ドーモプラスが注目の男子を紹介する連載企画「レコメン図」。第13回は、イベント出演やアクセサリーのプロデュースなどで活躍されているほか、俳優として「イケメン戦国 THE STAGE」など様々な舞台にも出演されている「天野 眞隆(あまの・なおたか)」さんが登場。


現在舞台「赤い絆の橋の上、ここからはじまる時のコト」へ出演中の天野さんに、前編ではマルチタレントとして活動する理由や、お芝居に挑んだきっかけなどについてお話をうかがいました。


SNSがきっかけで芸能関係の仕事をスタート


――では初めに、このお仕事を始めたきっかけについて聞かせてください。


僕自身がもともと目立ちたがり屋だったからというのもあると思うんですが。高校生の頃にmixiをやっていて、マイミクが900人くらいいたんですよ。その中にイベント主催に関わっている方がいて「原宿でイベントがあるんですけど、よかったら出ていただけませんか?」というお話をいただいたんです。


当時、僕は美容師を目指していたんですけど、目立つことが好きだし、原宿にも興味があったので、行ってみようと思って出たのがきっかけでしたね。その時からモデルなどの仕事をしている友達が増えて、急に芸能界隈のお仕事が身近に感じるようになったんです。


僕は神奈川の秦野市の出身なんですが、わりと山のほうなんですよ。中学校も山のてっぺんでしたし。そういうこともあって、東京や芸能の仕事なんて自分とはかけ離れた場所にあるものっていうイメージが最初はあったんですけど、興味自体はあったんです。


前から、何かになりたいっていうより何でもやりたいって思っていたので。だから芸能界を身近に感じるようになってからは「とにかくその世界に飛び込みたい」っていう思いが強かったですね。



――現在、舞台やイベントへの出演など、幅広い活動をされていますが、ここに至るまでにはどんな流れがあったのでしょうか?


当時は美容室でバイトをしていて、シャンプーも担当させていただいてたんです。美容学校に行くお金を貯めるために、ほかのバイトも合わせて3つを掛け持ちしてやってたんですけど、芸能界に惹かれてから、どうしても美容師の仕事に集中ができなくなっちゃって。


美容室の方にそれを相談したら「30歳くらいまでだったらいくらでも取り返しが効くから、今のうちにやりたいことやりな。おじさんになってからでも美容師はできるから」って言われたんですよ。その時に「たしかに今しかできないことってあるし、特に芸能界は若いうちからチャレンジするに越したことはないから、やってみよう」って思ったんです。


その頃、ちょうどモデルの友人たちがTwitterをやり始めていたので、僕も始めてみようと。ツイキャスも始めたんですけど、そこで僕を知ってくれる人も増えて、フォロワーが1日に1000〜2000人増えていた時もあったんですよ。



――それはすごいですね!


当時は原宿界隈でイベントが盛んに行われていたんですけど、Twitterを通じてまた新しくイベント団体と繋がったりして、イベントに出させてもらったり、途中からは自分でも主催をするようになって。


僕は“誰とでも仲よくなれる”っていう特技があるんですけど、イベントを主催する側になった時に、その特技がキャスティングという形で生かせたんですよね。出演者として関わったことがあるからこそ、見る側のお客さまはもちろん、出る側の人も楽しめるものにできたらいいなって考えてイベント作りをしたりしていました。


その時期には「CHOKi CHOKi GiRLS」という雑誌で1年間レギュラーをさせてもらっていたんですが、これもTwitter経由でお話をいただいて。そこでのお仕事や、イベントを通じてどんどん人との繋がりができていったんです。


僕はデザインやプロデュースをするのもすごく好きで、企画もしたりするんですけど、それを知った知り合いの方が「じゃあいっしょに何かやろうよ」って言ってくれたりして、そうしているうちに自分のイベントがけっこう注目されるようになったんです。それがきっかけで出会ったのが今の事務所の会長さんで、「事務所を作るんだけど、いっしょにやらないか」って声をかけられたんですよ。



裏方の仕事も含めて“マルチに”活動するタレントに


――なかなかないスカウトのされ方ですね! では、事務所の立ち上げから関わられたんですか?


そうなんです。最初は、それまでよくも悪くも個人で自由にやり取りをしていたので「事務所に入ることでヘンに縛られるのはイヤだな」って思っていて。慎重に何度かお話を聞かせてもらううちに「ここでならぜひやってみたい」って、今の事務所に入ったんです。イベントに出ていた後輩たちも同じ事務所に所属しているので、その頃から仲のいい仲間と今でもいっしょに仕事をやれてる感じですね。



――イベントの主催や企画もされていたということですし、限りなく裏方に近い目線でもお仕事に関われそうですね。


今は“マルチタレント”として活動させていただいてるんですけど、僕、何にでもなりたいんですよね。自分にとってはむしろ、何かに特化することのほうが難しいかもしれない。イベントの主催やキャスティングだったり、プロデュース、デザイン、モデルに舞台と、幅広くやっていくことで活動の場も広がって、いろんな人と出会うこともできますし。そうやって、何でもできる感じが好きっていうのもあります。



――ということは、裏方目線があるだけでなく、実際に表舞台以外でのお仕事もされているんでしょうか?


