは思ってまして。僕ら地元が大阪なんで、“太陽の塔”がある万博記念公園でできたらいいねとメンバーと話したりしてます。
アルバイトは社会へ出る第一歩
――DOMOはアルバイトの求人メディアなのですが、これまでにどんなアルバイトを経験されましたか?
僕、けっこうアルバイト経験があるんですよね。飲食系が多くて、他には引っ越し、配達、テレフォンアポインター、事務、倉庫ぐらいですかね。一番長かったのがバーで働いてた時で、20歳から26歳の6年間ぐらいやってました。
――いろいろなアルバイト経験をされた中で一番やり甲斐を感じられたと思うのはどのお仕事ですか?
僕が初めてやったアルバイトが焼肉屋さんだったんですけど、キッチン担当で。段階を追って担当が変わるんです。最初はキムチとかユッケ、当時はまだ大丈夫やったんでレバ刺しとかそういう一品物をやって、その次が冷麺とかスープとか火をかける系。その後に肉を担当するみたいな。
最初はキムチの担当なんですけど、とにかくすごい量のオーダーが出るんですよね。オーダーが溜まりすぎて急がなあかんのに「すいませんこれちょっと待ってもらっていいですか?」って言って伝票だけ「あー無理やー」って追い続けてる瞬間はちょっと面白かったですね(笑)。あとはやり甲斐というか、めちゃくちゃピークの時間の永遠に止まらない伝票を、滞りなく捌けさせるっていうのができた時の自分に快感を得てました。
――その時の経験がバンドに活かされてることはありますか?
さすがにキムチはバンドに活かせて無いですね(笑)。でも、その時のキッチンの経験で料理は好きになって。20代前半の頃、バンドで東京に来たら友達の家に泊めさせてもらったりしてたんですけど、その時は僕が料理担当になってみんなにご飯を作ってたので、そういう意味では活かされているのかもしれないです。
これまでいろいろなアルバイトを経験しましたけど、やっぱりさまざまなことを教わったのはバーとか飲食の仕事ですね。バーでの仕事でお酒の飲み方も覚えたし。年上の人しか居なかったんで、そこで年上の人たちからいろいろな話を聞いて、僕が20歳ぐらいの時に思ってたこだわりというか信念みたいなものを、一回ボロッと崩されたりとかして。
でも今となってはそりゃそうやわって思うんですよね。よくわからんことに意固地になってたなと思うし。そういう人生経験じゃないですけど、年上の人との付き合いってこうするんやっていうのを教わったのもそのバーでのバイトです。キッチンの仕事とかもホールとの連携じゃないですか。そういう流れとかもそうですし、社会に出るっていう意味ではバイトってその第一歩だと思うんですよね。
応援してくれる人は必ずいる
――では最後に、夢に向かって頑張っている学生の方に向かって応援メッセージをお願いします。
夢に向かっていくのは正直大変だと思うんです。歳を追えば追う程周りからの視線とか、そういったものがちょっとキツくなる時期が絶対あると思うんですけど、それでもやっぱり応援してくれてる人っていうのは絶対居てるんで。そういう人達が居てるんだよっていう気持ちも忘れず、夢に向かって頑張っていってほしいです。
繊細かつメロディアスな楽曲でこれまでたくさんの人の心を掴んできたラックライフ。変わらず共に歩んで来た4人のメンバー。2月28日には5枚目のシングル『僕ら』も発売され、結成10周年という節目を迎えた彼らの今後に、期待が膨らみます。一度聴いたら心を奪われてしまう楽曲クオリティーの高さと、熱い思いを吐き出すライブパフォーマンスは、これからも様々な人を魅了し続けていくことでしょう。4月、5月に自主イベントも控える彼らのライブにも、是非一度足を運んでみてください。
取材・文:ドーモプラス編集部
Photo:高村 勇一郎