アルバイトの方はあまり重視していないかもしれませんが、フリーターの方は「職場が社会保険に入ってくれるかどうか」は重要な点です。

30代や40代の大人でも、社会保険についてはイマイチよくわかっていないという人も多いのですが、一生必要な知識ですので、まずは簡単に理解しておくと良いでしょう。

1.社会保険とは



求人情報などで「各種保険完備」とありますが、「各種保険」とはすなわち「社会保険」のことをさしています。多くの場合、そこに含まれるのは以下のようなものです。

健康保険(これに入ることで医療費が3割負担となります。会社に雇われていない人が入る「国民健康保険」と2種類あります)

厚生年金(老後のためや、死亡した時・障害を負った時のための保障です。会社に雇われていない人は厚生年金ではなく「国民年金」に入ります。厚生年金は収入に応じて額がことなり、会社が半分、本人が半分を負担します)

雇用保険(労働者も少し負担があります。一定条件をみたすと、失業保険がもらえるのもこの保険から)

労災(保険料は会社負担。業務中の怪我や病気は、この「労災」で全額医療費が支払われます)

雇用保険・労災については別の記事で詳しく解説します。知らないとソンをすることも多いことなので、ぜひ一度目を通してみて下さい。

2.社会保険に入るための条件



以下条件に当てはまれば、学生やフリーターの方でも上記「社会保険」に加入させる義務が会社にあります。

■2ヶ月をこえて働く場合
※1ヵ月の短期バイトなら社会保険に加入はしません。

■1週間に働く時間と1ヶ月の働く日数が、社員の4分の3以上である
※1か月20日として、15日以上働く場合

学生ではなく、1年以上働くことがみこまれる人は以下についても注意が必要です。

■2016年の10月から法律が改正され、規模の大きな会社(チェーン店など)で週に20時間以上働き、年収が106万円以上あると社会保険に入ることが義務づけられました。

3.社会保険は入りたくなくても条件を満たせば必ず加入が必要



よく、「社会保険料を払いたくありません。加入したくないと会社に伝えればよいですか?」という方がいますが、条件を満たす場合、必ず入らなければいけません。個人の意志でぬけることはできませんので注意が必要です。

もしどうしても入りたくないのであれば、2か月未満のド短期バイトを転々とするか、社員の4分の3未満に働く日数をおさえることです。

また、もし「国民健康保険」に入っていた人がアルバイト先で「健康保険」に加入するなら、「国民健康保険」は市役所で脱退の手続きが必要です。

もし放っておくと、国民健康保険も健康保険もお金を払い続けることになりますのでもったいないですよね。

特に学生の方ですと、通常は親の扶養にはいっているものなので、アルバイト先で社会保険に入るとなると見逃すことが多いと思います。

4.自分が職場で保険に入っているかどうかを確認する方法



一番簡単なのは、給与明細の「健康保険」や「雇用保険」などに数字が入っているかどうかということです。そこに数字があれば、その分がお給料からひかれているはず。

ひかれていれば、職場の社会保険にはいっているということですから、もし家族の扶養に入っている場合はすぐに家族に「職場で保険に入っているので、扶養から外してもいいみたい」と伝えてみて下さい。

5.社会保険に関するよくある質問



Q:社会保険完備と聞いていたのですが、初月給与から保険料がひかれていません。

A:保険料の徴収は次月ですので、2ヶ月目の給与からひかれるはずです。もしひかれていなければ会社に確認して下さい。

Q:アルバイトを経て正社員になりました。アルバイトの期間も資格を満たしていたのに社会保険にはいってもらえていませんでした。あとから加入することはできますか? またその場合、会社負担分は会社に請求できるのでしょうか?

A:2年の時効がありますが遡ることはできます。ただしその場合は厚生年金と健康保険分の自己負担分を納付する必要があります。

Q:アルバイトを無断で欠勤し、そのまま行かなくなりました。何か手続きすべきことはありますか?

A:もし給与が未払いであれば請求をしましょう。年金手帳を預けているなら必ず返却してもらい、会社で健康保険にはいっていれば、保険証を返す必要があります。無断欠勤だと会社の規程によっては「解雇」という扱いになってしまうかもしれないので、手紙などで「退職をしたい」という旨を伝えましょう。そのときに保険証や借りていた制服などを一緒に返すと良いでしょう。

Q:二箇所でアルバイトをしています。どちらからも社会保険がひかれるのでしょうか?

A:社会保険に加入するのは1つの会社だけです。2箇所で働いている場合、お給料が多い会社の方で入るようになりますので、お給料が少ない会社には「もう一つの会社で入っています」と伝えてください。また、お給料の多い会社にも、「もう一つ別のアルバイトをしていますのでお知らせしておきます」と伝えておくようにしてください。

<取材協力>

星野陽子(ほしの・ようこ)

一安裕美(いちやす・ひろみ)
http://www.officesato.jp/

HRプラス社会保険労務士法人所属の社会保険労務士。東京都渋谷区恵比寿を拠点に、「HR(人事部)に安心、情報、改善という付加価値をプラスしていく」いうコンセプトのもと、全国の顧問先に対し人事労務に関するソリューション提案を行っている。企業が元気にならないと雇用は生まれない、賃上げはできないとの思いから「人事労務で疲弊する日本中の経営者・人事マンを元気にする!」をミッションに掲げ、人事労務担当者の立場に立った人事労務相談、就業規則や諸規程の整備、IPO支援、海外進出支援、社会保険事務のアウトソーシングなどを展開。品質と信頼を担保するために、担当するスタッフ全員が社会保険労務士有資格者。万全のセキュリティ体制でマイナンバー制度へも対応している。





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