そうですね。誰かをプロデュースしたり、アドバイスをしたりすることもありますし。企業さんとのコラボ企画でイベントをする時なんかも、基本的に僕自身が内容や特典を考えてます。


マネージャーも企業の方も、ファンのみなさんにとって何が嬉しいのかを一番に理解しているのが僕だと分かってるからこそ、「何かアイデアない?」って聞いてくれるんだろうなと。企業側の要望も取り入れつつ、ファンの方に喜んでもらうことを第一に考えてやっているので、そういうところがお仕事に繋がったりしてるのかなと思いますね。



役者としての成長を支える「柔軟な心」


――やりたいことがたくさんあるという中で、2016年末から立て続けに舞台に出演されていますよね。初めに舞台に出てみようと思ったのは、どういう経緯からだったのでしょうか?


もともと演技には興味があったんですけど……お恥ずかしい話、僕、勉強が全然できなくて。美容師を目指していた時に高校を自主退学したので、いわば中卒のままなんですよ。だから演技に対しても「まずセリフを覚えることが難しいんじゃないか」とか「自分みたいなヤツでもできるのか」とか考えてしまって、自分の中で壁があったんです。


それでも、何か挑戦するきっかけがあったらなと思っていたら、お世話になっている先輩が舞台をやっていて、「やってみないか」って誘ってくださったんです。せっかくだし、先輩がいるんだったら安心だと思って、やってみたのがきっかけです。


――それが舞台「無間地獄(むけんじごく)〜幻の蜘蛛の糸〜」だったんですね。実際に演技に挑んでみていかがでした?


最初はやっぱり緊張しましたね。台本にいろいろ書き込んだり、稽古中の音声を録音して練習したりもしましたし。でも、やるとなったら、やるしかないんで! そう思ったのと、稽古で繰り返しやったことで、意外とすんなりセリフも覚えられましたね。それで自分の中の壁はなくなりました。



――苦手意識が消えたと。


初舞台ではセリフもそんなに多くなかったですし。その次の作品では準主演みたいな感じで、ほぼずっとセリフがあってさすがに不安になりましたけど、それもやればできるんだと! 前は細かく書き込みをして必死に覚えていたのが、今では台本を読んでやっているうちにすんなり入ってくるようになりましたね。多分、頭がリラックスしてるからかもしれないですけど。そういう感覚からすると、今は前より台本と向き合えてるなと思います。


――役者としての成長の手応えですね。


いやもう、まだまだ舞台っていうものに携わったばかりのペーペーですから。「無間地獄〜」の時からすごくお世話になっている先輩がいて、緑川睦(みどりかわ・りく)さんっていう方なんですけど。昨年はほぼずっといっしょの舞台だったので、たくさんアドバイスをいただきました。睦さん自身も僕のことを「家族みたいに思ってる」って嬉しいことを言ってくださって。周りにそんな素敵な先輩たちがいるからこそ、今の僕があるんだと思います。


あと、僕はあんまりプライドっていうものを持たないようにしていて。若いうちからヘンにプライドを持ってると、後からそれがジャマになるんですよ。睦さんにも同じような言葉をもらって、改めてそう思いましたね。


例えば、演出家によって演出の仕方や演技への考え方は全然ちがうので、「前はこうだった」なんて固定観念にとらわれず、柔軟に受け入れられる状態でいるべきだなって。そのほうが自分も新しいことを吸収できますし、いただいたアドバイスは全部ありがたく受け止めるようにしてます。本当にまだ何にもできないうちから固定観念なんて作っちゃうのはダメだし、プライドっていうのは意識して作るものっていうより、自然にできていくものだと思うんですよね。



リアルさも見どころ!? 初主演舞台への意気込み


――そういう柔軟な気持ちが、お芝居での成長に繋がっていくんですね。2月に出演される舞台「赤い絆の橋の上、ここからはじまる時のコト」は、短編4本のオムニバス形式だとうかがいました。天野さんは「Spring Sugar Sweet」の主演を務められるとのことですが、こちらの見どころはどんなポイントでしょうか?(※2/18まで公演中です)



内容が全くちがう30分作品を4本上演するんですけど、先日演出家の方も交えて話をしていた時に、4つのストーリーを通じてひとつの流れを作って、最終的に全部を通して「楽しかった」と思ってもらえるような作品にしたいということになって。


4人の演出家の方それぞれの、全然ちがう作品を全部見られるのも見どころのうちだと思いますし。それと同時に、同じ舞台に上がってひとつの流れを作るために、ちがうストーリーの出演者同士もみんなで協力し合って作っていく作品なので、そういうところも見てもらえたらって思いますね。


あとは1本が30分なので、短い時間にどれだけ簡潔に物語を凝縮できるかという、脚本家の方のセンスですよね。僕は短編に出させていただくのが今回初めてなので、どういう感じになるのかまだ分からなくて、ちょっと緊張はしてるんですけど。普段の舞台よりセリフ回しのテンポも早いと思いますし、セリフの量も圧倒的に多いと聞いているので……。



――初の主演ですもんね。


そうなんです! 30分ということは、舞台袖にはけたりすることもほぼないと思うんですよ。はけたとしても、一瞬でてすぐ戻ってくるみたいな感じになりそうで。だから楽屋に戻って「あそこのセリフをちょっと見直そう」とかもできないし、1回まちがえたりしたら立て直すのも大変でしょうし……そう思うと、ある意味すごくリアルですよね!(笑) そこもひとつの見どころということで。


――「頑張る天野さんを見守る」と(笑)。


そう、見守ってください!(笑)



キャラになりきる気持ちで演じた石田三成役



――「赤い絆の橋の上〜」はオリジナル脚本の作品ですが、天野さんは「イケメン戦国 THE STAGE」といった2.5次元作品にも出演されていますよね。幅広い役柄を演じられるのは、やはり何でも受け止めて吸収する姿勢が生かされているのでしょうか?


そうかもしれないです。「イケメン戦国 THE STAGE」に関しては、もともと原作のゲームを知っていたんですよ。というのも、僕は少女マンガがすごく好きでよく読むんですけど、「イケメン戦国」って恋愛シミュレーションゲームなので、そんな僕にとってはけっこう楽しいゲームで(笑)。だから、石田三成役のお話をいただいた時はとても嬉しかったですね。


昔から何かになりきることが好きで、ちょっとしたモノマネをして、それをツイキャスでやってみたりもしてたんですけど、自分が演じるキャラクターなんて言ったら、もう愛は爆発的に生まれますよね。「三成役って自分に合ってるな」とか、自分自身でも思ったりしますし(笑)、お芝居の中で彼になりきることも楽しくて。そうやって全部楽しめるっていう性格が、演技にも生かされてるのかなぁと思ったりします。



――けっこうキャラへの愛については、グッズも買いに行かれてたりしてましたよね。


そうなんです、行っちゃいました。ゲームもバリバリやりましたし、それくらい好きなんですよね。こういうふうに、原作がある作品ならではの楽しみ方もあるし、もちろんオリジナル作品はオリジナル作品で自分でキャラクターを生み出す楽しみがありますし。その両方をやらせてもらえるのは、やっぱり楽しいなって思います。


――原作のある作品とオリジナル作品では、自分の中での役作りの意識もけっこうちがってくるものでしょうか?


うーん、“なりきる”のと“作る”のでは、またちょっとちがうかなと。原作があるものだと世界観ってやっぱり大事ですし、そのキャラとしてゲームの世界の人になりきっている感覚でいるからこそ、三成ファンの方にも「(三成の)まんまだ」って言ってもらえたのかなと思いますね。僕は三成のことが好きだから、三成のしそうな行動が何となく分かるんですよ(笑)。



――なるほど。気になる存在のことは知り尽くしている、と(笑)。


そうです、そうです。好きな女優さんや俳優さんについてもそうですけど、好きな人の仕草とか特徴って、ずっと見てると何となく分かってくるじゃないですか。「好きな食べ物はラーメンなんだなぁ」ていうのも分かりますし。キャラクターに対しても、それと同じような感覚なんですよね。


それに対してオリジナルは、(元のキャラクターがいないから)何が正解なのか分からないので、正解・不正解はお客さんが判断するものかもしれないなって。そうなると、第一にお客さん目線で見てくれるのが、演出家ですよね。演出家はお客さんが観て楽しいと思うものを作る人なので、それが正解なのか不正解なのかは示してくれるんですけど、僕が何かを提示しない限りはそれがいいのか悪いのかは分からない。


だから、とりあえず脚本を読み込んで、あとはやっぱり想像力ですよね。世の中にはいろんな人がいるし、映画やマンガをたくさん観たり読んだりしてきた中からも、自分の演じる役に近いなと思うものを頑張って探って、そこから作り上げる感じです。新しく生み出すのと、やっぱりそういうところはちがうなって思いますね。



明るいキャラクターで、所属事務所の立ち上げに携わるという異色の経歴についても、サラっと語ってくださった天野さん。その性格と「人付き合いを大切にしたい」という気持ちが、誰とでも仲よくなれる特技の秘訣なのではと感じました。後編では稽古中のエピソードや、アルバイトで学んだことについてたっぷりお話をうかがっていますのでお楽しみに!


取材・文:古原孝子
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)


インタビュー後編はコチラ


【プロフィール】
天野 眞隆(あまの・なおたか)
1994年10月8日 生まれ、神奈川県出身。
愛称はナオピー。趣味は少女漫画、ダーツ、ゲームなど。特技は恋愛相談にのること。
2/14(水)より舞台舞台 エンテナ PLAY UNION 第七回公演『赤い絆の橋の上、ここからはじまる時のコト』へ出演中

関連するワード